エスクリは、専門式場、ゲストハウス等多様な業態で展開。駅ビル・駅チカに特徴。受託、M&Aで地方開拓。
割安成長株として個人投資家から大人気となったのも今は昔。急成長を支えられず利益を落とし株価暴落。安定成長を掲げ直して堅実化。株主優待は年2回(3月9月)で割引券等ですが、クオカードは3月のみです。
エスクリの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
駅チカ・最新物件が強みのブライダル事業者
個人投資家から大人気
エスクリはブライダル事業者で、2014年頃には割安成長株として、個人投資家のブログに盛んに取り上げられました。
個人投資家パフォーマンスランキングでも2014年には上位、2015年には1位となることも少なくない状態でした。
いくつか当時のブログを挙げていきます。
当時13施設しか運営しておらず、エリア拡大型の急成長が見込めると評価しています。一方で、競争力の源泉は特に見当たらず、しいて挙げれば、社長の岩本氏がゼクシィ創刊を手掛けた人物であり、ブライダル業界を知り尽くし、ノウハウがあるからではないかとしています。
改めて分析してみて、とても期待できる銘柄だと再確認できました。
今後、別の銘柄を売却して現金が余るようなことがあれば、真っ先にエスクリを買い増しの候補に入れたいと思います。
引用元:ゆうゆー投資法
ウェディング事業会社は売上400億円あたりまでは成長ができ、そこから先が重いと分析した上で、エスクリの時価総額を当時の100億円から300億円くらいまでの3倍化くらいは狙えるとしています。
一方で、最大のポイントは人材育成にあるという鋭い指摘も行っています。この後の減益と株価暴落の原因となったのは、奇しくも、急拡大による人材不足でした。
最大のポイントは人材育成
ウエディングはプランナーと顧客が何度も何度も打ち合わせをして作り上げていくものなので、プランナーに会社の全てがかかっていると言っても過言ではありません。人材育成は一朝一夕にできるものではないので、会社の成長速度を余りに早めることはできません。
引用元:成長株で億万長者
具体的なエスクリの強みではなく、総合力が秀でていると評しています。1つだけ具体的な強みとして、建物が新しく、トレンドにそった商品が作れていることだと指摘しています。
ラーメンさん、お待たせしました。エスクリ分析できました。3.5に近い4.0です。
(中略)
エスクリの強みは「経営力」としか言いようがありません。選びたくなるようなオシャレで素敵な「商品力」、それを支える「人材(育成)力」、システム化された「社内プロセス」といった、企業全体にわたる総合力が秀でています。この辺はAKIさんとほぼ同じ結論です。
引用元:すぽさん投資ぶろぐ(旧サイト) ※コメント欄
エスクリの魅力は、ゼクシィ創業者である岩本氏のカリスマ性であると評しています。
その魅力は何といってもゼクシィ創業者である岩本社長のカリスマ性です。エスクリの大きな強みである新幹線停車駅への出店、全スタイルでの施設構成、強力な内製化、施設の陳腐化を補う人財の育成力はゼクシィ創業以来10年間の営業畑で培った岩本社長が生み出したエスクリの強い独自性となっています。
引用元:サラリーマン投資家ai(アイ)による成長株&配当株&優待株のハイブリッド株式投資実践ブログ
成長性評価は難しいとしつつ、割安な水準にあると評しています。一方で、リスク要因が多く、ハイリスクハイリターンである旨も指摘しています。
一つ目は成長性評価は難しいものの、
少なくても今の水準は割安といっていいと思える点です。
訂正の買いが入ることが当然ながら期待出来ます。二つ目は、この評価の難しさ、リスク要因の多いことです。
評価が難しく、かつリスク要因が多いということは、
それだけリターンも期待出来ます。
正しくリスクを認識し、評価をきめ細かく対応していくことで、
うまく自分のリスク許容度に照らしてモニタリングしていければ、
投資魅力は大きいと思えます。
引用元:中長期投資の練習記録
大幅減益による株価暴落
個人投資家に大人気の銘柄となっていましたが、2016年3月期の業績は思わしくない状態でした。
2015年8月の1Q決算発表で業績悪化が見え始めると株価は落ちることとなり、決定的となったのは、2016年2月の3Q決算発表および業績下方修正・減配でした。
要因は、急成長により人材リソースが不足したことで、成約数が落ち込むと同時に広告費や人件費等のコストが増加したことにあったようです。
株価は半値となるまで売り込まれる暴落となりました。
業績悪化が嫌気されたのに加えて、個人投資家の買い持ちが多く、パニック売りとも言える状態となりました。
PF主力1位に据えていたみきまるさんのブログでエスクリ事件を振り返ると題したエントリーがあります。
悪寒と共に、戦慄の、この世の地獄レベルの業績下方修正と減配という最悪の内容を見た瞬間に、心がバキッと音を立てて折れたのが聞こえ、同時に、あっ、これは俺は死んだ。と理解しました。。。。。。。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
株価の下値を検討されています。
「ここは元々高PBRでリスクの高い銘柄だったから、純資産によるサポートは一切ない。最初に機能するのは配当+優待の総合利回り、優待エアバッグだな。配当12円+優待20円=32円だから、総合利回り5.0%として640円か、、、
個人投資家ポートフォリオランキング1位の人気銘柄で売り圧力が膨大な銘柄だし、これは株価500円もあり得るな。」ということでした。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
そして、損切りをする結論に至っています。
現状のエスクリはPF1位を張れるような銘柄では既に全く無い。PF最上位には他にも破格に高い総合戦闘力を誇る銘柄がぎっしりとひしめき合っている訳であり、それらと厳しく比較し直して、現状のエスクリが持つ力に見合った位置まで迅速にポジションを落とす必要がある。エスクリに拘る必然性など全く無い。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
会社側のIR姿勢への批判もあります。
会社が半ば虚偽のIRで投資家を欺いていたと見なされても仕方のない事実が明らかになったことが、この発表を単なるマイナス成長であること以上に救いのないものにしている。
引用元:プレノンの株式投資
もともとエスクリの2016年3月期予想は減益ではあったものの、それが、一時的なコスト増ではなく、既存式場の成約率減速にあったことは期初から認識していたのではないかと指摘しています。
今上期の減益が「一時的な出店費用」や「内製化などの初期費用」によるものではなく、既存式場の成約率の急減速にあったことは、期首に減益予想を開示した会社自身が一番よく知っていたはずだ。エスクリ経営者がとっちめられるべき理由は、成長減速ではなく、その不誠実な態度にある。不平に代えて、強く更正を要求したい。
引用元:プレノンの株式投資
暴落はチャンス?
