アインホールディングス(9627)

アインホールディングス(アインHD)は、 門前薬局首位。大型店得意。都心で女性向けドラッグストアも。セブン&アイと資本・業務提携。

株主優待は自社グループ商品券です。

アインHDの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。

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M&Aが進む調剤薬局でシェアトップ

事業内容

アインHDは、調剤薬局(門前薬局)を運営するファーマシー事業と、女性向けドラッグストアを運営するリテール事業を行っています。

売上比率としてはファーマシー事業が約90%と中心的ですが、残り10%のリテール事業についても着々と成長しています。

ファーマシー事業

調剤薬局(門前薬局)のシェアトップであり、新規出店およびM&Aによって店舗数を拡大しています。2018年6月時点で1,029店舗を展開しています。

調剤薬局市場は多数の小規模事業者がひしめいています。トップであるアインHDですら売上高シェアは2.9%に留まっており、まだまだ拡大の余地は大きいと思われます。

アインHD 調剤薬局 シェア

アインHD 2018年4月期2Q決算説明会資料より抜粋

多くの個人薬局は、薬価引き下げや調剤報酬改定で経営が苦しくなっており、大手によるM&Aが進むと想定されています。

個人薬局は薬価引き下げと調剤報酬の改定で苦しい経営を強いられています。こういった個人薬局を、調剤大手がM&Aで吸収していっているのがいまの調剤薬局市場の状況です。

引用元:アジアで働くヘルスケアITベンチャーのマーケター考察日記

リテール事業

ヘルス&ビューティをテーマとして、女性向けドラッグストアの「アインズ&トルペ」を運営しています。

地盤の札幌および東京で展開しており、2018年4月期において店舗数は48となっています。

店舗数は微減しているものの、スクラップアンドビルド戦略、粗利率向上、コスト削減が功を奏しており、増収増益となっています。

男性客はほとんどおらず、完全に女性向けのお店だとコメントされています。逆に言えば、それだけ徹底してコンセプトを作り守っているとも考えられます。

早速、都内にあるアインズ&トルペのお店に行ってみました。
ホームページにあるアインズ&トルペ マロニエゲート銀座店の画像を載せておきますが、完全に女性向けのお店でした。
男性客はほとんどおらず、アウェー感が満載でした……。

引用元:コツログ

2017年 公募増資

アインHDは2017年8月に公募増資などで最大305億円を調達することを発表し、実行しました。公募増資、自社株売却の他、出資比率を維持するためにセブン&アイに第三者割当も行いました。

7年ぶりの公募増資となり、今後の新規出店やM&Aに充てる資金とされています。

財務は安定的

ほぼ実質無借金経営が長年続いており、毎期の営業CFもしっかりと出ています。M&Aや新規出店に積極投資しつつも財務は安定的です。

さらに、2017年に行った公募増資によって、財務はより盤石になりました。

2018年4月期においては、ネットキャッシュで450億円(cf. 時価総額2,650億円)、自己資本比率は53%となっています。

今後のM&Aや新規出店にキャッシュは使用されますが、当面の間の資金需要は満たしていると思われます。

毎年FCFがプラスですが、株主還元より投資優先的なスタイルだとコメントされています。

投資は営業CFの範囲にしてFCFはここ10年だと毎年プラスのようです。配当は配当性向低めで自社株買いもあまりしてなく還元よりは投資優先的なスタイルは見えてきます。

引用元:大河の一滴

株主優待は自社グループ商品券

株主優待は100株以上で一律2,000円相当の自社グループ商品券がもらえます。

処方箋調剤の支払いには利用できません。

以下でご紹介している個人投資家のコメントを見ると、可能であれば、女性向けドラッグストアであるアインズ&トルペで使うのが良さそうです。

処方箋調剤がメインのアイン薬局の方で株主優待を使おうとすると、店員が慣れていなかったり、使える品数が少ないので、イマイチな様子です。

これ使いたいんですけど、って言ったら、薬剤師の人もわからない様子で、いろいろと調べ物を始めちゃいました^^; レジ打ちの仕方を調べたり。
結構待たされて、使えるのが、絆創膏やマスク、バファリンや正露丸などのクスリ数種類、
あとはオロナミンCとリポビタンDのドリンクなど…。

品数が少なくてびっくり!

引用元:あんこの株.club

2,000円相当の商品券がオークションでは1,500円くらいということで、換金率はそれほど高くありません。

オークションで1,500円ぐらいですね。

引用元:しゅうの高配当株・株主優待株で経済的自由を目指すブログ

総合評価

調剤薬局事業は、国策であり、高齢化が進む日本では成長産業であると思われます。M&Aの余地は大きく、その先頭を走るアインHDも長期で見れば安定した成長が見込めます。短期的には薬価改定や調剤報酬改定の影響を受けるのに注意は必要です。

2018年6月時点でPER28.6倍/PBR2.74倍となっています。毎期2桁成長が続くような高い評価です。

短期的な影響でPER20倍割れ水準まで落ちれば、押し目買いを狙っていきたいです。

ファンダメンタルズ的にはケチがつけ難いと指摘しつつ、PER的にもそれ相応に高い評価を受けているのが悩みどころだとコメントされています。

ケチがなかなかつけ難くお金用意してさらなる成長を狙ってきている段階とは言えるかもしれません。投資が報われれば成長加速も考えられるところ。ただPERとしては絶対的にも自身としてもわりと高めな水準のPER20台後半。

引用元:大河の一滴

調剤薬局株は、2年毎に行われる調剤報酬改定の影響を受けるため、改定直後は投資を避け、対応が完了したら買い、改定直前に売るということを勧められています。

この調剤報酬改定が投資家から調剤薬局株は避けよう、と思われる大きな理由なのかもしれませんが、何も調剤報酬の改定は突然訪れるわけではありません。そう、2年に1回と公に決まっているのです。

引用元:アジアで働くヘルスケアITベンチャーのマーケター考察日記

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