ダイユー・リックホールディングス(ダイユー・リックHD)は、ホームセンター中堅、福島のダイユーエイトと岡山のリックコーポが統合して発足、ペット強化。
成長期待・割安感ともに乏しく、配当・優待株に分類します。株主優待はJCBギフトカードです。
ダイユー・リックHDの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
飛び地で経営統合したホームセンターがペット市場に活路
ダイユーエイトとリックコーポレーションの経営統合
2016年9月に両社が経営統合し、ダイユー・リックHDが誕生しました。
ダイユーエイトは福島地盤で東北地方を中心に出店しており、リックコーポレーションは岡山地盤で中国地方を中心に出店していました。
そのため、両社の経営統合はいわゆる飛び地であり、売上のカニバリが起こらない反面、拠点・物流網の統合によるコスト削減の難易度は高いと指摘されています。
かねてより株式持ち合いをしていた福島地盤のダイユーエイトと岡山のリックコーポが昨年9月1日付けで経営統合して出来た会社です。ほくほくFG(北銀・道銀)のように地盤が異なる”飛び地”統合のため、拠点・物流網の統合によるコスト削減の難易度が高いです。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
優待投資家の悲しみ
経営統合に際しては、優待を目的とした個人投資家を悲しませました。
元々、ダイユーエイトもリックコーポレーションも株主優待を実施しており、個人投資家には人気がありました。
ダイユーエイトの株主優待は100株の保有でギフトカード1,000円分
リックコーポレーションの株主優待は100株の保有でギフトカード2,000円分どちらもギフトカードが優待品ですが、リックは優待利回りがかなり良い銘柄でした。
引用元:「マイホームへの道」株主優待・ふるさと納税で豊かな生活
経営統合の発表時点では、株主優待は未定とされており、この時点で手放した個人投資家も相当数居たようです。
配当や優待の発表がされなかった点は、個人投資家にとっては残念な運営だと思います。
配当や優待の発表はまだみたいですが、株主としては一番気になるところなので、優待くらいはせめて上場前に発表してほしかったです。
新会社での株主優待に期待がかかりましたが、結果は100株保有で1,000円分のギフトカードとなりました。元々、両社の株主優待の恩恵を受けていた個人投資家には残念な結果でした。
このようなケアがなされないと株主本位の経営をしていないだろうと思われても仕方ないと思います。
合併前は3,000円分のギフトカードがもらえていたので、新制度では1,000円分しかもらえません。せめて200株で2,000円分という区分も作ってほしかったところですが、残念です。
引用元:「マイホームへの道」株主優待・ふるさと納税で豊かな生活
ホームセンター事業は頭打ちも、ペット事業に活路
2017年2月期には、ダイユーエイト傘下のホームセンター事業も、リックコーポレーション傘下のホームセンター事業も減益に沈んでいます。
しかしながら、両社のペット事業は増収増益となっており、ここに活路を見出しています。
ペット事業を統合し、全国展開・アミーゴブランドの確立を掲げています。
ペット事業のJOKERを子会社化したことで、業界3位となり、ペット市場全体の成長と併せて、更なる成長が期待されます。
唯一特徴的な動きであるのはリックの稼ぎ頭であるペット事業を傘下のアミーゴに統合させることで、イオン・コジマに次ぎ業界での売上順位が全国3位へと躍り出ました。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
中期的には更なるM&Aか
2021年2月期に、売上1,000億円、営業利益率5%、ROE12%以上を目標として掲げています。
ペット事業が伸びるとはいえ、オーガニック成長だけでは不可能な数字と思われ、更なるM&Aが必要だと指摘されています。
4年後の2021年2月期に売上高1,000億円、営業利益50億円(※直近実績17.2億円)を掲げていますが、これはオーガニック成長ではまず無理なので、基本的には同業他社のMAを追加で実施して数字を作る可能性の方が高いと思われます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
株主優待はJCBギフトカード
保有株式数に応じてJCBギフトカードが貰えます。
- 100株以上 1,000円相当
- 500株以上 3,000円相当
- 1,000株以上 5,000円相当
- 3,000株以上 10,000円相当
優待利回りはイマイチなものの、購入金額の低さと配当利回りが評価されています。
優待は年1回ですし、1000円分なのでチョット地味ですね・・・
しかし8万円足らずで購入できる最低購入金額の安さと、3%以上という配当利回が魅力的な銘柄です。
総合評価
ホームセンター事業はジリ貧が続き、それを補う形でペット事業が成長すると思われますが、全社的には成長は緩慢です。
更なるM&Aを進めるものと想定されますが、配当でキャッシュを吐き出したり、有利子負債の多さによる財務不振を考えると、経営の舵取りは難しそうです。
株主優待もあまり魅力的な利回りとは言えず、現状では静観せざるを得ません。
財務状況を気にしつつ、配当で吐き出すのではなく、買収余力確保すべきという意見があります。
株主還元については旧ダイユーの配当性向基準である25%から、
20~30%水準に引き上げることとし、実際に今期は配当性向31.9%となる26
円配当を予想しています。買収余力確保のため、この財務状況ではあまり
吐き出してほしくないのですが・・・また株式交換前提なのかもしれません。
引用元:なちゅの市川綜合研究所