エー・ピーカンパニーは、都内中心に居酒屋「塚田農場」等を展開する飲食業者。自社農場で地鶏を育成することで、生産・販売を直結していることが特徴。
2012年にマザーズに上場し、塚田農場のユニークさに注目が集まりましたが、その後は既存店前年割れが続き低迷しています。株主優待は自社グループで使える優待券ということで、配当優待株として分類します。
エー・ピーカンパニーの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
生産・加工まで行う飲食業
特徴・強み
エー・ピーカンパニーの最大の特徴であり強みは、自社で生産・加工まで行い、自社の飲食店で販売する垂直モデルにあります。
仕入れについても農家や漁師から直接行い、自社の加工場で加工しています。カンブリア宮殿やガイアの夜明け等の人気テレビ番組でも取り上げられ、居酒屋「塚田農場」の盛況ぶりと相まって、IPO~半年ほど人気を集めました。
エーピーカンパニーは通常の居酒屋とは違い、いわゆるメーカー機能も持ち合わせているところに最大の特徴があります。出店の遅れとは対照的にメーカー機能はどんどんと充実してきており、2014年8月より鹿児島県黒さつま鶏の加工センターが竣工、2015年4月より青森県深浦マグロの加工センターが竣工、2015年8月には山形県最上鴨の加工センターが竣工予定であり、さらなる業態の多様化が見込まれます。
引用元:サラリーマン投資家ai(アイ)による成長株&配当株&優待株のハイブリッド株式投資実践ブログ
日本の居酒屋は飽和傾向にあり、高いレベルでしのぎを削っている状態である。そうしたなかで、APCの武器とする”製販一体の直営モデル”は、原価構造のうえで他社と比較した優位性。
引用元:グローバル経営コンサル@株
業態拡大
居酒屋だけでなく、宅配弁当などの新事業を積極的に行っており、業態が拡大しています。
また、居酒屋・飲食店だけではなく、2014年7月より宅配弁当事業を開始し中食にも参入。今後はスーパーなどへの加工品開発、結婚式二次会などのブライダル事業にも参入する意向であり、コラーゲンスープ鍋を展開する東南アジアへの進出と合わせて、その独自性には目を見張るものがあります。
引用元:サラリーマン投資家ai(アイ)による成長株&配当株&優待株のハイブリッド株式投資実践ブログ
昨年7月に始めた宅配弁当事業「おべんとラボ」が好調なこと、多店舗展開をにらんだ「かもそば」業態の出店、生産流通事業の拡大などにも期待できそうです。
引用元:紅の鹿の日記
業態の拡大については”右往左往”と表現されていますが、高単価路線に回帰することは本来の姿であると指摘されています。
直近では「やきとりスタンダード」などの低価格業態の展開にシフトしつつありましたが、足許では屋号を変えて高級和食居酒屋や鴨専門店など再び高単価路線に回帰しているようです。この辺はワタミの戦略を周回遅れで真似して、業態戦略が右往左往しているような気もしますが、当社は一次産品を売りにしているので、基本は高単価路線で攻めるべきであり、やっと本来の姿に戻りつつあると捉えることも出来ます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
既存店売上の前年割れが続く
IPO半年後からは株価下落
エー・ピーカンパニーの評価が分かれるところは、既存店の前年割れが継続している店、およびそれがいつ終わるかということでしょう。
社長の説明では前年割れは解消してくるだろうとのことですが、実績は伴ってきていません。
エーピーカンパニーは主力居酒屋事業の「塚田農場」の既存店売上高が8か月連続で前年割れしていることから業績不振懸念で株価が低迷気味です。けれども上記のインタビューで米山社長が「前年割れの原因は、現場にブレが生じているのではなく、カニバリです。ポジティブなカニバリ。」と答えていることから、紅の鹿の中では業績不振懸念は払しょくされました。
引用元:紅の鹿の日記
2014年度の株主総会においては以下のブログに詳しいです。ここでも既存店前年割れは回復すると語っていますが、その後も前年割れの傾向が続いてしまっています。
→既存店の不振については申し訳なく、そして大きな課題だと思っている。理由は、説明会資料にも記載したとおり。正直なところ、まだ出店戦略が整っていなかった頃(3、4年前)に出した店が苦戦している。塚田農場や四十八漁場には向かない場所だったというのがいくつかある。既存店前年割れはまだ続く傾向ではあるが、そのような店も赤字というわけではないし、ネガティブには捉えていない。秋ごろには回復する見込み。
引用元:のりぞーの目指せ壱億円!
新企業体の激安店「やきとりスタンド」に対する疑問も呈されています。
焼鳥60円~の新業態「やきとりスタンド」を複数店
オープンしています。当社がこういった廉価(というか超廉価)業態を展
開するのは記憶になく、鶏の製販一体モデルを展開する当社が価格
競争力で勝負するのは間違っていないのものの、一歩間違うと当社
のブランド力(対生産者・対顧客・対スタッフ採用面)が大きく毀損する
ので、かなり危険な賭けに出たような印象を受けます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
以上で取り上げたブログの個人投資家たちも、一度は購入してみたものの、2017年現在においては手放してしまっているようです。(おそらく損切り?)
外食産業には他にも割安で成長している企業も多いですし、競争が激しい中で、個人投資家からは見放されてしまったようです。
2016年度やっと底入れ?
2016年度になると、株価は底入れの様相となります。再度、成長期待を持てるかどうかが投資の判断を左右しそうです。
成長期待は剥落し、改めて織り込まれ始めているという水準と認識。流通事業は安定して収益化に寄与し、弁当事業はもう少し大きくなるのではないかと期待。
引用元:グローバル経営コンサル@株
そんなにヤバい決算なのかなぁ。と思いみてみましたら数字だけとったら復活きざしがみえる決算になっていました。メディアを鵜呑みにするのは怖いですね。
引用元:Kabu Berry
優待は自社グループで使える優待券
飲食業にはありがちですが、優待券がもらえます。
ビジネスモデルや業績については心配な点だと前置きしています。
塚田農場のビジネスモデルは既に陳腐化して飽きられ始めており、既存店売上高は100%割れが続き、株価もガンガン下がっていました。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
総合評価
優待狙いで1枚保有することは特に問題ないと考えられています。
ただし、現状の株価950円程度では優待利回り3%弱となりますので、それほど高い利回りとは言えません。優待狙いで保有するにしても、業績の回復を確認する必要がありそうです。
APカンパニーは優待狙いで1枚保有するのには特に大きな問題は無いと思います。時価総額も低いですし、業績改善があれば非常に面白い銘柄であるとも考えています。引き続き注意深く観察しながらホールドしていく予定です。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