KeePer技研は、カーコーティング材料の製造卸としてカーディラーやガソリンスタンドの販売しており、さらに、洗車やコーティングのサービスを行う店舗を直営およびFCで展開しています。
2015年にマザーズに上場し、2016年には東証1部へ昇格しています。グロース株というよりは、着々と成長している会社であり、株価的にも十分な評価を受けているので、安定成長株に分類します。株主優待は優待カードまたはクオカードです。
KeePer技研の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
IPO直後から期待される安定成長
2015年にマザーズに上場したときから安定成長が期待されています。
ビジネスモデル
KeePer技研は2つの事業を展開しています。
- キーパー製品の製造卸
- キーパーLABO運営
1は卸売業であり、2はサービス業です。1の方が規模は大きいですが、2の方が利益率が高くなります。
それでは、この2つの事業はこれから安定成長するのかについて考えてみます。ビジネスモデルについてはゆうゆーさんのブログが詳しいです。
KeePer技研の事業展開は名古屋や東京の周辺であり、他のエリアにはまだまだ進出し、事業を拡大する余地があるとの見解です。
A.成長ストーリーは存在するか?
基本は「エリア拡大型」の成長ストーリーでしょう。
キーパープロショップ、あるいはキーパーLABOという店舗の数の増加に連動し、売上・利益も伸びてゆくストーリーです。
引用元:ゆうゆー投資法
成長を阻害するリスクとして、景気悪化と他社競合をあげていますが、現状ではどちらも心配ないという結論です。
コーティングは一度施工すれば3年程度は持つようですが、道を走っていれば必ず車は汚れますから、洗車は繰り返し行わなければならない(=消耗品)要素もありますね。
こう考えると、景気悪化にもそれなりに耐性のあるビジネスに見えてきます。
引用元:ゆうゆー投資法
有価証券報告書の「4.事業等のリスク」の項目にも、「現在のところこのようなビジネスモデルを持った競合は存在しません」と、明記されています。
他社には真似できない高い技術力を持っている上に、この業界でのシェアも当然トップで、先行者利益もあります。
引用元:ゆうゆー投資法
IPOまでの時期も安定成長
話が前後しますが、KeePer技研はIPOする前からも安定成長してきました。店舗の拡大および売上利益成長については、たぐまるさんのブログが詳しいです。
2014年7月時点では登録店が約4,000店舗。2010年度末で1,427店舗でしたが、毎年数百店舗増えており、現在も増加中。主要商品の年間販売本数も2010年度が7.5万本だったのが、2014年度末で38.2万本まで増えています。
引用元:たぐまるの株日記
上場したばかりと言うことで財務、業績に関する資料は少ないのですが、分かる範囲だと
・2010年度
売上高 27.58億円 経常利益 0.75億円(経常利益率 2.71%)
・2011年度
売上高 29.88億円 経常利益 1.05億円(経常利益率 3.51%)
・2012年度
売上高 36.25億円 経常利益 1.90億円(経常利益率 5.24%)
・2013年度
売上高 44.39億円 経常利益 3.04億円(経常利益率 6.84%)
・2014年度
売上高 52.29億円 経常利益 4.51億円(経常利益率 8.62%)
引用元:たぐまるの株日記
以上から、IPO後も安定成長が期待され、株価は右肩上がりを続けています。
安定成長は続くのか?
安定成長が期待され、株価はPER25倍程度まで買われています。今後も安定成長は続くと考えられるのでしょうか?
