海帆は、東海地方を中心に飲食店を直営展開。レトロな雰囲気の内装が特徴の居酒屋『昭和食堂』が主体。
株主優待は年2回(3月9月)で食事優待券です。
海帆の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
郊外ロードサイド戦略の居酒屋
2015年 IPO
海帆は2015年にIPOで東証マザーズに上場しました。
公開価格1020円に対して、初値1,800円(公開価格比+76.5%)と好調なスタートを切りました。
出店戦略として、上場時の倍以上となる計画のため、公募価格付近は買える水準と考えられていました。
出店戦略からすると現在の倍以上の業績が期待できるので、経常利益5億円くらいは期待しても良さそうなことを考えると、まぁ買える水準ではあるなというのがファーストインプレッションです。
引用元:割安株投資研究所
その後は新規出店やリニューアル情報を発表し、株価は高騰しますが、2015年後半から2016年前半にかけては決算が悪く、株価は右肩下がりとなってしまいました。
株価を支えたのは株主優待でした。
ロードサイド戦略
海帆の特徴であり強みであるのが、ロードサイドへの出店です。
ロードサイドは自動車での来店が前提であることから、居酒屋という形態とは相性が悪いとされてきました。
そのため、ロードサイドは、競合する居酒屋が少なく、家賃や人件費も安いというメリットがあります。
海帆がロードサイドへ居酒屋を作れるのは、無料送迎バスを導入したためです。
駅前に1店舗、そこから10キロ圏内の郊外に3~4店舗を広げていくというドミナント戦略で出店を増やしていきました。
ただ他の居酒屋と明確に異なっているのは、ロードサイドを中心とした展開を行っているため、居抜物件を契約するとしても他居酒屋との競合が起こりにくく、「昭和食堂」という特殊な業態の特性上、建物や内装がボロくても出店出来るのは他の外食企業とは大きく異なるエッジの効いた部分だと思います。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
成長鈍化か
新規出店により売上高は順調に伸びているものの、2016年から減益の状態に陥っています。
ロードサイド戦略が上手くいかなくなってきており、最近では駅前出店を引き上げています。
これまで当社の成長のドライバーとなっていた、郊外型店舗&バス送迎、による2等地・3等地出店も、思いのほか宴会が取れていない状況であり、本年3月に出店した昭和食堂・名駅柳橋市場店に代表されるように、足許では駅前出店を引き上げ、郊外出店との比率をイコールまで持っていく計画です。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
元々の戦略を捨て、駅前という激戦区で大手居酒屋と戦うという状況になりつつあり、利益が出せない体質になってしまうことが懸念されます。
中期目標に疑問符
上記のため、中期目標として掲げていた売上10億円・店舗数200店については、達成時期が見えない状況です。
既存店の状況も思わしくないため、スクラップ・アンド・ビルドが相当程度の店舗で必要となってくるため、今後の成長ピッチは緩やかになると予想されています。
中長期的には売上高10億円・店舗数200店をターゲットとしています。既述の通り既存店の雲行きが怪しくなってきており、業態開発と業態変更によるS&Bが相当程度の店舗で既に必要になっているものと推察されますので、今後の成長ピッチはかなり緩やかなものになりそうです。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
株主優待は食事優待券
株主優待は年2回(3月9月)で食事優待券が貰えます。
以下は1回分の金額です。年間では2倍になります。
- 100株以上 2,000円分+20%割引券10枚、または、おこめ券2kg分
- 200株以上 4,000円分+20%割引券10枚、または、おこめ券4kg分
株価対策としての株主優待?
これまで海帆は、悪決算と株主優待をセットで発表してきました。
そのため株価対策として株主優待を利用していると指摘される個人投資家も多いようです。
悪決算とセットで優待新設。
続落する株価。11月5日には1399円まで下がりました。しかし11月10日、株価は1767円まで爆騰します。11月10日に海帆が発表した内容は2つ。1つは上期決算、そしてもう1つが株主優待です。
引用元:ビールを飲む理由
下方修正とセットで優待拡充。
海帆は「皆さん、ごめんなさいね」ということなのか、優待制度の変更を発表します。食事券3,000円分年2回、またはお米券3キロ分を年2回というものでした。
引用元:ビールを飲む理由
株価対策と分かりつつ、自分も買う中の1人になりつつあると指摘しています。
株主優待がいかに株価対策になっているかを物語るような銘柄です(笑)
かくいう、自分もその一人になりつつあります。
優待があれば、株価下落があっても仕方ないと我慢できるわけです。
株主優待の効力ありきです。
引用元:おばちゃんお得情報奮闘記
東証1部昇格としての株主優待?
東証1部を目指していることは公言されているので、将来的な昇格を見据えて優待新設・拡充であるという指摘もあります。
そのときに優待がどうなるかというと、時価総額もまだまだ上げなければならないので、維持拡充してくれるんじゃないかという今日の新設内容でした。
引用元:21世紀投資
総合評価
新規出店により売上を伸ばしていますが、戦略崩壊により、利益が伸びていません。
代わりに株主優待を拡充して株価を支えている状況ですが、店舗のある東海地区の個人投資家なら良いかもしれませんが、他地区の個人投資家にとっては魅力が薄い状況です。
大底での逆張りを狙うのもアリかもしれませんが、現状では手出し無用と思われます。
利益水準が低くて不安定だということを指摘しつつも、優待を楽しむ分には問題ないとされています。
海帆は利益水準が低くかつ不安定でPF上位で戦えるような銘柄ではありませんが、PF下位で保有して優待を楽しむのには特に大きな問題はないものと考えています。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