投資法人みらいは、三大都市圏の総合型REIT。スポンサーは、三井物産と、中国資本の不動産投資会社であるイデラキャピタル。
三井物産という大手スポンサーながら利回りが高いことが魅力です。
株主優待はミ・ナーラ内テーマパーク「奈良祭都」の忍者タウン及び金魚ミュージアムの入場料割引です。
投資法人みらいの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
三井物産がスポンサーの総合型REIT
2016年IPOで東証REITへ上場
投資法人みらいは2016年12月に東証REITに上場しました。
IPO売出価格183,000円に対して、初値は176,000円(-3.8%)とマイナスのスタートとなりました。
その後も価格は下落基調となり、2017年4月で一旦の底を確かめた形となっています。
ポートフォリオ
投資法人みらいは三大都市圏の総合型REITとして、オフィス、商業施設、ホテルを保有しています。
2017年9月現在においてのポートフォリオは以下の通りです。
- オフィス(4件)
- 品川シーサイドパークタワー
- 川崎テックセンター
- 新宿イーストサイドスクエア
- 昼コート東新宿
- 商業施設(4件)
- miumiu神戸(土地)
- 渋谷ワールドイーストビル
- イオン葛西店
- ダイキ和泉中央店
- ホテル(7件)
- ホテルサンルート新潟
- ダイワロイネットホテル秋田
- スーパーホテル仙台・広瀬通り
- スーパーホテル大阪・天王寺
- スーパーホテルさいたま・大宮
- スーパーホテル京都・烏丸五条
- コンフォートホテル新山口
三大都市圏と標榜しつつも、ホテルに関しては地方の物件も所有しています。
物件価格は合計で1,000億円程度で、東証REITでは中小型の部類となります。
スポンサーは三井物産と中国資本イデラ
財閥系大企業である三井物産がスポンサーとなっています。
三井物産グループでは日本ロジスティクスファンド投資法人も運用しており、そこで培った知見を投資法人みらいにも活かすとしています。
投資法人みらいは、三井物産グループをスポンサーとすることで、三井物産グループが日本ロジスティクスファンド投資法人の運用で培った知見を投資法人みらいの運用においても活用できるものと考えています。
引用元:The Goal
もう1つのスポンサーは中国資本のイデラです。
フォースン・グループの豊富な資金力と、東京の物件のマネジメント業務を受託していることが強みです。
イデラ キャピタルは、ファンドマネジメント力に加え、フォースン・グループの豊富な資金力を背景に、東京の大規模オフィスをはじめとする大型かつバリューアップ可能な物件のアセット・マネジメント業務を相次いで受託しています。
引用元:The Goal
三井物産には安心感がある一方で、イデラに関しては不安感を持つ個人投資家も多いようです。イデラの信用力のためか、格付けはシングルAとなっており、ダブルAへの格付けが期待されます。
スポンサーは三井物産と中国資本のイデラパートナーズで、「シングルA」の格付けを取得しています。イデラの信用力が不安視されたせいか、上場後、投資口価格が低迷していましたが最近になって漸く見直されてきたようです。
三井物産のブランド力が試される
イデラに不安感があるため、ポイントは三井物産のブランド力となります。
大手スポンサーREITでは4%前後の利回りが多い中で、投資法人みらいは6%前後の利回りを確保しており、三井物産のブランド力をもってすれば安い(高利回りだ)と評価されています。
当法人の魅力は、4%内外の利回りのREITが多い大手スポンサーの総合型リートの中で約6%もの利回りを確保している点です。特に三井物産のパイプラインサポートとクレジット力を鑑みれば、物件の取得や調達金利(現在0.55%水準)で安心感があります。
一方で、三井物産のブランド力はどの程度有効なのか不明であるという指摘もあります。
三井不動産系の「三井不動産ロジスティクスパーク投資法人」が例外的に利回り3%を切ろうかというレベルでの推移となっていますが、三井物産のブランド力は今回はどの程度有効なのでしょうか。。
今後の取得物件について
IPO時に保有する物件についてはコアアセットとして今後も中核を占めるものです。
IPO時に100%組み入れられるのは「コアアセット」であり、IPO以降も投資法人みらいのポートフォリオの中核を占めるアセットカテゴリーとします。
引用元:The Goal
今後は、利回りの低い都心部オフィスではなく、地方主要都市の物件に軸足をずらして利回りを引き上げる方針です。
利回りの低い都心部オフィスの取得を避け、主要都市(要は地方)の中規模オフィスや商業施設、ホテルに取得の軸足をずらすことで、ポート全体の利回りを引き上げる方針です。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
また、ニュータイプアセットと定義する、新しいアセットを組み入れていくことも予定されています。
