日本コンセプト(9386)

日本コンセプトは、タンクコンテナを用いた化学品、薬品、食料品など液体物流サービスを提供しています。タンクコンテナの所有・洗浄を行い、輸送自体は外注です。

独自のビジネスモデルで高利益率をあげていますが、為替や景気の影響が気になるところです。6月と12月にそれぞれ株主優待があり、配当優待利回りの高さが注目されています。

日本コンセプトの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。

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タンクコンテナで液体を輸送

独自のビジネスモデル

日本コンセプトは液体輸送を事業としていますが、輸送自体は外注しています。

当社の強みは、液体輸送に必要なタンクコンテナを保有することと、タンクコンテナを洗浄することにあります。危険物や薬品を輸送するため、次回の輸送時に少しでも前回の内容物が残っているわけにはいきません。危険物の取扱いやタンクコンテナの洗浄は非常に専門的です。

当社は流体物(液体)を専門に運搬する輸送業者。輸送手段としては「タンクコンテナ」という箱を使って荷主から荷受人に運ぶ。もっとも実際に運ぶのは海運会社、陸運会社であり、当社の役割はタンクコンテナを保有して、流体物を荷主の指図するところまで配送の手配をする、という感じ

引用元:「配当金を雪だるま式に増やす投資日記」

また、輸送自体は外注するため、様々な運送会社の空いている路線を利用することができます。運送会社は往復で荷物を運ぶことでコスト削減していますが、日本コンセプトはそのようなことを考えることなく、片道での運送を発注できます。

また、日本各地にタンクコンテナを保有・洗浄する施設(営業所)を設置してネットワーク化しています。

この2点により、片道輸送を実現するネットワークを構築し、強固な参入障壁を有していると評価されています。

片道運賃(ワンウェイ)を実現するネットワークによる強固な参入障壁を有する。成長は+10%が軸で、米国参入等による上振れも期待と景気減速による下振れの両面が考えられる。

引用元:すぽさん投資ぶろぐ

高利益率

独自のビジネスモデルで強固な参入障壁を有していることから、高利益率を実現しています。競合他社が10%程度の営業利益率であるのに対して、日本コンセプトは同18%となっており、このことに注目して投資を決めたという個人投資家ブログもあります。

またまた四季報によると、国内における日本コンセプトの競合会社は下記3社。

9381 AIT
9384 内外トランスライン
9074 日本石油輸送

3社とも業績はそれなりに上げているのですが、営業利益率はどこも10%以下です。
一方で、日本コンセプトは約18%と飛びぬけて高く、これが決め手となって投資することにしました。

引用元:サラリーマンの割安株投資日記

財務体質改善を優先中

2012年の上場以来、安定的に利益をあげている日本コンセプトですが、現状は財務体質改善を優先しています。株主資本比率は、2012年の25%から、2016年には48%まで向上しました。

そのため、配当性向や増配率はあまり期待できないとする意見もあります。

現在の中期計画のフェーズでは、株主還元よりも持続的な成長を維持しながら財務体質改善(借入金の返済)を優先したいような感じなので、配当性向や増配率はあまり期待できない。

引用元:「配当金を雪だるま式に増やす投資日記」

為替と景気変動がリスク

日本コンセプトはドル建てで決済を行っており、円高ドル安は逆風となります。また、輸送しているものが化学品等ですので、景気変動の影響を受けやすいと考えられています。

2016年12月期も、事業は好調ながら、円高の煽りを大きくくらったとの評価です。

輸出・輸入・国内輸送、日本を介さない三国間輸送
の全てのセグメントで取扱高が大幅に増えたものの、基本的にはドル建での
決済となるため、円高の煽りを大きくくらった形となりました。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

シクリカル(景気敏感)な業界がお客さんなので、日本コンセプトもシクリカルになるだろうという考えです。

対面業界(お客さん)は化学業界なので、シクリカルであり、今から買うのか、という感じもしていて、「いい会社だけど、どうしようかなあ」という目で見ている。

引用元:「配当金を雪だるま式に増やす投資日記」

中期経営計画

日本コンセプトは1年毎に更新するローリング方式の中期経営計画を発表しています。

2019年を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画では、売上高123億円(年率+5%成長)、営業利益19.6億円(年率+5%成長)を目標としています。

保有コンテナを順調に増加させているため受注可能な数量も増加している他、ガスタンクコンテナの輸送事業も開始しており、中計目標はかなり保守的とみられています。

いずれにせよ、東証一部へ指定変更となり、コンテナの借金の金利負担の追加削減も十分期待できるような状況ですので、現在の中計目標値はかなり保守的であり、前倒しの可能性も十分にある様な印象を受けます。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

青山財産ネットワークスの蓮見氏が当社株を保有

気になるトピックスとして、青山財産ネットワークスの蓮見氏が日本コンセプト株を2.2%保有していることがあげられます。

青山財産ネットワークスは富裕層向けに節税・相続のコンサルに力を入れており、日本コンセプトのタンクコンテナを使ったビジネスを検討しているのかもしれません。(タンクコンテナをリース商品にして富裕層に売る等?)

