いちごホテルリート投資法人は、ホテル特化型REIT。スポンサーはいちごグループホールディングス。
いちごグループが得意とする不動産再生事業を背景に、ホテルのバリューアップで収益向上を図っています。
いちごホテルリート投資法人の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
変動賃料比率が高めのホテル特化REIT
2015年IPOで東証REITへ上場
いちごホテルリート投資法人は2015年11月に東証REITへ上場しました。
IPO売出価格106,000円に対して、初値は104,100円(-1.8%)と下回ったものの、終値では発行価格を上回る底堅さを見せました。
その後は2倍近くまで上昇するも、2017年には売出価格付近まで売られ、再度、底を確認した格好となっています。
ポートフォリオ
2017年8月時点で、北海道から沖縄までのホテル21件3,347部屋を保有しています。
東京だけでなく、地方に分散されているのが特徴的です。
- 北陸・東海 :20%
- 大阪 :19%
- 京都 :16%
- 東京 :15%
- 九州・沖縄 :10%
- 北海道・東北: 8%
- 中国・四国 : 6%
- 関東甲信越 : 3%
- 神戸 : 3%
東京集中のホテルリートではなく、分散されたリートが欲しいという方にはうってつけのリートとなっています。
インバウンド旅行者の増加、というのは私がホテル系のリートを購入しようと思ったきっかけでもあります。ホテル系のリートというと、東京集中のものも多いのですが、地震のリスクなどを考えるとなるべく地域分散をしておきたかった、ということでいちごホテルリート投資を購入してみました。
引用元:悠々自適な老後生活を目指すブログ
いちご得意のバリューアップが特徴
他のホテルリートといえば、有名ブランドである星野や森トラストが挙げられますが、いちごホテルREITはホテルのブランド力よりも、バリューアップによる収益増を図っています。
スポンサーのいちごは中古不動産売買が得意な会社であるため、ホテルのブランド力で売るというよりも、不動産のバリューアップにより、宿泊キャパシティ自体を引き上げる戦略を得意としています。不稼働宴会場を客室にコンバージョンしたり、ちょっと広い部屋はダブルベッドにしたり、エクストラ付の3ベッド部屋に変更したりと、インバウンド狙いでADRをカチ上げる、やや力押しの戦略が目立ちます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
変動賃金比率が高め
いちごホテるREITは変動賃料比率が高く、ホテルの稼働率に収益が比例する構造になっています。
変動賃料比率は4割超であり、高リスク高リターンである点を指摘されています。
他のホテルREITよりも変動賃料比率が4割超と比較的高く、ホテル市況次第でアップサイドが狙えるものの、リスクは高めとなっています。特にグリーンズ(6547)に賃貸しているような小振りのコンフォートが固定賃料となっていて、心斎橋や京都四条のような旗艦物件が変動賃料付のため、インバウンドの影響をそれなりに受けやすい構造のREITです。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
借入金比率が低い
いちごホテるREITは比較的LTV(借入金比率)が低いことも特徴的です。
そのため、REITでは珍しい、自社株買いも行っています。
LTVは40%以下の水準でコントロールしており、POに頼らずとも一定の余力を残しています。また、かような財務状況もあってか、今般J-REITとしてはインベスコに次いで2例目となる自社株買いを発表しており、年末の買付期限を待たずに約3億円(1.1%)の枠を全て買い切っております。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
総合評価
ホテル市況に連動するリスクを持っている反面、現在の活況なホテル稼働率が高収益を支えています。
インバウンドは好調であり、ホテル稼働率が高止まりしている現状においては、利回り5%後半には割安感があります。
そのため底値を確認した後は割安感の修正から、利回り5%前後まで買われたということだと思われます。
やるべきことはやっていると評価されています。
P/NAVで見るとかなりの割安圏に放置されていた背景も踏まえると、会社の投資主側へのメッセージは強力なものがあり、しばらくPO出来ない(しにくい)制約はあるものの、やるべきことはやっている点は、きちんと評価してもよいものと考えています。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
2016年時点では値上がりしすぎたことで、期待感が剥落していた様子です。
■投資期待度 ★★★☆☆
・インバウンド銘柄としては、ずいぶんと値上がりした銘柄。
・円高も気になるし、ここから新規に投資するのは、ちょっと気が引けるか。
引用元:J-REITブログ:ReRank