ファースト住建は、関西地盤の不動産業者。ミニ開発の戸建て分譲を販売しており、1次取得者層が主要顧客です。
指標的には割安ですが不動産セクターの中で抜きん出る割安さ、成長期待はありません。数少ない4月優待銘柄として一定の人気がありましたが、2015年に制度改悪があり禍根を残しました。
ファースト住建の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
関西地盤のパワービルダー
業務内容
パワービルダーとは、1次取得者層をターゲットにして、土地付き一戸建住宅を販売する企業を指します。一般的には、2,000~4,000万円という庶民的な価格帯で販売します。
ファースト住建は、関西地盤のパワービルダーとして、地域密着であることと、事業の根幹業務とアウトソーシングを戦略的に切り分けていることに特徴があります。
とはいえ、積極的に銘柄分析を行っている個人投資家はあまりおらず、不動産セクターの中の1つの企業として埋もれているのが現状です。
不動産セクターの中には他にも魅力的な銘柄が多く、ファースト住建にこだわる必要はなさそうです。
ファースト住建は指標的に割安で十分な総合利回りも出ており非常に良い銘柄です。ただ不動産セクターにはファースト住建以上に割安だったり、成長力が高かったり、ビジネスモデルに特色があったりする魅力的な銘柄が多いので、今のところはPF下位に甘んじているという状況です。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
財務面は健全・業績は横ばいで安定的
業績は横ばいとなっていますが、財務面は健全で安心感があります。
有利子負債は利益剰余金の半分以下、
自己資本比率 60% で財務も健全そうです。
引用元:早期退職への株式投資
優待改悪が禍根を残す
改悪内容
数少ない4月優待銘柄として人気がありましたが、2015年に優待改悪を発表し、個人投資家からは不満が続出しました。
従来100株で貰えていた優待を300株以上としました。100株保有の場合はクオカード500円分となりましたが、見劣りが大きかったようです。
最初からこの内容なら文句はないのですが、以前は100株の優待が現在の300株の優待とほぼ同内容でした。100株でもらえていたものが、300株持っていないともらえなくなったわけです。
引用元:「マイホームへの道」株主優待・ふるさと納税で豊かな生活
しかも、1年以上の継続保有が必要となる点も追加されました。購入を検討していた個人投資家にとっては、この点で購入を見送ったとしても不思議ではありません。
悪くなってしまったのは内容だけではありません。平成28年4月分の優待から1年以上の継続保有が必要となります。
優待目当てでファースト住建の株式を購入する人はいなくなったと言っても過言ではないと思います。
引用元:「マイホームへの道」株主優待・ふるさと納税で豊かな生活
改悪の発表が権利取得後だった
さらに個人投資家を怒らせたのは、上記の改悪の発表は、4月末の権利取得後である6月であったことです。優待を見込んで購入したら、後からその内容が変更されたわけです。
受け取ってビックリ。いつから優待QUOカードになったんだよ!と怒り。調べたら発表は約一ヶ月前。権利日が4月末なので権利日を過ぎた後で優待内容を決定したことになる。
引用元:株主優待侍
これに怒るのは当然ですし、個人投資家を蔑ろにしている企業だと思われても仕方のない行為だと思います。
このような改悪をする場合には権利日前で十分株主が検討する期間を与えるのが当たり前。それができない企業を信頼することは難しい。
引用元:株主優待侍
総合評価
ホルダーにとっては、指標的に割安であり、財務健全で手放す理由は無いように思います。同じように、新規購入者にとってはわざわざファースト宅建を選んで買う理由も無いように思います。
さらに優待改悪によって不信感は拭えず、積極的に買おうという気にはなれなそうです。
ただ単体で見ればファースト住建も十分に良い銘柄ですし、これからも現行の優待制度が続く限りはホールド継続の予定です。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
株価(1,220円):★★☆☆☆ 緩やかにさがっています
配当金(3.11%):★★★★☆ 株価が下がったため、利回りが上昇
優待内容:★★☆☆☆ 優待利回り約0.8%
参考指標:PER 6.3倍、PBR 0.68倍
総合得点(15点満点):8点
※ データは平成28年7月15日終値時のものです
引用元:「マイホームへの道」株主優待・ふるさと納税で豊かな生活
貴重な4月優待。しかも10月もある年2回の優待が少ない月に優待を出してくれる会社として大変ありがたかったが、今後どんなことをするか経営陣を信頼し続けることはできそうにない。
引用元:株主優待侍