気になるのは、当社第6位株主に青山財産ネットワークス代表の蓮見正純氏
が顔を出しており約2.2%の当社株を握っていることです。当社のコンテナを
同社の新しい節税商品にでもするつもりなのかわかりませんが、その保有
意図が注目されるところです。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

商船三井と資本業務提携

2018年2月に、日本コンセプトは商船三井との資本業務提携を発表しました。第三者割当によって商船三井が15%を保有する大株主となっています。

海運大手の商船三井が後ろ盾となったことで、同社が持つグローバルネットワークが活用できるようになったことと、資金調達を行えたことで一石二鳥の効果をもたらしました。

第三者割当はディスカウントがあったものの、明らかに良い提携であると評価されています。

これにより同社が有するグローバルネットワークを活用出来るようになったほか、この第三者割により10億円強(@1,387円)を調達できたため、新たなタンクコンテナの購入資金を確保することが出来ました。本第三者割は2.26%のディスカウントがあったものの、業容拡大に資することが明らかな良い提携と言えます。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

株主優待は6月と12月の年2回!

2016年の5月に株主優待制度の拡充を発表し、年2回となりました。

  • 6月  2,000円相当の商品カタログ
  • 12月  1,000円クオカード(1年以上保有)

12月のクオカードは1年以上の保有が必要となりました。

配当優待利回りが高い

優待が年2回となったことや、増配を続けていることから、配当優待利回りが高くなり、個人投資家の注目が集まりました。

5/13に1Q発表と同時に株主優待制度の拡充と増配を発表した日本コンセプトを購入しました。

引用元:20代の投資生活

10万円以下で買えて優待利回り3.58%、総合利回り7.76%の高利回りにつられて購入したが、まだ半信半疑なところがある。現在含み益中。6月と12月の優待内容はことなる。また12月の優待を受け取るには1年以上保有する必要がある。つまり1年目は優待利回りは2.38%とやや落ちるが、それでもいい方と思う。

引用元:株主優待侍

優待拡充後は順調に株価を上げたこともあり、2017年4月現在では指標的には割安感のないレベルまで株価修正されています。それでも魅力的な優待制度のため、ホールドしたいという意見です。

日本コンセプトは指標的にはやや高いと思いますが、現時点では十分な総合利回りの出ている良い銘柄です。優待制度の変更がない限りはホールド継続の予定です。

引用元:みきまるの優待バリュー株日誌

東証1部への昇格期待と不安

魅力的な優待制度の導入・拡充に対して、東証1部への昇格期待が高まっています。

・東証一部を視野にいれた株主優待の変更
・今日の終値892円で配当利回り3.36% 優待利回り3.36%
・長期保有による優待制度→廃止の可能性薄(?)

引用元:20代の投資生活

一方で、逆に東証1部に昇格してしまうと、優待が改悪されてしまうのではという不安もあります。

おそらく東証1部昇格後にはここまでの大盤振る舞いはしないことになりそうな気がしますが、現時点では素晴らしい内容ですね。

引用元:みきまるの優待バリュー株日誌

総合評価

高い営業利益率と、高い配当・優待利回りが魅力的です。優待を目的とした100株ホールドは全く問題ありません。

財務の良化、成長加速、1部昇格など、考えられるカタリストも多く、本格的な投資を検討しても良いと思います。

1部昇格となり、一定程度、割安訂正されました。今後は、業績続伸と財務状況改善が進むと想定され、株主還元が焦点となりそうです。

コンテナの減価償却により利益を押し下げるものの、キャッシュアウトは済んでおり、財務状況の改善がハイペースで進むと指摘されています。

当社はコンテナの減価償却費が年8~9億円があり、定常的に利益を大きく押し下げているものの、キャッシュアウトしていないため、財務状況の改善がハイペースで進んでおり、自己資本比率はついに50%台となりました。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

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