IBJは、婚活サイトを核に各種婚活サービスを提供。直営で結婚相談所や成婚カップルの送客事業を強化。
2012年の上場以来、連続最高益・連続増配を続ける安定成長銘柄です。加えて、6月12月に自社サービス優待券やクオカードを株主優待とする優待銘柄でもあります。
IBJの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
婚活サービスで安定成長も、競争激化が進む
IBJは、2012年にJASDAQに新規上場し、連続最高益を続ける安定成長を遂げました。その間に株主優待の新設・拡充や立会外分売などを行い、2014年には東証2部、2015年には東証1部へと昇格し、まさに順調な歩みを進めています。
婚活サービスで成長
婚活サービスで安定成長してきた原動力は、婚活会員数の増加です。
この増加推移を含めて、事業のKPIは月次で公開しており、IBJの業績動向は非常に分かりやすく、透明化されています。→IBJ月次データ
成長力・株主への開示姿勢からか、株価も相応に評価されており、指標的な割安感はありません。
業績動向については、月次と決算資料で一目瞭然。
PERは修正後の会社予想に対して22程なので、割安とは言えませんが、配当性向は良いです。
引用元:禅と日本株投資(猫)
IBJの婚活サービスについては、会員サポートの手厚さが特徴とされています。株主総会後の成長戦略の説明会が面白かったとレポートされている方のブログです。
IBJでは出会いの場を提供するだけでなく、会員へのサポート(おせっかい)を手厚く行うことが重要と考えていて、そこが同業他社との大きな違いとのこと。
引用元:ノージョブだいありー
婚活サービスの成長鈍化
ここまで成長してきたIBJですが、婚活サイト運営事業の伸び悩みの兆候が表れています。
婚活サイト運営のコミュニティ事業がやや伸び悩んだものの、イベント事業が他社との協業により大幅増となったほか、直営結婚相談所のラウンジ事業が病院・医大等との提携によりハイクラス男性の囲込みを強化した結果、男性入会者が大幅に増加しました。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
競合他社も多くなってきており、ネット婚活業界は既にレッドオーシャンとなっているという指摘もあります。
基本的には全セグメントの増収を計画していますが、婚活サイト事業だけは減収見通しであり、スマホの普及による、ネット婚活業界の”レッドオーシャン化”の一端が垣間見れます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
今後の成長戦略
婚活サイト運営事業の成長鈍化が見られる中、新規事業で成長戦略を立てています。
婚活サービスの会員に対する送客事業の強化にあたるのが、旅行や保険商品への送客です。
現在60万人弱の会員に対して、いわゆる”婚活”
だけでなく、旅行や保険などに派生させることで等比級数的に利幅を確保する
青写真を描いていると思われますが、肝となる会員数の増加が緩やかであり、
一段の広告宣伝費の投入が必要となる可能性が高く、利益を押し下げます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
また、ビッグデータに着目する指摘もあります。
ちょっと注目しておきたいのは、今後の成長戦略として掲げている「ビッグデータ」。
婚活会員のデータの価値は計り知れないと思うんですが、
最新のレポートでは、フィスコと組んで調査結果を開示していることに、今後の展開を期待させられます。
引用元:禅と日本株投資(猫)
中期経営計画
IBJは、2018年12月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画を発表しています。
2018年12月期において、売上高100億円(年率+34%成長)、営業利益20億円(年率+33%成長)を目標値としています。
3年間で売上・利益ともに2倍以上となるハイペースな目標値です。
売上高については旅行会社「かもめ」の買収により30億円を加算できたため走破可能と思われますが、利益についてはさらなるM&Aが必要と見られています。
営業利益は今期適当に上振れで着地しても、更に来期は5割近く伸ばす必要があるので、現在60万人弱の会員に対して、”婚活”の先の新婚旅行や保険などに派生させるライフデザイン事業を伸ばす・・・といったオーガニック風味の成長シナリオでは簡単には数字が乗ってこないので、MAによる外部成長する以外は達成の目は薄いと思われます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
2017年11月には、2017年12月期について上方修正を発表しています。これによれば売上高94億円、営業利益14億円にまで達する予定であり、中期経営計画の達成へ向けてまた一歩近づいた感があります。とはいえ、未だに来期+43%増益が必要な状況であり、M&Aなしには達成は難しそうです。
株主優待は婚活パーティー無料券等
IBJは2016年に株主優待の内容変更を行いました。クオカードは貰いにくくなり(100株→1,000株)、自社サービス優待券が主体となりました。
自分で優待券を使うのでなければ、婚活パーティー無料ご招待券にするのが無難のようです。額面4,000円ですが、ヤフオクで3,000円ほどで売買されているようです。
ヤフオク出品等の手間がかかりますが、利回りは良好であることは注目されています。
年2回だとすると、ものすごい総合利回りに
なりません??いや、今後、招待券が
同じ金額で落札され続ける保証はないけど年2回この招待券に加え1年以上の保有者は
12月末にフラワーギフトカードを頂ける権利
獲得になりますよ。え?10%超えますよね利回りが…。
引用元:とある共働き家庭の舞台裏
総合評価
上場以来、安定的に成長してきましたが、そろそろ変革期を迎えつつあります。ここから更なる成長ができるかどうかが評価の分かれ目になりそうです。
株価は妥当に評価されており、指標的な割安感はありません。
【 きびなごの格付け 】 C
〔A~Eの5段階評価で、Aが最高・Cが普通・Eが最低〕
・業績安定度:B
・財務安定度:C
・配当利回り:D
・割安感:D
一方で、株主還元については当面安定的なものと思われますし、優待利回りも良いので、業績以上に売り込まれた株価であれば、配当・優待狙いの投資は期待できそうです。
株主還元については、配当性向30%基準で増配を継続しているほか、
継続的な自社株買いを実施しており、前の期の実績総還元性向は56.2%に
達しました。足許の4月でも1.3億円(0.6%)を上限とする自社株買いを殆ど
済ませているため、今期も総還元性向ベースでは40~50%の高還元が進む
ものと見られます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所