不動産投資・運用実績がコアアセットと比較して限定的ではあるものの、競合となる取得者は限られており、将来的に不動産市場の拡大が期待できるアセットを「ニュータイプアセット」と定義し、成長ステージに応じてニュータイプアセットを組み入れていきます。
引用元:The Goal
具体的には、インフラ物件、ヘルスケア施設、産業用不動産などが想定されているようです。
新しいタイプのアセットが組み込まれれば、希少価値が出てくると評価されています。
・グロースアセットの中でも新しいタイプのアセットが組み込まれると、希少価値も出てくる。
引用元:J-REITブログ:ReRank
公募増資
上記のニュータイプアセットへの投資に向かうため、2018年5月についに公募増資が発表されました。
需給懸念から投資口価格は下がったものの、織り込み済みの内容でもあり、すぐに価格を反転させて高値を奪還しています。
投資口の分割
2019年4月30日を基準日として1対4の投資口分割が行われました。
それまで1口で20万円前後でしたが、これにより5万円前後まで投資口価格が引き下げられ、より個人投資家が投資しやすい状態になりました。
中期経営計画
Repower 2020
投資法人みらいはREITとしては異例の中期経営計画を策定しており、2020年4月期を目処に分配金を5,100円から5,700円に引き上げる計画です。
当法人はREITとしては異例の中期経営計画を策定しており、3年後の2020年4月期をメドに、DPUを5,100→5,700円まで分配金を1割強引き上げる目標値を置いています。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
2018年4月期においては、売却益458円分も含めて分配金5,807円を達成しており、次回(2018年10月期)からは分配金5,600円が想定されています。
中期経営計画の達成に向けて順調と思われます。
前倒しで達成へ

中期経営計画の進捗についてより抜粋
2020年4月期をメドに分配金5,700円を中計目標としていましたが、2018年10月に進捗が発表され、2019年4月期において分配金5,700円を達成見込みであることが示されました。
株主優待はミ・ナーラ内テーマパーク「奈良祭都」の忍者タウン及び金魚ミュージアムの入場料割引
2019年4月に優待新設
2019年4月16日に優待の新設が発表されました。
同4月30日の基準日を初回となります。
内容としては、投資法人みらいがポートフォリオに加えているミ・ナーラにおいて、テーマパーク「奈良祭都」にある忍者タウン及び金魚ミュージアムの入場料を一律500円に割引するものです。
通常価格は大人1,000円、子供・シルバー・障害者700円ということで、500円割引または200円割引ということになります。
総合評価
2018年11月時点の総合評価
2018年11月時点で年間利回りは6.3%となっています。
分配金の引き上げにより中計目標の5,700円を前倒し達成したこと、及び、10月末の配当落ちによる基準価格の下落によって、再び利回り6%超となっています。
半年後には配当落ち下落分は埋めてくると思われ、長期の小口資金であれば投資しても良い水準と考えられます。
2018年7月時点の総合評価
懸念されていた増資が発表されて一時下落したものの、将来への期待が高まり高値追いとなっています。
2018年7月時点で年間利回りは5.8%となっています。以前の6%超水準からは落ちたものの、未だに魅力のある水準であり、上値追いとなろうかと思われます。
前倒しの中計達成を予想されており、東証REIT指数も上昇していることも合わせて、悪くないと評価されています。
個人の見解になりますが、来月の決算発表で10月の分配金が5800円以上になり、中期経営計画を達成。そうすれば安定して株価も上昇してくるのではないかと考えます。東証REIT指数も上昇しているので、悪くないなと考えています。
2017年9月時点の総合評価
公募増資が無い前提においては利回り6%超という水準は魅力的です。
一方で、ニュータイプアセットを取得していく方針である以上、投資価格上昇時には公募増資懸念がつきまとうと思います。ニュータイプアセットには一定の期待があるものの、未だ不明な点も多いことから、投資に慎重にならざるを得ません。
上記の綱引きで利回り6%水準ということなのでしょう。
リスクがあるため投資資金は少なめに、6%以上の高利回りとして、ポートフォリオの一角にひっそりと置いておくという感じになるかと思われます。
中期経営計画通りに分配金が5,700円に達するのであれば利回り7%も見えるため、評価の余地があるとされています。
POを前提としないDPU5700円を最低目標と捉えるのであれば、見込利回り6.6~7%が視野に入るので投資口価格がかなり回復した現水準でも、なお評価余地があります。
引用元:なちゅの市川綜合研究所