一正蒲鉾は、水産練り製品2位、カニ風味かまぼこ主力で首位。マイタケも生産。新潟地盤に販売地域拡大へ。
株主優待は自社製品詰合せです。
一正蒲鉾の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
メガヒット商品「オホーツク」を擁する水産練製品2位
事業内容
一正蒲鉾は新潟県地盤で、カニ風味蒲鉾「オホーツク」がヒット商品で知られる食品会社です。
1979年には「オホーツク」がメガヒット商品となり、2001年にはほぐれカニカマ「ピュアふぶき」、2002年にはスナック菓子「カリッこいわし」、2008年には国内No.1売れ筋カニカマ「サラダスティック」、2009年には蒲鉾「まめかま」、2016年にはうなぎ風蒲鉾「うな太郎」を発売しています。
水産練製品事業
一正蒲鉾の売上比率88%を占めるメイン事業です。
水産練製品の市場シェアは10%で第2位となっています。

一正蒲鉾2017年6月期決算説明資料より抜粋
ちなみに、14%を占めるシェアトップは紀文食品(非上場)と思われます。
きのこ事業
一正蒲鉾の売上比率12%を占める、きのこ事業にも取り組んでいます。
まいたけの市場シェアで14%となっていますが、ほとんど利益は出ていない状況が続いています。
年間を通して安定的に生産・販売できる事業であるだけに、水産練製品事業を補うものとして期待されます。
業績は2Q偏重型
一正蒲鉾は、主力製品である練り物が良く売れる季節である2Q(10月~12月)に業績が決まると言っても過言ではありません。
例えば、2017年6月期においては、2Qだけで売上の35%/営業利益の100%をあげています。
2Qに偏重する理由としては、おでんやおせち料理のために、秋冬に練り物製品の需要が格段に上がることです。2Qで結果が悪いともうその年は取り返しがつかないと指摘されています。
理由はおでんとお正月のおせち料理です。春夏と比べて秋冬は練り製品の需要が格段に上がるので、この四半期で結果が悪いともうその年は取り返しがつきません。
引用元:割安株投資研究所
利益は不安定
一正蒲鉾の業績は、売上高は緩やかに成長しているものの、利益が不安定な傾向があります。
2008年には営業赤字を計上しており、原料価格、原油価格などの市況影響を大きく受けると思われます。
2008年の赤字に関しては、主原料である魚肉すり身の価格上昇、原油高による包装資材等の価格上昇やエネルギーコストの上昇などの売上原価率の悪化が大きな要因であったようです。
引用元:割安株投資研究所
財務は改善傾向
2008年には赤字を経常したものの、その後は黒字を続けており、営業CFも常にプラスでキャッシュを稼ぎ続けています。
稼いだキャッシュで借入金の返済を進めており、財務は改善してきています。
2017年6月期においては、キャッシュ10億円に対して借入金が80億円残るものの、自己資本比率は44%まで改善しています。
中期経営計画
一正蒲鉾は、2021年6月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画を発表しています。
2021年6月期において、売上高430億円(年率+4%成長)、営業利益17億円(年率+16%成長)を目標値としています。
営業利益は一見高い伸びに見えますが、基準となる2016年6月期は利益が落ち込んだ状態であることが要因です。営業利益17億円というは2010年や2012年には達成したことのある水準であり、この5年で最高益水準まで戻そうという目標であるとも言えます。
初年度となる2017年6月期については、減収ながら大幅な増益となっており、まずまずのスタートを切りました。
株主優待は自社製品詰合せ
株主優待は保有株式数に応じて自社製品詰合せがもらえます。
- 100株以上 1,000円相当
- 500株以上 3,000円相当
- 1,000株以上 5,000円相当
2016年分、100株保有の優待内容を紹介されています。
2016年6月30日の株主優待品(1,000円相当分)は、以下のラインナップで9月中旬に到着でした。
- オホーツク(かにかま)
- 鯛入りまめかま(かまぼこ)
- 玉子入りおでん
- カリッといわし(スナック菓子)
- KARIKKOえび30アヒージョ味(スナック菓子)
引用元:コレ買ったブログ
一正蒲鉾といえば練り物という期待だったそうで、スナック等の練り物以外の商品が多く、ビミョーとコメントされています。
うんんん・・・・・練り物セットを期待していたので、優待品は、ちょっとビミョー・・・・・・(笑)
引用元:株主優待生活のすすめ
2017年分、100株保有の優待内容を紹介されています。
今回初めて取得しましたが、どの商品も見たことがないですが、東証一部に上場している会社なので、規模は大きいと思います。
引用元:ふみこの優待プラスα日記
総合評価
食品会社であるため売上高は安定的ながら、外部要因に左右される利益は不安定な傾向です。
2018年6月時点でPER53.2倍/PBR2.45倍となっています。今期利益が再び落ち込むことが想定されており、結果的にPERが高めになっています。利益が不安定な傾向があり、PER評価よりも、PBR評価で考えたほうが良さそうです。
大きな成長も期待できず、配当・優待利回りも高くは無いので、投資する必要性は感じません。