2017年2月の決算については、全体の増収増益は継続していますが、事業セグメントでは明暗が別れます。
- キーパー製品の製造卸は増収減益
- キーパーLABO運営は増収増益
となっています。
たぐまるさんのブログでは決算ごとに数値を追って検討を重ねています。
キーパー製品の製造卸について
・店舗数 5,300店舗(前年同期比+461店舗)
・ダイヤモンドキーパーケミカル類の本数 前年同期比+9.8% 1Q時 +19.0%
・売上高 24.73億円(前年同期比+2.8%) 1Q時 +7.7%
・セグメント利益 5.21億円(前年同期比-8.3%) 1Q時 -1.2%
(内部取引分0.82億円を引くと4.38億円(前年同期比-10.3%(1Q時+3.2%))店舗数はかなりのペースで増えていますが売上高、利益は1Q時より鈍化の印象。セグメント利益のマイナス幅が二桁になったのは少し気になるところですね。
引用元:たぐまるの株日記
キーパーLABO運営について
・店舗数 直営50店舗 FC店舗10店舗 合計 60店舗(12月末時点) 前期末 53店舗
・売上高 13.23億円(前年同期比+13.2%) 1Q時 +8.8%
・セグメント利益 2.51億円(前年同期比+55.4%) 1Q時 +34.3%
(内部取引分0.82億円を含む)新規の出店は期初予想12店舗に対して12月までの出店は8店舗(1Q 1店舗、2Q 7店舗)。1Qが少なかったので少し心配でしたがIR通り11、12月に固め打ちで無事出店できたようです。
引用元:たぐまるの株日記
2018年6月期の1Q決算は、増収減益となりました。
FC店が頭打ちになってきており、直営店に頼らざるを得ず、経費が膨らむことで利益率の確保が課題となるだろうと指摘されています。
既に5,500店を数えるFC認定店への卸売販売の方も頭打ちになってきていることから、どうしてもこの直営ラボ店の出店に頼らざるを得ない部分があり、今後は一層膨らむ人件費や地代・家賃をどうバランスして今の利益率を確保するかが当面の課題点と言えます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
株主優待は優待カードまたはクオカード
株主優待は保有株式数に応じて、キーパーLABO全サービス商品が割引きされる優待カードが貰えます。または一律で3,000円相当のクオカードとなります。
- 100株以上 20%割引
- 1,000株以上 25%割引
- 2,000株以上 30%割引
- 10,000株以上 37%割引
QUOカードは3,000円相当が貰えますが、利回りが高めで人気がある反面、優待改悪を心配する声もあります。
いまの株価でQUOカード3,000円分が頂けるのであれば嬉しですが、もしかしたら来年度は何かしら優待内容が変更になるかもしれませんね
何とかこの先もQUOカード優待を改悪などすることなく継続してくれることを願いたいです
引用元:とことこトコタンの株主優待ブログ
総合評価
KeePer技研は株主優待を実施しており、100株以上でクオカード3,000円分となっています。IPOによる資金調達によって財務も安定しており、優待株として投資されている個人投資家もいるようです。
優待株としての評価は、業績・財務は安定的だが、株価に割安感がないという意見です。このような評価であれば、何かの外部要因で暴落することがあっても、優待株として一定の底堅さが見られるのではないかと思います。
業績安定度・財務安定度が高い評価です。
【 きびなごの格付け 】 B
〔A~Eの5段階評価で、Aが最高・Cが普通・Eが最低〕
・業績安定度:B
・財務安定度:B
・配当利回りC
・割安感:D
割高ではなるものの高い成長力であることを評価されています。
KeePer技研は指標的には極めて割高ですが、若い会社で今のところ高い成長力を維持しています。そのためPEGレシオ(PERで見ると買えないグロース株を何とか買うために作り出された指標。PEG=PER÷成長率。 2倍以上は割高、1倍以下は割安と判定。)で見れば何とか無理くりすれば買えるかな?というところでシブシブ参戦しました。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
既存店売上の前提を従来の110%から105%に下方修正していることから、成長モメンタムが一服することを指摘されています。
中期的なKPIとして、翌2019年6月期についても直営ラボ24店の開業を計画していますが、既存店売上前提に関しては、従来の110%から105%に下方修正してきているため、これまでの高い成長モメンタムはやや一服の兆しがみられます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所