日本毛織は、羊毛紡織の有力会社だが、利益の柱は商業施設賃貸。スポーツ施設、介護施設、売電なども展開しています。
業績は横ばいで成長期待も乏しいですが、含み資産を抱えており、資産面で割安感があります。5月11月の年2回のクオカード優待が人気です。
日本毛織の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
繊維事業で発祥も、利益の柱は不動産賃貸
繊維事業で発祥し、現在は不動産賃貸というパターンは多く見られます。日本毛織(愛称ニッケ)もその1つです。
元々衣料繊維事業をやっていて、土地等の含み資産があるので、不動産にも進出したという企業は結構多い印象です。例えば、片倉工業やクラボウ等です。昔は衣料繊維事業は成長産業で、いけいけどんどんで成長していったものの、中国等の人件費の安い国が台頭してきて衰退産業となり、昔取得した土地が遊休地となり、それを活用して不動産を柱に変わっていったということなのだと思います。
引用元:サラリーマンごろりの株主優待日記
繊維事業
祖業の繊維事業は売上ベースで40%を切る水準になっています。利益ベースでも30%ほどの状況です。
ニッケって、てっきり繊維産業だと思っていたんですが、繊維事業は全体の4割にも達していなく、他の事業が利益にかなり貢献しているんですよね。
日本国内で衰退している繊維事業といっても、日本毛織の繊維事業は赤字にはなっていません。ニッチな分野を対象としているので黒字を確保できているのではないかという指摘です。
ニッケはユニフォーム等のニッチな分野をやっているので、
衣料繊維事業は黒字となっているのでしょうか。
引用元:サラリーマンごろりの株主優待日記
不動産事業
日本毛織の利益を支えているのは不動産賃貸事業です。
売上ベースでは大きくはないものの、利益率が高く、日本毛織の利益の70%を稼ぎ出しています。
商業施設の賃貸で2015年度については売上高は全体の15%程度ですが、営業利益の約70%を稼いでいます。商業施設の賃貸をやっている人とみらい開発事業については、営業利益率も30%を超えています。
引用元:サラリーマンごろりの株主優待日記
日本毛織の持つ不動産として有名なのが、兵庫県加古川市にある「ニッケパークタウン」と、千葉県市川市にある「ニッケコルトンプラザ」です。
ニッケパークタウンに関しては、医療モールの新設、改装を行って賃料収入の増加が期待されています。
加古川の方は今年春に医療モールを新設した他、今秋には本館・東館の全面改装、来夏にはリバーサイド館・レンガ館の全面改装を予定しており、賃料収入増加が期待されます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
ニッケコルトンプラザに関しては、エリアドミナント型の事業展開を行っているという評価です。
市川市の施設に関しても、屋内型遊園地であるハートキッズランドを
開業するなど、集客の強化に努めているほか、施設周辺では傘下の日本
パムコにより訪問介護事業などを展開するなど、事業ドメインに捕らわれる
ことなく、エリアドミナント型の事業展開を行っています。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
中期経営計画
日本毛織は、2019年11月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画を発表しています。
2019年11月期において、売上高1,200億円(年率+6%成長)、営業利益90億円(年率+6%成長)を目標値に掲げています。
従来事業である繊維事業のR&Dに投資する他に、”地域ドミナント”を形成している点を評価されています。
従来型事業の深耕のほかに、“地域ドミナント”で展開を進めていることであり、市川・加古川といった当社へ強いロイヤリティを持つ住民が多い地域(※市川では本当に強い)で介護施設や保育園を開業し、“面的展開”での収益拡大を図っています。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
株主優待はクオカードや優待カタログ
クオカードについて
5月と11月の年2回、500円のクオカードが貰えます。2017年5月に関しては創業120周年ということで、700円分が追加されます。
オリジナルクオカードなので廃止リスクは低いという指摘もあります。
来年2017年5月のみ記念優待700円分が追加されます。
また、オリジナルクオカードですので、比較的廃止リスクは低いと思います。
引用元:サラリーマンごろりの株主優待日記
優待カタログについて
5月優待として、1,000株以上の保有で、優待カタログ+3,000円分の優待券が貰えます。保有株数に応じて優待券の金額が増えていきます。
この優待カタログは、セーターや毛布といった毛織物は当然ながら、意外にも食品や防災グッズもあり、使い勝手が良いと評価されています。
鍋料理、ハム、たまご、防災グッズ など、
なんでもアリといった感じです。
必ずしも、毛織物を選択しなくてもいいのです。
また、この優待券はカタログからの選択に使えるだけでなく、日本毛織の直営スポーツ施設や店舗(カラオケ・飲食等)でも利用可能です。ただし、施設は関西に多いようで、関西圏の人でないと利用する機会がなさそうです。
かなり利用範囲が広いです。
ただ、利用できるところは関西圏が圧倒的です。それ以外の地域の方は、優待カタログを利用することになると思います。
総合評価
成長期待は乏しいですが、含み資産を持っていることでPBR的には割安感があり、財務面も安定しています。配当優待を目的として1単元をホールドするというのはアリだと思います。
ニッケは歴史ある銘柄で指標的な割高感もありませんし、年2回優待銘柄ですし、PF下位としては特に問題の無い良い銘柄であると考えています。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
資産面で割安感があり、優待も含めると1単元を保有するに値するという評価です。
業績面ではよこよこで割安感はなく、妥当な評価だと考えるものの、資産面では割安感があり、優待も考慮すると下手なリートをもっておくよりもパフォーマンスが高いのではないかと思います。含み資産を保有しており、いつか見直されることもあるのではないかと思い、1枚保有継続です。
引用元:サラリーマンごろりの株主優待日記
成長期待はなく、株主還元が注目されるという指摘です。
当社は急成長が見込みにくく、立地以外のシナジーが薄い
事業に積極的に手を出しているため、利益成長は期待薄かと思われます。
この場合、自ずと株主還元が注目されます
引用元:なちゅの市川綜合研究所
注目されていた株主還元については、2018年11月期には、配当据置ながらも自社株買いを実行しており、ROEや総還元性向の向上が意識されています。
足許ではROEの7%基準を意識しだしたのか、急に上期末にかけ12億円(1.36%)の自社株買いに着手しており、ROEを引き上げにかかっています。そのため今期の理論上の総還元性向は53%程度になる見通しであり、高還元銘柄へと変貌出来るか注目したいとことです
引用元:なちゅの市川綜合研究所