ウルトラファブリックス・ホールディングス(ウルトラファブリックスHD)は、湿式合成皮革で先駆的で衣料や家具・車輌等に供給しています。2017年10月1日をもって、第一化成からウルトラファブリックスHDに商号変更しました。
2017年に供給先の米国ウルトラファブリックスを完全子会社化し、意欲的な中期計画を発表したことで注目が集まりました。
ウルトラファブリックスHDの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
独立系の合成皮革メーカー
アベノミクス円安とともに急成長
第一化成は独立系の合成皮革メーカーで、為替の影響が大きく、業績の振れ幅も大きい傾向にあります。リーマンショック時は赤字転落しましたが、アベノミクス円安により利益が急拡大しました。
ここ数年で特に伸びているのは自動車や飛行機の内装用合成皮革です。
アメリカ市場の自動車や飛行機や家具のための製品が主。 為替の影響大だが、Ultrafabricsとの間に為替の影響を折半する契約があるはず。
引用元:亀吉の投資メモ
主に米国向けの合成皮革の生産、輸出を生業とする企業。国内で生産し、家具やゴルフ手袋、航空機、自動車の内装等で使用されている。自動車メーカーではフォードやゼネラルモーターズなどに供給。
引用元:海外株中心の長期投資日記
海外展開は米国ウルトラファブリックス社が担当
第一化成の海外での販売は米国ウルトラファブリックス社が担っています。
海外展開はパートナーである米国のウルトラファブリックス社が欧州、米国での当社製品の販売権を有している
引用元:海外株中心の長期投資日記
米国ウルトラファブリックス社を完全子会社化
事業規模拡大を好感
もともと第一化成はウルトラファブリックス社の15%ほどの株式を保有してパートナーと位置づけていましたが、2016年11月にウルトラファブリックス社を完全子会社化することを発表しました。
完全子会社化により事業規模が倍以上になることから、市場はこれを好感し、ストップ高となりました。個人投資家の注目も集まりました。
今般、同社を15.79%→100%出資の完全子会社化することを発表。この結果、当社グループの事業規模は現状の50億円規模から120億円以上になるとのこと。
これを受け、株価は24日、25日とストップ高を記録。
完全子会社化により収益基盤が強化されることから更なる成長への新たなステップを踏み出したと思う。
引用元:海外株中心の長期投資日記
第一化成ストップ高になりました。
ultrafabricsを買収して完全子会社化したことが原因ですね。概算ですが、この買収で経常利益が2倍になる模様です。
引用元:株取引とゲームアプリ作成のブログ
中期計画
ウルトラファブリックス社の完全子会社化による急騰の興奮が冷めてきたところで、意欲的な中期計画を発表し、再度、注目が集まりました。
今後3年間の中期経営計画を発表しており、その内容がものすごい成長性を帯びた内容となっており、またその数字が夢物語ではなく現実的に可能なレベルの数字であると判断され、テクノファンダメンタリストの私としては、これはこのままこの銘柄を見過ごすわけには行くまいと今思っているところであります。
引用元:成長株投資とロシア妻との日々
意欲的な中期計画は、ウルトラファブリックス社を完全子会社化した影響も大きいですが、業績自体が好調であることも要因だと思います。定性的な意見として以下が挙げられています。
テスラはたぶん生産量を一気に伸ばしているフェイズの初期。 生産が追いついていない状態。
動物の体を使わないことと、生産時のリサイクル率が高いことがブランドイメージを高めるのに役立っているっぽい。 近年はこの傾向が強い。 また、たぶん、本革のあまり合理的ではない高級イメージは低下していて、そこに入っていける。
引用元:亀吉の投資メモ
一方で、中期計画はIFRSの移行を前提としておいるため、見た目が良いだけだという意見もあります。つまり、IFRS以降により、ウルトラファブリックス社の完全子会社化における「のれん」は償却不要になるため、中期計画の見た目が良くなるということです。日本基準で「のれん」償却ありで考えると中期計画はそれほどインパクトがありません。
第一化成は、約140億円かけて純資産25億円くらいの会社を買収するので、のれん代が約115億なので、日本基準の場合、仮に10年償却とすると、減価償却費の11.5億/年が営業費用となり、5年償却とすると減価償却費の23億/年が営業費用となります。
そのため、中期経営計画の2019年12月期の営業利益32億は、日本基準の場合、10年償却で20.5億、1株利益も132円、5年償却で9億円、1株利益58円と全くインパクトのない数字になってしまいます。
血のバレンタイン
2/14に2017年本決算が発表されるとともに、驚きの開示がありました。
IFRS以降により、非償却資産になると思われていた部分が、償却資産である無形資産に配分されたことにより償却費が発生することになったのです。これにより利益数値は押し下げられ、純利益は想定から93%減少するという大惨事に見舞われました。
2018年度も償却費が発生するため、利益の伸びは限定的となる予想も同時に発表されました。
この事態により、ウルトラファブリックスHDは2日連続ストップ安となりました。
個人投資家にも被害を被った方が多いようです。
血のバレンタインと名付けられています。
この3日間の事態は血のバレンタインとして記憶に残るだろう。
引用元:トマスの疑い深い資産運用
保守的な予想が想定以上であったとのこと。
基本的に保守的な予想を出す会社だという認識はあったけど、ここまでとは思っちゃおらなんだ。 多分監査法人や東芝の影響もあるんだろうなってのは発表後に思うようになった。
引用元:亀吉の投資メモ
昇格期待
2017年現在で第一化成はJQ市場銘柄ですが、3月には立会外分売を行ったことで、東証2部および1部への昇格が期待されています。
発行株式数は30万株で現在の浮動株数と合わせると大体35%の流動株式になり、東証2部への上場要件を満たします。
おそらくこの立会外分売後、2部上場か、買収による特別利益の発表をして、時価総額を増加させて(一部上場は250億円以上の時価総額が必要)東証一部へ上場するでしょう。ただし、1部上場は現在の株価の4倍の時価総額が必要なので少し時間が掛かります。まずは2部に上場するといった感じでしょうか。
引用元:株取引とゲームアプリ作成のブログ
今度は、2部や1部への指定がえも目指して動きがあるでしょうから中長期で見ても楽しみです。チャレンジしてみようと思います。