藤田観光は、椿山荘、太閤園を擁する高級宴会場名門。ワシントンホテルなどビジネス、箱根小涌園等も展開。
株主優待は年2回(6月12月)で宿泊・レストラン・レジャー施設共通優待券等です。
藤田観光の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
含み資産とインバウンド効果
事業内容
藤田観光は、ラグジュアリー&バンケット事業、リゾート事業、WHG事業の3つの事業を展開しています。
東京の「ホテル椿山荘」、大阪の「太閤園」という高級ホテル・宴会場で有名です。それら高級ホテルの運営についてはラグジュアリー&バンケット事業に分類しています。
また、箱根小涌園天悠(てんゆう)をはじめとして、旅館・リゾートホテル・レジャー施設の運営も行っており、リゾート事業として分類しています。
最後に、成長ドライバーとして位置付けているのがWHG事業です。WHG事業はワシントンホテルやホテルグレイスリーといったビジネスホテルの運営を行っています。
売上比率としては、ラグジュアリー&バンケット事業が35%、リゾート事業が11%、WHG事業が50%となっています。
WHG事業の牽引続く
WHG事業におけるホテル開業が続いており、業績が牽引される見込みです。
2017年12月度については、前年開業の京都三条南館が通期寄与した他、ソウル・浅草が開業、新宿が改装となりました。
2018年12月期についても、ジャカルタ・浜松町・なんばが開業予定です。
これだけ開業が続くことでホテル室数が増えるとともに、インバウンド効果が好調な状況を加えると、業績続伸に期待がかかります。
来年にジャカルタで開業予定のサービスアパートメント(214室)にくわえ、ホテルでは浜松町(190室)・なんば(170室)があります。このほか、本年4月に御殿場でグランピング施設、来年秋口に曹洞宗の総本山である永平寺門前に旅館と宿坊の中間施設の開業を予定していますが、室数が少ないのでインパクトとしては軽微です。ただ、これだけ“名有り”の開業予定があるので、足許のインバウンドの状況等を踏まえると、修正後中計値は十分に走破可能とみられます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
財務
WHG事業での投資が続き、借入金も膨らんでいます。
2017年12月期においては、借入金450億円超に対してキャッシュは44億円に留まっており、自己資本比率も26%と低めです。
一般的に見れば財務的には良くはない状況が続いていますが、成長するための投資が続いていることや、含み資産が膨大にあることを踏まえれば、納得できるレベルではあります。
中期経営計画
藤田観光は、2019年12月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画を発表しています。
2019年12月期において、売上高880億円、営業利益53億円を目標値としていました。
しかし、2018年3月には売上高760億円、営業利益27億円に大幅減額に見直しをかけました。
主力であるWHG事業(ビジネスホテル系)はインバウンド効果で想定超ですが、リゾート事業、ラグジュアリー&バンケット事業の2つが足を引っ張る形となっているようです。
主力のWHG事業についてはインバウンドの流入により想定を超えて推移しているものの、リゾート事業における天悠が出だしからコケたことや、同じ小涌園周りの開発が想定より遅れていることが足を引っ張ります。また。L&B事業における旗艦の椿山荘については、婚礼受注が低迷しており、慌てて宿泊の底上げに注力しているような状況であり、収益の回復には時間がかかります。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
株主優待は宿泊・レストラン・レジャー施設共通優待券等
株主優待は年2回(6月12月)で、保有株式数に応じて宿泊・レストラン・レジャー施設共通優待券等がもらえます。
- 宿泊・レストラン・レジャー施設共通優待券
- 100株以上 10枚
- 300株以上 20枚
- 500株以上 30枚
- 提携施設優待券
- 100株以上 3枚
- 300株以上 6枚
- 500株以上 9枚
ヤフオク等での販売も可能で、100株でもらえるセット分で4,000~5,000円になるようです。
ヤフオクでは1セット4~5000円で売れているようです。
引用元:株主優待一直線
宿泊・レストラン・レジャー施設共通優待券
ホテル椿山荘東京や箱根小涌園 天悠、ワシントンホテル、ホテルグレイスリー等、藤田観光直営のホテルで利用可能です。
宿泊、レストラン、レジャー施設でそれぞれ以下の割引を受けることができます。
- 宿泊料金50%割引(2万円が限度額)
- レストラン飲食料金20%割引(1万円が限度額)
- 「箱根小涌園ユネッサン」・「下田海中水族館」入場料50%割引
提携施設優待券
名古屋国際ホテル、ワシントンホテルプラザチェーンで利用可能です。
宿泊料金20%割引(1万円が限度額)となります。
総合評価
利益率・ROEが低く、かなり厳しい戦いを強いられている状況です。それでも観光客増とホテル不足が続く現状においては成長余地は大きく、それに向けた投資→ホテル開業が続くため、利益成長は見込めます。
2018年5月時点でPER30.7倍/PBR1.6倍となっており、今後ある程度の利益続伸は見込んだ水準と思われます。
株価位置は2014年以降3度目の3,000円を試して反発しており、3,000円が底値という意識ができている印象です。2015年の6,000円付近の上値を試すと踏んで3000円付近で逆張り投資するのも一案かと思います。
不動産の含み資産が巨額であることと、インバウンド効果による増収増益基調の両面から、株価が低いところでは強気に対処したいと評価されています。
大分緩やかながら増収増益基調が形成されつつあるほか、税金考慮後でも推定含み益300億円以上とされる敷地面積1万5千坪の椿山荘の不動産価値はあまりに大きく、含み益の顕在化だけで全ての借金を返済出来るほどのポテンシャルがあるため、現在の株価水準においては強気で対処したいところではあります。
引用元:なちゅの市川綜合研究所