ミスターマックス・ホールディングス(ミスターマックスHD)は、 九州地盤の家電、日用品ディスカウントストア。17年9月持株会社体制に。配当性向30%目安。
株主優待は自社プライベートブランド商品詰合せです。6ヶ月以上の継続保有が条件となります。
ミスターマックスHDの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
激戦区の九州を地盤とするディスカウントストア
事業内容
ミスターマックスHDは、ディスカウントストアMrMAXを展開しています。
店舗の様子については、以下のブログで写真で紹介されています。
記事の最下部に実店舗に行って、写真を撮ってきたので、
お店の雰囲気を感じてもらえばよいかと思います。
引用元:化学男のバリュー投資
販売商品
食料品、家電、アパレル、ペット用品、日用品などを安く販売しています。
商品別の売上高としては、食品が33%を占めておりトップです。HBC(紙綿、洗剤・化粧品、医薬品)や家電が続きます。

第69期 株主通信(2017年3月1日~2018年2月28日)より抜粋
上記は2018年2月期の商品別売上高ですが、HBCや家電の比率が大きいのはインバウンドによる中国人の爆買い影響や、ニンテンドースイッチ発売の影響があるようです。
2019年2月期の月次がふるわない要因として、2018年2月期の販売状況との比較が説明されています。
「昨年はインバウンドで中国の方が何故か大量に紙おむつを買われたのだが、それが今期はパタッと止まって無かったことと、同じく任天堂のゲームマシンのスイッチが昨年バカ売れしたのが無くなったことの2つ。ただ、両方共に利益率が低かったので、(今期の既存店売上高の期初予想に対しての未達は、利益面に対しては)あまり影響はない。」とのことでした。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
店舗展開
ディスカウントストアの激戦区となっている九州を地盤としており、中国地方および関東地方へと進出を始めています。
2018年11月時点で、九州に39店舗、中国地方に9店舗、関東地方に7店舗の合計55店舗を展開しています。
- 九州地方:39店舗
- 福岡県:24
- 佐賀県:4
- 長崎県:2
- 熊本県:5
- 大分県:3
- 宮崎県:1
- 中国地方:9店舗
- 岡山県:1
- 広島県:3
- 山口県:5
- 関東地方:7店舗
- 東京都:1
- 神奈川県:1
- 埼玉県:1
- 群馬県:2
- 茨城県:2
2015年3月期に膿を出し切り、利益成長路線へ
ミスターマックスHDは、2015年3月期に不採算店の閉鎖などで大きな特損を出し、最終赤字に転落しました。
しかし、それが膿を出し切ることとなり、2016年3月期から利益成長路線へと突き進んでいます。
会社IRに利益率改善の理由を質問すると、「2015年3月期に体質改善のために不採算店の閉鎖などで大きな特別損失を出して、それで良くなった。後、店舗の作業効率化を通じての人件費削減や物流費削減などの継続した経費削減の努力の効果もある。この2つ。」とのことでした。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
膿を出し切り、商品改革とオペレーション改革で過去最高益を大幅に更新する中期経営計画を発表しています。
不良在庫の減損、店舗の減損、不振店の閉店も決め、前倒しで退店費用を特損で出すなど溜まっていた膿を出し切ります。そして商品改革とオペレーション改革(詳細は中計に記載)を打ち出し、大赤字を出した年に、過去最高益を大幅に更新する大風呂敷を広げた中期経営計画を発表しました。
引用元:化学男のバリュー投資
2019年2月期は成長鈍化?
