三菱ロジスネクスト(7105)

三菱ロジスネクストは、 フォークリフト大手。13年三菱重工からフォーク事業を承継、17年ユニキャリアと経営統合。

株主優待はありません。

三菱ロジスネクストの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。

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世界3位のフォークリフトメーカー

事業内容

三菱ロジスネクストは世界第3位のフォークリフトメーカーです。

2013年に三菱重工のフォークリフト事業を継承し、ニチユ三菱フォークリフト株式会社となっていました。

2017年には同業のユニキャリアと経営統合し、三菱ロジスネクスト株式会社へと商号変更しています。

売上高・営業利益の4割を国内で稼ぎ、6割を海外で稼いでいます。

尚、フォークリフトメーカーの世界第1位は豊田自動織機、第2位はドイツのイオングループとなっています。

ユニキャリアとの経営統合

ユニキャリア株式の過半を保有する政府系ファンドの産業革新機構から買い取り、2017年には完全に経営統合しました。

買収費用は約1,400億円にものぼっており、好悪の両材料となっています。

2018年3月期は統合効果により60%増収となったものの、のれん代の償却により-12%減益に落ち込みました。

2018年3月期の業績については、事実上は増収増益ながら、増益効果を打ち消して減益にさせるほどののれん代の償却があったと指摘されています。

営業利益が減少しているのは、同社との経営統合にともなうのれん代の償却が年間およそ100億円発生するためであり、利益上乗せ分とネットしてもマイナスとなります。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

財務は急悪化

上記の通り、ユニキャリアの買収に巨額を投じたため、財務は急激に悪化しています。

買収前後を比較すると、借入金は667億円→1,852億円、自己資本比率は30%→16%となっています。

財務的負担が大きく、業績好調でも配当は据え置く公算が高いと指摘されています。

財務的負担は大きく、40%台半ばの水準をキープしていた自己資本比率は、多額の借入により今や10%台半ばまで下落しました。そのため、株主還元余力はかなり薄く、今期は業績好調でも11円配当を据え置く公算が高いとみられます。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

中期経営計画

三菱ロジスネクストは、2021年3月期を最終年度とする4ヵ年の中期経営計画を発表しています。

2021年3月期において、売上高4,600億円(年率+14%成長)、営業利益230億円(年率+21%成長)を目標値としています。

統合効果で増加した売上高をさらに2桁成長させつつ、利益的にも統合効果を発現させていく想定となっています。

具体策として本社集約やシステム統合は完了しており、フォークリフトへの価格転換=値上げこそが鍵であると指摘されています。

具体策としては、ユニキャリアの川崎本社も京都に集約したほか、会計・設計システムの統合を完了しており、中計最終年度を目処とし残りの販売・生産・調達システムの統合も完了させ、経営資源効率化を図る方針です。ただ原価の高騰基調が継続しているため、コストメリットが実際に利益の数字として表れるのは中計終盤までかかるものとみられ、それまでにフォークリフトへ価格転嫁(要は値上げ)出来るかどうかが鍵と言えそうです。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

総合評価

財務負担の大きかった買収ながら世界第3位に躍り出たことは評価されています。しかしながら、尚、業界トップの豊田自動織機との差は大きく、油断は禁物ではないでしょうか。

2018年7月時点でPER23.9倍/PBR2.38倍となっています。中計達成による利益倍化を織り込んでいる水準である印象です。

株価は2016年初を底にして3倍以上に高騰しています。競合の豊田自動織機はPER13.2倍/PBR0.76倍ということで、三菱ロジスネクストの指標には割高感があります。利益倍化により数値が半分になったところがフェアバリューくらいであり、既にそれを織り込んでいるものと思われます。ここからの上値追いはさらなる材料が必要です。

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