クリエイト・レストランツ・ホールディングス(クリレスHD)は、SC内にレストランやカフェを展開し、立地ごとの業態開発に強みがあります。居酒屋など郊外型店舗を育成中。
年2回(2月8月)の株主優待の食事券が人気です。1年以上で長期優遇もあります。
2017年2月期で8期連続増配を達成していましたが、2018年2月期に減配となりました。
クリレスHDの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
時価総額を高めてM&Aを行う優待レバレッジ経営
M&Aで高い成長を遂げる
クリレスHDは、M&Aによって飲食店のブランド・店舗を拡大して高い成長を遂げてきました。太っ腹な優待によって時価総額を高め、それによって有利に増資を行って資金調達を行ってきた経緯から、優待レバレッジ経営とも呼ばれています。
PO等も行って資金調達しつつ、高い時価総額を活用してM&Aで急成長しています。
RIZAPグループ、コロワイドなどと並んで、優待レバレッジ経営を最大限に活用しています。
引用元:The Goal
このような成長の良い面として、単一ブランドの店舗数の壁は気にかける必要がないことがあげられています。複数ブランドで総合的に店舗数を増やし、クリレスHD内のカニバリを少なくすることができます。
外食業界では、同一の業態・ブランドだと約1千店舗が成長の限界とも言われます。
クリエイト・レストランツHDは、「マルチブランド・マルチロケーション戦略」を採用しており、さまざまなブランドで出店しています。
そのため、この1千店舗の壁はあまり気にしなくてもよさそうです。
2015年以降、株価は横ばい
急成長に併せて株価も大きく上昇してきましたが、2015年に天井を付けた後は横ばいが続いています。
2017年2月期は営業減益に沈んだこともあり、業績・株価の踊り場感があります。
手詰まり感も指摘されており、今後の経営が問われる段階にきています。
当社の場合は基本的に”時価総額経営”
ですので、株価横ばい状態の現状には、やや手詰まり感もあります。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
IFRS移行で見栄え底上げ
2019年2月期よりIFRSへ移行することが発表されています。
これにより、これまでのM&Aで積み上がったのれん代(131億円残)の償却がなくなるため、営業利益段階から9億円ほど底上げされると指摘されています。
これまでMAで取得してきた同業他社の‘のれん代’(残額は131億円)の償却が営業利益段階から年間9億円強ヒットしてきましたが、この分がまるごと浮くため、利益水準が大きく底上げされます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
財務は懸念あり
高い成長の負の側面として、度重なるM&Aによって懸念されるのが財務状況です。
2018年2月期においては、キャッシュ127億円に対して借入金は292億円にのぼり、自己資本比率は28%という状況です。
同業他社よりはマシな状況ながら、今後もM&Aが続くと想定されるため、すぐに自己資本比率が落ちてしまうとの指摘です。
当社の自己資本比率は24%となっており、同業のゼンショー(21%)
やコロワイド(16%)よりはいくらかマシな財務状況となっていますが、当社は
MAをアテにした中計なので、あと1~2社他所から買えば、あっという間に
同業と同水準まで落ちてしまいます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
財務悪化に、成長鈍化などが重なり、歯車が狂うと危ういのではないかという心配もあります。
正直な印象としては、急激に成長をしてきているので見た目上、部分的な財務の悪化が起こることは仕方ないと言えますが、裏を返せば一旦歯車が狂ってくると危ういのではないかと思っています。
引用元:株LAB.
