近鉄エクスプレスは、国際航空貨物混載大手の一角。国際網充実。15年にシンガポールの物流会社APLL子会社化。
株主優待は年2回(3月9月)でクオカードです。1年以上の継続保有で化けると人気です。
近鉄エクスプレスの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
規模拡大を目指す国際航空貨物混載大手
国際物流を手掛ける
近鉄エクスプレスは、世界46ヶ国・351都市・848拠点からなるグローバル・ネットワークを駆使して国際物流を手掛けています(2017年3月期)。
貨物混載とは、顧客から預かった貨物を行き先ごとにひとつの貨物としてまとめ、航空会社や海運会社に輸送を委託することを指します。
近鉄エクスプレスは、国際航空貨物だけでなく、国際海上貨物も取り扱っており、売上ベースでも両者が同じ程度の割合を占めます。
APLロジスティクス買収
2015年5月、シンガポールの物流大手APLロジスティクスを買収しました。
買収金額は1,500億円にのぼり、2017年3月期においては、60億円もののれん償却がのしかかりました。
2018年3月期においても、システム統合費用が剥落することで多少は良化するものの、引続き重いのれん償却が続く見通しです。
AAPLに関しては当社とのシステム統合関連の費用が剥落するため、営業利益ベースで16億円程度良化する見通しですが、なおAAPL買収当時の本来の巡航実力にはほど遠い印象です。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
財務悪化
APLロジスティクスの買収前である2015年3月期には、無借金経営であり、自己資本比率は65%と好財務の状況でした。
しかしながら、APLロジスティクスの買収によって借入金が急増し、2017年3月期においては、自己資本比率は30%に後退しています。
これを成長投資と見るか、無謀な投資と見るかに判断が分かれるものと思われますが、少なくとも株式市場では株価が右肩下がりとなり、失敗した投資と判断されていたようです。
それでも、2016年後半からは株価が切り替えしており、今後の業績を見守りたい状況です。
中期経営計画
近鉄エクスプレスは、2019年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表しています。
当初は、最終年度の目標値として、売上6,340億円(年率+14%成長)、営業利益220億円(年率+13%成長)を掲げました。
しかし、2017年5月時点で、目標値の下方修正を行いました。
これによれば、最終年度の目標値として、売上5,680億円(年率+11%成長)、営業利益180億円(年率+5%成長)となっています。
業績数値は下方修正したものの、貨物量については据え置きであるため、規模拡大の方針自体はブレていないと指摘されています。
当社は高い買い物であるAAPLの買収を含め、定性的な方針として業界でのプレゼンス拡大に挑んでいるため、“質より量”を志向していることも影響しています。事実、別途KPI目標数値として置いている「航空70万t・海上70万TEU」に関しては、修正していないため、見え方こそ悪いものの、そういう方針ということです。
引用元:なちゅの市川綜合研究所 ※AAPL=APLロジスティクス
株主優待はクオカード
株主優待は年2回(3月9月)でクオカードが貰えます。
保有株式数および継続保有年数によってクオカードの金額が変わります。
- 1年未満の場合
- 100株以上 500円相当
- 500株以上 1,000円相当
- 1,000株以上 2,000円相当
- 5,000株以上 5,000円相当
- 1年以上の場合
- 100株以上 2,000円相当
- 500株以上 2,500円相当
- 1,000株以上 3,500円相当
- 5,000株以上 6,500円相当
1年以上の継続保有で一律1,500円が加算されるということになります。
100株保有の場合、1年以上の継続保有で利回りが一気にアップするところが魅力的です。
近鉄エクスプレスですが、株主優待のクオカードが1年以上保有すると、
500円から2000円に跳ね上がるということで、もうすぐ3月権利日なので、あと1年ちょっと経てば超優待銘柄に変身する、ということで、即決で買ってみました。
100株保有の場合、クロス取引での優待取得では500円と効率が悪いが、1年以上の現物長期保有には2,000円と魅力的であり、非常によく考えられた優待内容だと評価されています。
クロス対策をしつつ、保有したばかりの株主にも優待を送る
「現代の優待投資家への対策が万全」だと思います。
非常に良く考えられた優待内容ですね。
引用元:ゆとりサラリーマンの優待投資
総合評価
APLロジスティクス買収負担が重く、株価は3,200円から1,200まで売り込まれ、一旦下は試した状況です。2017年9月段階では、1Q決算が好調であり、業績成長が見えてきましたが、それを先取りする形で株価は切り返しPER25倍まで達しています。
このまま順調に成長するか見極めるのも難しいですし、PER25倍から手を出すのも厳しいと思います。
100株を1年以上の継続保有することで株主優待のクオカードが500円から2,000円に化けるため、優待目的とした100株ホールドはアリだと思います。
増配基調が途絶えたものの、2018年3月期の1Q決算は好調であったことから、増配復活に期待されています。
今期も据置となる26円配当を見込んでいる状況ですが、今期は1Qから相当好調であり、早くもコンセンサス予想(経常利益/会社130億円vsCons.143億円)
が切り上がっている状況ですので、業績良化による増配基調の復活に改めて期待したいところではあります。
引用元:なちゅの市川綜合研究所