丸井グループは、小売店は自社での販売から賃貸へ切り替え中。自社カードによる割賦販売・手数料収入が柱。
事業転換を行い、収益改善と経営の筋肉質化が進んでいます。株主優待は年2回(3月9月)で買物券などです。
丸井グループの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
事業転換と株主還元に注目が集まる
小売事業は定借化で収益改善
丸井グループは、渋谷・新宿・池袋などにファッションビルを持つ小売事業者です。
2014年に発表した中期経営計画により、それまでの仕入れ契約(マルイがテナントの商品を仕入れて販売)から、定期借家契約(マルイはテナントに場所を貸す)へとビジネスモデルを大転換しました。
つまり、小売事業者から不動産業者になったとも言えます。
この定借化により安定的な家賃収入へ移行し、収益の改善が着々と進んでいます。
前の期に小売事業における定借化が大幅に進捗(20→62%)しているため、今期から大きく収益改善効果が発現するほか、急速な定借化の副作用で実に16%もの高水準に達していた遊休区画についても、ある程度埋め戻しが進捗する公算であり、今期は均して12%程での推移を見込んでいます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
収益の柱はカード事業
丸井グループの収益の柱はカード事業です。
ファッションビルのマルイでクレジットカード(エポスカード)に勧誘し、そのカードを利用してもらうことで収益をあげています。
小売とカードの一体のビジネスモデルと評価されています。
カード事業が収益の柱であることが良く分かりますね。
これは小売・カード一体のビジネスモデルに支えられています。
引用元:RYUの投資日記
エポスカードの取扱高は年率17%もの成長を続けており、リボ・分割払いによる収益アップが期待されています。
収益源となる金融事業については、足許で手数料の発生するリボ・分割払いによる支払いが急速に伸長しており、中でも加盟店への分割払い適用を百万店
規模に激増させたため、分割払い決済数が1年で倍増しており、この分割
払いの認知度向上により、ストック収入の飛躍的な増加が期待されます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
経営戦略・株主還元を明確化
低金利の現状においては、株主資本コストよりも借入コストの方が低いということもあって、戦略的に株主還元を強化しています。
経営戦略として、ROIC(投下資本利益率)>WACC(加重平均資本コスト)を名言しています。
- ROICの低いフィンテック(カード)事業は、コストの低い借入金でまかなう
- 小売事業(定借化)のROICは、コストの高い株主資本コストに近づける
の2点を進めることで、ROIC>WACCを図ります。
これほど経営戦略と財務戦略とに一貫性があり、それを表明している企業もなかなかありません。
最適資本構成を意識したアプローチは、まさにファイナンスの教科書に載りそうな内容で勉強にもなりますね。
引用元:ろくすけの長期投資の旅
上記の戦略において、相対的に大きくなるフィンテック事業に併せて、借入金も増えている状況にあります。逆に、自己資本比率を下げ、無駄のない効率的な経営を行っています。
そのため、4期連続の100%超えとなる株主還元(配当+自社株買い)を行っています。
オーガニックな成長は年率10%程度ですが、自社株買いを合わせることで、EPS成長は年率10数%を続ける見込みです。
4期連続の100%超過還元も達成することとなります。
会社側のスタンスとしては、最悪業績が未達であっても、メガトン級の自社
株買いの実施により、力づくでもEPSを上伸させる意図があるようです。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
株主優待は買物券など
株主優待は年2回(3月9月)で、保有株式数に応じて以下が貰えます。
- 買物券(1,000円相当)
- Webクーポン(1,000円相当)
- ポイント付与 ※3月のみ、エポスカード保有者のみ
ポイント付与はエポスカードの保有者のみで1,000円相当ですが、ゴールド・プラチナであれば2,000円相当にアップするそうです。
エポスカードのゴールド/プラチカードを持っていれば、もらえるエポスポイントが2倍になるんです。100株だと、通常1000円相当が2000円相当に。
引用元:しゃぼんだまんま
総合評価
事業転換が綺麗に成功しており、このまま行けば、好例として歴史に残りそうです。
2017年7月現在でPER17倍超では、割安感がないという指摘も多いですが、オーガニック成長で年率10%に加えて、自社株買いによるEPS成長もあるため、PER15倍以下の株価位置では押し目買いが期待できそうです。
割安感はないものの、ホールドには問題ないとの評価です。
丸井グループは指標的な割安感はイマイチですが、ま、PF中位としては特に問題ないものと考えています。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
(業績・株主還元等が)スピード違反気味とも指摘されるほどですが、経営には期待しているとのこと。
ややスピード違反気味ですが、青井一族の同族経営に期待しています。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
評価が高めで割安感がないという指摘もあります。
評価は近年は高めな模様。知名度あるし近年の効率化でそうですね感はあるけど故にあまり美味しくはないね。このままいっちゃう可能性ももちろんあるけど。