第一カッター興業は、ダイヤモンド使用のコンクリート構造物切断・穿孔工事が主力。水圧のウォータージェットも。
割安成長株として注目されていましたが、2017年9月の東証2部昇格を機に一定の割安訂正が起こりましたので、その他日本株に分類します。株主優待はありませんが、2017年度は50周年記念優待としてクオカードでした。
第一カッター興業の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
建物・道路を切断することに特化した建築業者
事業内容
第一カッター興業は、切断・穿孔工事事業を主力としています。他にもビルメンテナンス事業やリユース・リサイクル事業を行っていますが、売上・利益の大半は切断・穿孔工事事業です。
切断・穿孔工事事業は、ダイヤモンド工法やウォータージェット工法によって、建物や道路を切断・穿孔する事業であり、ゼネコンの下請け的に工事の一工程を担当しています。
下請けとは言っても、特殊な工程で独自の強みのある企業であるため、価格交渉力が強く、高利益率を維持しています。
数字面からも、普通ゼネコンの下請けというと価格交渉力が弱く利益率は低くなりがちですが、第一カッターは高い利益率を維持しています。この点からみても、価格交渉力がある→独自の強みがある という推測はできると思います。
引用元:すぽさん投資ぶろぐ ※コメント欄の議論
復興特需
第一カッター興業は、2012年頃から急激に利益を伸ばし始めました。
これは震災特需によるものが大きいと考えられ、2016年以降は、そろそろ売上・利益成長が終わるのではないかと考えられました。
2016年10月段階では、すでに復興特需は終わりを迎えており、翌期は減収になるような流れではないと結論付けられました。
この企業の議論の一番のポイントは「復興需要剥落のインパクト」だったように思います。
既に1割を切るレベルになっているのであれば、”実力で”成長しているとみてよいだろうし、減収になるような流れもあまり考えないで良さそうというところです。
引用元:すぽさん投資ぶろぐ ※コメント欄の議論
しかしながら、2017年6月期は減収減益となりました。
直近5年間は破竹の大増益を遂げてきたが、業績的には踊り場を迎えたと指摘されています。
当社は震災による復興特需もあり、直近の5期間(~2017年6月期)までは、営業利益CAGR23%という破竹の大増益を遂げてきましたが、業績的には踊り場を迎えています。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
社会インフラの老朽化
復興特需ではなく、恒久的な成長ドライバーとして、社会インフラの老朽化による改修工事・解体工事が見込まれています。
インフラや設備の新設ではなく補修にポジショニングを置いていることで、公共事業の減少や、仮に不況になって民間の設備投資が減る局面でも、新設に軸足を置いている会社よりは仕事量が減りにくいのでは?という推測ができるのではないでしょうか。
引用元:すぽさん投資ぶろぐ ※コメント欄の議論
好財務
2017年6月期において、キャッシュは38億円保有しており、無借金経営です。自己資本比率は76%となっています。
建築業でありながら、IT企業のような好財務です。
財務は文句なし。現預金だけで負債総額の倍近くあります。有利子負債も極少。
引用元:バネ男のディフェンシブ投資日記
リスク
ダイヤモンド工法で使用するダイヤモンドは、旭ダイヤモンド工業から5割を仕入れており、仕入れ価格の高騰リスクがあります。
原料のダイヤモンドを旭ダイヤモンド工業から仕入れており、原料仕入高に占める依存度は5割近くあります
旭ダイヤモンドの政策によっては、仕入れ価格の急激な上昇もありそうです
引用元:ひかるのブログ
東証2部昇格で割安修正
2017年9月に東証2部へと昇格しました。
これを受けて割安性が見直され、株価が右肩上がりとなっています。
東証二部上場の発表があって、それを機にその割安性で見直されて、急騰したんでしょう。
50周年記念優待はクオカード
2017年度は創立50周年ということで、100株以上保有の株主はクオカード2,000円分が貰えます。
2017年8月に創立50周年を迎えることを受けて、記念優待と記念配当を実施することを発表。これはお得だと思い、買いを入れ優待を頂きました。
なお、第一カッター興業は普段は株主優待を実施していないみたいです。
記念優待は1回きりですが、そのまま新設(常設)の流れになることもあると指摘されています。
この間発表された記念優待ですが、これはそのまま新設の流れになることもあります。となると期待は昇格ですね…。
引用元:バネ男のディフェンシブ投資日記
総合評価
2016年頃から割安成長株として個人投資家から注目が高い銘柄です。2017年6月期は減収減益で業績的には踊り場感がありますが、2017年9月の東証2部昇格を機に割安訂正が進んでいます。
社会インフラの老朽化という成長ドライバーと、優待新設&東証1部昇格をカタリストと見なすことができます。
2017年11月段階で、PER10.9倍/PBR1.25倍と建築業としては比較的高評価を受けており、上場来高値を更新しています。これを割安修正は終わったと見なすか、今回発生したモメンタムに乗ると見なすかが好みの分かれ所だと思われます。
3.5に近い4.0なので購入には至っていませんが、高評価です。
高い技術と汚泥処理の一括請負などを強みにする切断・穿孔No.1企業。ここ数年成長が続くが、老朽化修復ニーズによるものと推測でき、継続的な成長が続くのであれば大化けの可能性がある。3.5に近い4.0。
引用元:すぽさん投資ぶろぐ