中期経営計画
2020年2月期に向けた3ヵ年
2017年2月期の営業減益を受けて、中期経営計画も下方ローリングされています。
3年中計に関しても下方ローリングしており、これまでの目標であ
る2019年2月期の売上高を1,450→1,300億円、経常利益を106→80億円に、
最終年度である2020年2月期の売上高を1,500億円(CAGR10%)、経常利益
を100億円(CAGR16%)へ修正しています。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
しかしながら、上記の下方ローリングされた中計を達成するには、既存店の復活を望むのではなく、新たなM&Aによって数字を積み上げる必要があり、当社もその方向に進んでいると指摘しています。
当社には年間60件程のMA案件の持込がある様ですが、
今期はこれを100件ペースに引き上げ、”積極取組方針”とするようです。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
2021年2月期に向けた3ヵ年
IFRS適用後となる目標数値についても、再度の下方ローリングとなっています。
2020年2月期について比較すると、売上高は前回1,500億円→今回1,350億円、経常利益は前回100億円→81億円と減額されています。
そして、最終年度となる2021年2月期については、売上高1,450億円(年率+8%成長)、経常利益91億円(年率+10%成長)を目標値としています。
経常利益100億円がさらに遠くなったという印象です。
従来中計からは事実上減額されている内容であり、既存店の苦戦が大きく影響していると指摘されています。
会計基準の変更により単純比較は出来ないものの、従来中計との比較では、事実上減額修正された格好となります。当社は元よりオーガニック成長しか見込んでいないため、「磯丸水産」を中心とした既存店の苦戦や、「かごの屋」の人件費付替え問題等による内部体制の再構築や出店抑制等が色濃く影響しているとみられます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
株主優待は食事券
優待レバレッジ経営を実現しているだけあり、株主優待は自社店舗で使える食事券で、年2回(2月8月)も貰えることもあり、高利回りとなっています。
- 通常分
- 100株以上 3,000円相当
- 500株以上 6,000円相当
- 1,500株以上 15,000円相当
- 4,500株以上 30,000円相当
- 長期優遇分(1年以上)
- 200株以上 1,500円相当を追加
当然ながら個人投資家に大人気の株主優待株となっています。
このクリエイト・レストランツHDと言えば、株主優待が有名です。
配当・優待利回りが約7%で、店舗数も多く、使い勝手もよいので、魅力的な株主優待だと思います。
株式分割時にも優待拡充している点も人気が高まる理由になっているようです。
クリエイト・レストランツHDは株主優待の積極活用しており、何度も拡充があることから、優待族としては相思相愛というイメージを抱いています。
引用元:The Goal
利用できる店舗・ジャンルも数多いことも人気の秘訣です。
手羽先唐揚専門店「鳥良」、和食 しゃぶしゃぶ「かごの屋」、「磯丸水産」、高級鮨食べ放題「雛鮨」、自然食バイキング「はーべすと」、「デザート王国」、「AWkitchen」 など・・。ポムポムプリンカフェでも使える優待券がもらえますよ!
引用元:モノ好き。ブログ
長期優遇制度の導入
2018年5月に長期優遇制度の導入が発表されました。
1年以上の継続保有かつ200株以上の保有で、優待券1,500円相当を追加するものです。
最も利回りの良い100株では適用されないため、優待目的の個人投資家からは不評です。
買うなら100株で良いと思います。
長期保有の追加の優待を100株から貰えるようにして欲しいですね。
もしくは長期保有の追加優待額を上げて欲しいですね。
そうしないと200株以上保有するメリットがあまりない。
引用元:旧帝大院卒サラリーマンが株主優待と配当金で資産を増やすブログ
総合評価
2018年8月時点の総合評価
2018年2月期にはFCFを大きく創出し、財務改善が進みました。しかし、2019年2月期はIFRS移行で見栄えが良くなるはずが、1Qで2桁減益となり、業績に不透明感が漂います。
2018年8月時点でPER32.0倍/PBR6.53倍となっています。指標的割高感は否めませんが、総合利回り5.3%ということで、このあたりがフェアバリューである印象です。
株価は2018年6月を天井として調整していますが、1Q決算発表でアク抜けとなっています。8月優待に向けて株価を保っていますが、権利落ち後には業績不透明感からさらなる株価調整もありえると思われます。
PERは高めであるものの、配当優待利回りは5%近辺なので、優待を使いながら長期ホールドしていれば大きく成長していたというシナリオもありそうだとコメントされています。
クリエイトはPER的にいかにも高め。も、事業意欲高い飲食はみなこんなもん感あります。間違っても安いなんて思わないほうがいいと思うけど一方、優待もあって優待額面表をして配当優待利回りで見ると5%近辺と桐谷さんラインも越えていて含み損が出ても気にせず優待使っていたら気づいたら大きく成長株価も大いに伸びましたなんてシナリオも十分ありそう
引用元:大河の一滴
2017年5月時点の総合評価
魅力的な優待のため、下値では一定の買いが入りそうではあります。
中期経営計画の下方ローリングが続く状況ですが、株価は上値追いとなっています。
しかし、優待レバレッジ経営、ハリボテ高PBR銘柄とも言われているように、株価に比べると業績が伴っておらず、割高感は否めません。
優待目的の最低単元ホールドが適しているようです。
このクリレスHDの様な、華美な優待内容で高株価を維持している一部の「ハリボテ高PBR銘柄群」が非常に苦手で、これまでは1度も保有していませんでした。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
現状では自己資本比率が悪化していることや、今後もM&A資金が必要となってくることから、株価の高い位置では増資がありえると思います。
逆に言えば、増資によって株価がディスカウントされたときこそ、個人投資家にとっては買い場となる可能性があります。
コロワイドと同様にIFRSに移行して、
バリュエーションを良化させてから資金調達するか、不振のSFP株を切り
売りするとか方法はありますが、当社の場合は基本的に”時価総額経営”
ですので、株価横ばい状態の現状には、やや手詰まり感もあります。
引用元:なちゅの市川綜合研究所