6月優待銘柄の比較分析【2018年6月】

銘柄比較分析のコーナーの第3回です。

6月の優待銘柄のうち、人気があると思われる25銘柄を取り上げて比較してみました。

本ブログでも常に人気記事にあがる、すかいらーくや日本たばこ産業(JT)も含まれています。

業種・業界が異なるので横並びで比較することにどれだけの意味があるのかという話はとりあえず置いておいて、「こんな銘柄もあったのか~」「ここ安いけど意外に優待いいね!」等と個人投資家の皆様に気付きが与えられれば本望です。

2018年6月の優待権利付最終日は6月26日となりますので、気になった銘柄があれば、それまでに間に拾ってみるのはいかがでしょうか?

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6月優待銘柄の比較分析

分析対象

今回の比較分析の対象は25銘柄です。

すかいらーくGenkyDrugStoresキングジム日本マクドナルドHDアークランドサービスHDムゲンエステートロイヤルHDメディアスHDカワニシHDツカダ・グローバルHDウイルプラスHD鈴木千趣会日本エスコンザ・パックアルペンホットランドJT小林製薬岡部KeePer技研GMOインターネットGMOフィナンシャルHDGMOアドパートナーズGMOペパボ

独断と偏見で銘柄を選んでおり、6月の優待銘柄を全てはカバーできていません。ご了承ください。

利用データについてはページ最下部に表で掲載しています。

市場評価

まずは現在の市場からの評価としてPERとPBRを見てみます。

縦軸がPER(今期予想)です。

横軸がPBR(前期実績)です。

尚、JTの時価総額が飛び抜けて大きいため、以下の全グラフにおいてJTの時価総額(バブルの大きさ)は1/5に縮小しています。

6月優待銘柄 PBR PER

割とキレイにPBR評価とPER評価が比例しているように見えます。

PERでは測れなそうな銘柄としては、アルペンくらいでしょうか。特損を大きく計上する傾向が続いており、PERは結果的に高めになってしまっています。

高評価(割高)な銘柄

グラフの右上部分の銘柄は高評価(割高)といえます。

GMOインターネットやGMOペパボというネット銘柄、優待に支えられるホットランドや日本マクドナルドHD、安定成長+ここ数年高まる成長力の小林製薬、個人投資家にも人気の高いアークランドサービスHDやKeePer技研です。

PBR5倍以上/PER30倍以上という指標的割高感がある反面、それ相応に評価される魅力も併せ持っています。

低評価(割安)な銘柄

グラフの左下の部分は低評価(割安)といえます。

ムゲンエステートや日本エスコンといった不動産銘柄、業績頭打ち感のあるツカダ・グローバルHD、金属製品メーカーの岡部、通販苦戦の千趣会です。

PBR1倍以下/PER10倍以下という指標的割安感がある反面、業種的にはそれほど割安感のある水準でもないものや業績が厳しい銘柄が並びます。

自己資本利益率(ROE)

次にROEとPERで見ていきたいと思います。

縦軸がPER(今期予想)です。

横軸がROEです。

6月優待銘柄 ROE PER

高ROE銘柄

まず、右端に外れ値っぽく見えてしまうのは、高ROEながら低PER評価されがちな不動産銘柄であるムゲンエステートと日本エスコンです。

日本マクドナルドHDやGMOインターネットはROE20%前後であり、かつ高い評価を受けている銘柄と言えそうです。次点でKeePer技研やアークランドサービスHDも同様です。

それらと比べると、GenkyDrugStoresやウイルプラスHDはもう少し評価されても良いように思われます。次点でGMOフィナンシャルHDやJTも同様です。

低ROE銘柄

まず、左上に外れ値っぽく見えてしまうのは、アルペンとGMOアドパートナーズです。アルペンは純利益がイマイチで低ROEですが、PBR1倍水準で支えられているように思われます。また、GMOアドパートナーズはネット企業にしては低利益率・低ROEですが売上拡大は続いており、期待値は高いということかもしれません。

低ROE・低PERとなっているのは、ツカダ・グローバルHD、岡部、鈴木あたりです。業績が厳しかったり、評価されにくい業種であるグループです。

総合利回り

優待銘柄ということで、配当利回り+優待利回りである総合利回りを見てみます。

縦軸がPER(今期予想)です。

横軸が総合利回りです。

6月優待銘柄 総合利回り PER

GMOアドパートナーズとGMOフィナンシャルHDは、GMOクリック証券における手数料キャッシュバックがあるため、それを満額利用できる前提ですが、非常に高い利回りとなっています。

GMOクリック証券を利用されている個人投資家であれば必須の銘柄です。

では、その2つを削除して他を見やすくしてみます。

6月優待銘柄 総合利回り PER

総合利回りが高い銘柄

グラフの右側である、JT、すかいらーく、GMOインターネットは総合利回りが高いです。

GMOインターネットに関しては、GMOクリック証券を利用している場合に限りますが、なかなかの利回りです。その一方ですでに高く評価もされている銘柄なので、優待目的とするならGMOインターネットよりも先に、GMOアドパートナーズとGMOフィナンシャルHDになるかと思います。

