河西工業は、自動車内装インテリア部品メーカー。ドアや天井など品目多岐。日産向け6割強。米英現地生産。
株主優待はクオカードです。
河西工業の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
良くも悪くも自動車部品メーカー
日産が主要顧客
河西工業は、自動車内装インテリア部品メーカーです。
具体的には、ドアの内張りパネルやサンバイザー、トランク内のカバー、防音・遮熱部品などを製造しています。
日産が主な顧客であり、三菱自動車が日産に取り込まれたことはポジティブであると見られています。
国内では最重要顧客である日産がMMCを傘下に収めたことによる“おこぼれ”が期待できる状況であり、この国内需要を原資に取扱品目を増やしていけるかどうかが中・長期的には鍵になると思われます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所 ※MMC=三菱自動車
業績は振れ幅が大きい
自動車部品メーカーということで、良くも悪くも、完成車メーカーの動向、為替、材料・原油市況の影響を受ける、典型的なシクリカル銘柄です。
リーマンショック時には最終赤字に転落しますが、それも1年だけで、その後は黒字体質にあります。
赤字は2009年3月期のみであり、基本的には黒字体質です。また、特に2014年3月期以降は売上高・営業利益(利益率)共に上昇しています。これは為替の効果(環境好転)もありますが、ビジネスそのものが強くなっているとも言えます。
引用元:橘優の相場観測
リーマンショック後は、世界市況の回復やアベノミクスによる円安に後押しされるとともに、河西工業のビジネスそのものの強さを磨いたことで、業績は拡大しています。
結果的にはリーマンショック時が株価の底であり、そこから2015年には10倍以上まで株価を伸ばしています。
特に2014年頃から業績の伸びが顕著になっており、ROAに着目した分析をされているブログがあります。
河西工業のROAは、トヨタや武田薬品工業などと比較すると、非常に高い総資産回転率が目立ちます。ただし、売上高営業利益率は高くはない。つまり、比較的薄利多売の仕事を、効率よく行うようなビジネスに強みがある事が分かります。
引用元:橘優の相場観測
株価の振れ幅はさらに大きい
業績の振れ幅と比べると、株価の振れ幅はさらに大きくなっています。
これは為替動向や市況の影響を受け、マーケットの心理的な影響が株価に反映されているからであろうとされています。
2017年9月時点では、2015年につけた1,970円処から、2016年につけた1,000円処のボックスに入り、平均すれば1,500円程度に落ち着いたと見られます。
つまり、過去のミスターマーケットの心理の動きと「価格」と「価値」の関係性から観ると、現在のレンジとしては概ね1015円~1970円と、かなり大きめのレンジが想定されます。平均的には1500円処、というわけです。
引用元:橘優の相場観測
長期経営計画
河西工業は2023年度までの10ヵ年の長期経営計画を発表しています。
最終年度に、売上3,000億円、営業利益率8%を掲げています。
しかしながら、発表当初はその目標値に向かって順調だったものの、2018年3月期には期初の段階から目標と乖離する減益予想となっています。
この長計内のマイルストンとなる3年中計においては、今期の売上高2,350億円・営業利益141億円を見込んでいましたが、結局アタマの初年度だけ達成したものの、今期は期初の段階で早くも白旗を上げています。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
その原因として、北米(メキシコ)での失注が挙げられており、日産陣営だけでなく、トヨタや米国自動車メーカーからの受注がしっかり出来ないと苦しいと指摘されています。
やはり北米(というか当社の場合はもろにメキシコ(!)に工場がある)が足枷となりかねない状況ですので、北米のトヨタは勿論、米系からもしっかりOEMを受注出来ないと苦しい状況です。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
株主優待はクオカード
株主優待はクオカードです。
- 100株以上 1,000円相当
- 1,000株以上 2,000円相当
- 3,000株以上 3,000円相当
1年以上継続保有の場合、クオカードが1,000円増量されます。
2015年2月に優待新設
河西工業は2015年2月に優待を新設しました。
すでに東証1部ではありましたが、株主数が少ないことから、東証1部維持のために個人投資家を増やしたかった意図があるのではないかと考えられています。
この会社はすでに東証一部なのですが、2014年9月時点の株主数が2230名と若干心もとないので、東証一部維持のためのクオカードという性格が強そうです。
引用元:株主優待バリュー株投資ブログ
総合評価
シクリカル銘柄であり、為替や市況の影響を大きく受けるため、安心した保有には向いていないと考えられます。
ここ数年は業績拡大を遂げましたが、2017年3月期に減益となったことから、業績の踊り場または成長鈍化が懸念されます。
配当優待利回りがそこそこであり、優待はクオカードであることから、個人投資家には人気が高い銘柄ですが、100株保有以上に動くためには、株価に割安感が出るか、成長再加速が必要になると思われます。
自動車部品メーカーは割安な優待バリュー株が多いとし、河西工業もその1つであり、魅力的であると評価されています。
自動車部品メーカーは5184ニチリン、5185フコク、7264ムロコーポレーションなど、「割安な優待バリュー株の桃源郷」な訳ですが、ここ河西工業も実に魅力的な水準です。いつまでもこんなに魅惑的な株価位置でいて欲しいですが、どうなるでしょうね?
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
1年以上となった場合の優待を高めに評価されています。全体的にもやや高評価となっています。
株価(1,436円)★★★☆☆:だいぶ戻ってきています
配当金(2.37%)★★★☆☆:連続増配中
優待内容 ★★★★☆:1年未満だと利回りは低いですが、1年以上になるとそれなりに良くなります
参考指標:PER 7.4倍、PBR 1.03倍
総合得点(15点満点):10点
※ データは2017年7月20日終値時のものです