ダイフクは、保管・搬送システム世界首位級。立体自動倉庫首位。自動車向けルーツに液晶、半導体向け展開。
株主優待はありません。
ダイフクの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
ネット通販拡大の恩恵を受ける物流システム企業
事業内容
ダイフクは、モノを動かすマテリアルハンドリングを事業領域としており、コンサルからアフターサービスまで一貫したサポート体制を構築しています。
以下の6つが主要事業です。
- 一般製造業・流通業向けシステム
- 半導体・液晶生産ライン向けシステム
- 自動車生産ライン向けシステム
- 空港向けシステム
- 洗車機・関連商品
- 電子機器(子会社のコンテック)
様々な分野において、保管、搬送、仕分け・ピッキング、情報システムなどを組み合わせたソリューションを提供しています。
リーマンショック後から成長続く

2018年3月期決算説明資料より抜粋
リーマンショック後の2010年3月期に赤字寸前まで落ち込んだものの、その後は売上・営業利益率を向上させ、2018年3月期には過去最高の業績を達成しています。
世界的なネット通販の拡大により、物流倉庫が世界中で拡大し、その恩恵を受けています。
国内では楽天の物流拠点が増加しているとコメントされています。
ネット通販系の物流倉庫が世界中で拡大しているため、それに伴って業績が順調に伸びているようです。国内でも楽天が現在の3つの物流拠点に加えてさらに7つほど増やそうとしていますし、米国でもAmazonを始めとするネット企業がネットワークを拡大しているので、Amazonがダイフクのシステムを導入しているかは調べてませんが、そういった動きに伴って成長しています。
引用元:水川山月記 blog 〜経済・IT・リスク・イノベーション〜
地域別売上高

2018年3月期決算説明資料より抜粋
日本、アジア、北米での売上が大半を占めています。特にアジアでの成長が顕著です。
現状では日本も伸びているため、海外売上比率は横ばいですが、今後の成長の方向性としては、よりグローバル化を進めていくことだと指摘されています。
今後の成長の方向性としては、海外売上高が7割に近づきつつある中で、経営のグローバル化をより進めていくことでしょうか。
引用元:水川山月記 blog 〜経済・IT・リスク・イノベーション〜
豊富な受注残

2018年3月期決算説明資料より抜粋
2018年3月期に過去最高の業績をあげていますが、受注残は未だに豊富であり、翌2019年3月期も増収増益が見込まれます。
株価絶好調で公募増資
業績好調で株価も高騰していた2017年11月、公募増資が発表されました。
公募増資と自己株処分により、約220億円を調達し、米国事業拡大のための工場建設等に充てるとされています。
10年来の最高値圏の株価水準であったため、ダイレクトに資本増強を図りたかったものと推察されています。
2016年安値から3.9倍、2017年安値から2.7倍と、最近10年でも最高値圏(2017/11/13:6,520円)の株価水準にあるダイフクは、現状の株価水準でダイレクトに資本増強を図りたかったものと思われ、CBを選択せずに、公募増資+自己株式処分※を選択した。
財務は安定的
2018年3月期は過去最高の業績を叩き出した上に、公募増資・自己株処分まで行ったことで、財務の拡大と改善が一層進みました。
これにより、キャッシュ852億円に対して借入金は380億円と実質無借金経営を継続しており、自己資本比率は50%となっています。
中期経営計画
ダイフクは、2021年3月期を最終年度とする4ヵ年の中期経営計画を発表しています。
2021年3月期において、売上高4,200億円(年率+7%成長)、営業利益336億円(年率+10%成長)を目標値としています。
売上向上とともに、営業利益率を7%→8%に引き上がる計画となっています。
初年度となる2018年3月期においては、売上高4,049億円(前年度比+26.2%)、営業利益399億円(同+72.8%)となり、営業利益率は9.9%といずれも過去最高の業績を達成しました。これにより、利益面に関しては1年で中計を達成しました。
総合評価
ネット通販拡大の恩恵を受けて業績好調・受注残も豊富です。業績の先行きも明るく、連続最高益が期待されます。
2018年8月時点でPER20.9倍/PBR3.58倍となっています。2ケタ成長が続くことを見込む水準です。
株価は2018年1月を天井として下落トレンドとなっていましたが、2019年3月期1Q決算も好調が確認され、反発局面に入っています。指標的にはフェアバリューと思われ、受注残の大きな変化がなければ、横横の展開が続きそうです。