総合通信会社大手。携帯電話(スマホ)と固定通信の両方を持つ。傘下にケーブルテレビ最大手JCOMを収めるなど、通信以外の事業にも拡大。
スマホの爆発的な普及とアベノミクスが相まって、ここ数年絶好調の通信業界です。スマホブームは終わりを迎えつつあり、成長力は鈍化するかもしれませんが、コスト削減と新規ビジネスの拡大によって安定的な成長を続けそうです。また、15年連続増配を続けており、株主優待も新設するなど配当優待株として頭角を現しています。
KDDIの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
通信セクターにおける位置づけ
近年、絶好調の通信セクターですが、その中でKDDIはどのような立ち位置なのか確認してみます。
高財務のドコモ、投資のソフトバンク、安定成長のKDDI
日本の通信セクターでは、ドコモ(NTT)、ソフトバンク、KDDIが比較されることが多いです。
ドコモはNTTの中で移動通信のみを担当しています。そのため、過去から利益率が高く、現金を積み上げたため高財務です。
財務安定性の観点からは株主資本比率が76%と最も高いドコモに優位性がある。
引用元:会計士による財務、株価分析
ソフトバンクは孫社長による投資会社へと変貌したというのが最近の見方になっています。
売上規模はソフトバンクが他の2社よりも倍近く非常に大きくなっている。
これは国内通信事業のほか、スプリント事業、ヤフー事業、流通事業等の事業を実施しており多角化しているためである。
引用元:会計士による財務、株価分析
KDDIは株主還元に非常に積極的であるという評価です。
携帯電話ではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社三つ巴ですが、配当という意味合いではKDDIは株主還元に非常に積極的です。NTTドコモはここ3年は連続増配。ソフトバンクは英アーム買収や過去の中国アリババへの投資など、投資による企業価値の増大に積極的ですね。
引用元:日米株での配当金生活を目指して
今後の利益創出
投資会社的な側面の強いソフトバンクは別にして、通信セクターはスマホの次の利益創出を考えるところに来ています。
1つはコスト削減でしょう。特に固定通信部門です。
KDDIは長年赤字であった固定通信部門と、稼ぎ頭の移動体通信部門を持ちます。スマホブームが終わりつつある今後は、コスト削減による利益創出という観点から、固定通信部門での利益の積み上げが期待されます。(NTTの固定通信部門であるNTT東西もコスト削減により利益をがんがんあげています。)
2つめは、新規ビジネスです。コンテンツ、物販、保険、決済と幅広く新規ビジネスに手をつけています。
ドコモが最初にTV通販会社や、生鮮野菜宅配のらでぃっしゅぼーやを買収したとき、まったくの「???」だったが、KDDIも自社のネットワークでお米が買えるようになった。
引用元:「配当金を雪だるま式に増やす投資日記」 ~Dividend Snowball Investing~
KDDIの株主還元
連続増配株
KDDIが株主還元に積極的とされる理由が、連続増配株であるということです。すでに15年連続増配です。KDDI子会社の沖縄セルラー電話も同じように連続増配株です。
配当性向は未だに30%ほどと、ドコモの50%と比べると、まだまだ増配の余地が大きく、今後も連続増配することは疑う余地がありません。この点に期待して投資する個人投資家も多いと思います。
KDDIは14期連続増配で15期目も目指すようです。
沖縄セルラー電話も15期連続増配で16期目も連続増配を目指す、としています。
引用元:「配当金を雪だるま式に増やす投資日記」 ~Dividend Snowball Investing~
株主優待を新設・拡充
また、株主優待も新設しました。ドコモやソフトバンクは株主優待はやっていないため、KDDIが株主還元に積極的であることが分かる事例だと思います。
au端末購入クーポン5000円分で始まった株主優待ですが、さらに食品詰め合わせ2,500円分もつくようになりました。
「KDDI(9433)」が、株主優待を拡充しました。
北海道産ゆめぴりか、ビーフカレー&煮込みハンバーグ、グランベリージュースの詰め合わせが貰えるそうです。
総合評価
連続増配と株主優待という株主還元は、配当優待株として非常に魅力的です。
一方でこれだけの大型株となると、割安で放置される可能性が少なく、いかに割安で(高い利回りで)買えるかというのがポイントとなりそうです。
【 きびなごの格付け 】 C
〔A~Eの5段階評価で、Aが最高・Cが普通・Eが最低〕
・業績安定度:B
・財務安定度:C
・配当利回り:C
・割安感:C