逆に、この暴落を見て、新規で購入された方もいます。
経営体制を見直して利益回復に注力するという会社側の言い分から、博打的な感じと言いながら購入に至っています。
①既存店と新しい店の受注残件数がそこそこあるところ
②新規店がしっかりOPENしている(2016は少ない)
③会社の中期計画の文言に注目
上記の①〜③の理由と博打的な感じで購入しました。
引用元:お金中毒!!
安定成長路線に変更
2016年3月期を反省し、エスクリは安定成長路線で堅実化しています。
新規出店については、大都市を中心に、毎期2店舗を限度にするとしています。むしろ、既存店のリニューアルを7~10店舗予定しており、こちらに注力しているように思えます。
シェア拡大を緩やかにし、単価アップ、稼働率向上に舵を切った印象です。
成長を期待し、業績のV字回復を期待する評価もされています。
今期はかなり苦しい展開となりましたが、費用増の要因は明確であり、来期以降の浮上を期待します。積極的な拡大が収益に寄与してくれば、指標関連もかなり改善してきますので、今の水準は見た目よりはいいものであると考えます。
引用元:株主優待?何それ?美味しいの?
実際に、暴落からちょうど1年後の2017年2月に発表された2017年3月期3Q決算は、想定以上の業績回復が見られ、ストップ高まで買い直されました。
株主優待は割引券・クオカード等
株主優待は年2回(3月9月)で、以下の通りです。
- 自社経営レストラン割引券(30%割引)
- 30万円相当のウェディングアイテムチケット
- 1,000円相当のクオカード ※3月のみ
2016年8月に優待改悪
以前は年2回クオカードが貰えましたが、2016年8月に優待改悪となり、年1回(3月のみ)となりました。
その分、割引券が年2回貰えるようになりましたが、個人投資家からは不評です。
クオカードがレストランやウェディングアイテムの割引券になっていましました。3月はまだクオカードがあるのが救いです。一度改悪した優待はまた改悪される可能性が高いとも聞きますし、明日は下げるでしょうね…。
引用元:バネ男のディフェンシブ投資日記
レストラン割引券
レストラン割引カードが貰え、自社経営レストランのディナータイムに利用することができます。
1度切りではなく、有効期間は何度でも利用可能ですので、使えば使うほどお得です。
しかし、結婚式場になるような、どう考えても割高なレストランでディナーを何度もするというのはコスパを気にする個人投資家には不評です。
オークションでも全く売れていないのが現状のようです。
これだけ聞くと凄くお得な割引カードだと思いませんか?
しかし、オークション入札する人が居ないのです。
※ 出品価格50円ですよ。(送料別)
引用元:面白くないブログ?
ウェディングアイテムチケット
ウェディングアイテムチケットとは、専用サイトから披露宴を申し込み、成約した場合に、30万円分のアイテムを貰えるというものです。
株主本人または三親等内の親族が利用できます。
ということで転売もできませんし、機会も少ないでしょうから、使われた回数は相当少ないのではないでしょうか。
9月に貰えるウェディングアイテムチケット(30万円分)はオークションで転売できません
「株主本人もしくは三親等内の親族」しか使うことしかできないのです。
引用元:面白くないブログ?
総合評価
かつては個人投資家に大人気のグロース銘柄でしたが、業績悪化による暴落で、個人投資家は離散してしまったようです。
安定成長路線に切り替えて業績は堅調ですが、それでは魅力的な投資先とはなり得ていない状況です。トップラインは伸びていますので、如何に利益率を向上させられるかが今後のポイントとなりそうです。
リスクとして自己資本比率の低さをあげつつ、暴落によって株価が低下したからこそ長期的には投資タイミングだと指摘されています。
自己資本比率の低さは気になります。非常に株主還元にも積極的な会社だけに、少し内部留保にも振り分けて資本強化してもらいたいところです。長期的にみれば、今は我慢のときで、株主的には悪くないタイミングだと思います。
引用元:株主優待?何それ?美味しいの?