JTとすかいらーくは個人投資家にも人気の高い銘柄です。ただし、総合利回りの内訳は異なっており、JTは配当重視、すかいらーくは優待重視となります。

総合利回りが低い銘柄

グラフの左側である、KeePer技研、アークランドサービス、ロイヤルHD、小林製薬あたりは総合利回りが低めです。

しかしながら、PER評価も高いので、配当や優待というよりは業績に注目が集まっている銘柄と言えそうです。

6月優待 個別銘柄ピックアップ

以上の比較分析から、期待の銘柄をピックアップしたいと思います。

優待必須銘柄

GMOクリック証券を利用している前提ですが、GMOアドパートナーズGMOフィナンシャルHDはもはや必須と言ってよいと思います。

単元価格も低いため、個人投資家の強力な味方となります。

王道優待銘柄

日本マクドナルドHDはコメントせざるを得ません。

過去には業績急落下もありましたが、V字回復し、ROE20%と優秀な業績です。

優待と利益成長により株価も相当上がったため、高PER・低総合利回りとなっていますが、王道優待銘柄として今後も強さを継続しそうです。

罠かもしれない高利回り銘柄

高利回りではあるものの、それ相応の理由がある(もしかすると罠かもしれない)銘柄です。

GMOインターネットは、GMOクリック証券を利用していれば高利回りなのでアリだと思いますが、PER評価が高く、仮想通貨事業もどうなるか読みにくいので、株価下落のリスクもあります。

すかいらーくは、常々、優待廃止(変更)のリスクが指摘され続けています。

JTは、業績不振による株価低下で配当利回り5%超となったことで話題となりました。その水準で個人投資家の買い(信用買い)が行われており、上値は重いと思われます。権利落ち日以降に再度安値を見に行くリスクも高いと思われます。

割安銘柄

日本エスコンムゲンエステートは不動産銘柄なので低PERとなっていますが、高ROE・高利回りなので注目しても良いかと思います。

割高銘柄

小林製薬は、消費財銘柄であり、連続増配・安定成長ということで非常に高い評価を得ています。

その割に、ROEでも総合利回りでもイマイチ上位には入ってきませんでした。

時価総額も大きくなっており、成長力に限りが見えれば大きな調整もあり得るのではないかと思います。

まとめ

比較分析の第3回目として6月優待銘柄を取り上げてみました。

GMOグループの総合利回りの高さが光りました。JTとすかいらーくは個人投資家にも非常に人気が高く総合利回りが高い反面、リスクも大きいと思われるので判断が分かれそうです。

日本マクドナルドHDを業績急落時に買えてタラレバ・・・と思っている個人投資家も多いのではないでしょうか。

6月優待を切り口にしたので、業種が入り乱れており、横並びの評価は難しいですね。それでも優待取得の参考になれば幸いです。

利用データ

2018年6月15日時点の数値を用いています。

PERは今期予想(yahooファイナンス)です。一部の銘柄で業績予想がなく、yahooファイナンスに記載されていないものは、四季報データを用いました。

PBR、ROEは前期実績値です。

グレアム係数は、PER×PBRです。

総合利回りは、配当利回り+優待利回りです。優待では長期優遇制度は含めず、利用価値のあると判断される優待内容のみを採用しています。

銘柄名から本ブログの個別分析のページも確認いただけます。(銘柄名に●がついているのはクオカード優待です。)

銘柄 PBR PER グレアム係数 ROE 総合利回り 単元価格 時価総額
すかいらーく 2.68 19.46 52.15 14.1% 5.8% 1,699 3,348
GenkyDrugStores 3.06 19.92 60.96 20.5% 1.6% 4,485 694
キングジム 1.48 24.86 36.79 6.1% 3.5% 1,102 358
日本マクドナルドHD 5.98 40.84 244.22 20.1% 2.2% 5,990 7,964
アークランドサービスHD 4.82 31.69 152.75 15.3% 1.2% 2,489 824
ムゲンエステート 1.47 6.16 9.06 24.7% 3.4% 1,174 286
ロイヤルHD 2.32 36.19 83.96 7.2% 1.3% 3,050 1,226
メディアスHD 2.05 20.28 41.57 9.0% 2.2% 1,105 215
カワニシHD 1.51 13.12 19.81 14.0% 2.4% 1,670 104
ツカダ・グローバルHD 0.94 10.34 9.72 6.6% 3.1% 650 318
ウイルプラスHD 2.4 14.46 34.7 19.4% 2.7% 1,185 114
鈴木 0.9 10.95 9.86 7.4% 2.6% 1,007 139
千趣会 0.72 20.33 14.64 -23.6% 3.7% 547 286
日本エスコン 2.11 7.66 16.16 28.1% 3.0% 676 484
ザ・パック 1.39 13.81 19.2 10.2% 1.7% 3,800 756
アルペン 0.96 40.5 38.88 2.6% 3.2% 2,475 1,002
ホットランド 6.4 52.08 333.31 10.8% 2.5% 1,413 261
JT 2.16 14.39 31.08 15.0% 5.4% 3,165 63,300
小林製薬 5.1 46.22 235.72 10.7% 1.6% 9,950 8,164
岡部 0.9 13.56 12.2 6.5% 3.1% 1,007 542
KeePer技研 4.57 33.99 155.33 17.0% 0.6% 1,365 192
GMOインターネット 7.31 32.8 239.77 19.3% 4.9% 2,852 3,283
GMOフィナンシャルHD 3.47 16.2 56.21 17.5% 9.7% 930 1,112
GMOアドパートナーズ 1.59 37.92 60.29 3.5% 14.4% 460 77
GMOペパボ 8.04 38.04 305.84 10.5% 2.9% 3,740 102
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