2018年2月期まで順調に利益を伸ばしてきましたが、2019年2月期の2Q段階では営業利益は+3.2%、経常利益は-9,4%となっており、成長鈍化に陥っています。
利益率改善が限界に達しているのか、今後の決算も注目されます。
財務はイマイチ
2018年2月期において、借入金250億円以上、自己資本比率30.6%となっており、財務的にはイマイチです。
借入金の大きさはリスクとしながらも、敷金と保証金が110億円を占めており、借入利率も低いとも指摘されています。
借入金が275億で純利益の10倍以上と莫大。しかしながらその内、敷金と保証金が110億で実質借入金は175億と言える。借入利率が0.6~0.7%で、この借入金の多さにしては非常に低利率。
引用元:化学男のバリュー投資
大量の新規出店で売上を伸ばしているというわけではなく、既存店の利益率改善を目指しているステージであるため、有利子負債が増えることはなく、そこまで気にする必要はないともコメントされています。
ミスターマックスについては有利子負債は多いものの、現時点では大量の新規出店で売上を伸ばすのではなく、購買見直しや店舗運営効率化などによって利益率改善を目指しているステージのため、新規出店にかかる多額の出店費用は必要ではなく有利子負債はそこまで気にする必要はないと考えています。
引用元:紅の鹿の株式投資日記 ※コメント欄
中期経営計画
ミスターマックスHDは、2020年3月期(後に決算期変更で2020年2月期)を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画を発表しています。

中期経営計画(2016年3月期~2020年3月期)より抜粋
2015年3月期に膿を出し切り、筋肉質な事業構造へ転換したことにより、利益成長を実現させ、2020年3月期を飛躍期としています。
2020年3月期において、売上高1,200億円(年率+2%成長)、営業利益36億円(黒転)を目標値としています。
過去の数値からすると営業利益36億円は飛躍的な数字とも思えますが、2016年3月期、2017年2月期と順調に利益を伸ばしており、中計は順調に進捗していると評価されています。
過去の数字を見ると20年度に営利36億という中計は夢物語のように思えますが、
上記に挙げた施策が功を奏して、
17年度は熊本地震があり2店舗が休業に追い込まれ、かつ11カ月間の変則決算でありながら、19億の営業利益を達成し、中計は非常に順調に進捗しています。
引用元:化学男のバリュー投資
3年目となる2018年2月期については、中計目標の営業利益22.5億円を超えて25.3億円で着地しました。
最終年度の営業利益計画36億円は十分達成可能とコメントされています。
5か年中期経営計画の3年度目(2018年2月期)の営業利益(会社予想)22.5億円は保守的な数字であると考えられます。また、最終年度の営業利益計画36億円は十分達成可能な現実的な数値目標であると考えられます。
引用元:紅の鹿の株式投資日記
株主優待は自社プライベートブランド商品詰合せ
株主優待は、1,000株(10単元)以上かつ6ヶ月以上の継続保有で、自社PB商品詰合せ2,000円分がもらえます。
10単元であることや、6ヶ月の継続保有が条件となることから、優待を取得している個人投資家は少ないようです。
”6ヶ月前からこんな地味株を持ち続けている稀有な者”としつつ、優待品については、食品から日用雑貨まで幅広くカバーしているとコメントされています。
食品から日用雑貨まで幅広くカバーしており、
まさにあまり親しくない友人から貰った誕生日プレゼント
(自分では進んで買わないけど、あればまぁありがたい品物)
総合評価
九州地盤のディスカウントストアで、利益率改善によって営業利益を大きく伸ばしています。しかしながら、2019年2月期には成長鈍化しており、中計達成は疑問符が付き始めています。
2018年11月時点でPER8.63倍/PBR0.74倍となっています。
2017年に2倍化した株価ですが、2018年は下落トレンドとなっています。月次売上高の悪化および決算進捗の悪さが嫌気されているようです。月次売上高または利益率の改善が見られるまでは手を出しにくいです。
指標的に割安で、総合利回りも出ており、ここ数年で利益率を高めていることを評価されています。具体的には6つの購入理由を記載されています。
MrMaxHDは指標的に十分に割安でかつ総合利回りも出ており、優待バリュー株インデックス投資法の銘柄選択基準を分かりやすく満たしています。更にこの数年で急激に利益率を高めてきていますし、非常に良い銘柄と思います。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
2017年4月時点で、3年後の目標株価を2倍の840円としています。結果的には1年以内にその目標をクリアーすることとなりました。(しかし、その後株価は低迷中)
紅の鹿推定のミスターマックスの3年後の目標株価は840円です。(=年率26%のミドルリターン)
また、5か年中期経営計画が未達となった場合でも、損失額は最小限に抑えられます。(=ローリスク)
よって、ミスターマックスへの投資はローリスク・ミドルリターンであると考えます。
引用元:紅の鹿の株式投資日記