日本精化(4362)

日本精化は、樟脳・脂肪酸誘導体で高シェア、芳香防臭剤・医薬原料が成長。家庭用製品も。不動産事業併営。

株主優待は自社子会社商品です。

日本精化の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。

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創立100周年を迎えた化学メーカー

事業内容

日本精化は、1918年に神戸市で創立された日本樟脳株式会社が大元であり、2018年に創立100周年を迎えました。現在でも樟脳で高シェアを持っています。

樟脳とは、クスノキやマツの精油から得られる物質で、血行促進作用・鎮痛作用・消炎作用・清涼感を与える作用があるため、かゆみどめ、リップクリーム、湿布薬などの医薬品の成分として使われています。

樟脳を含めて、医薬・農薬・写真薬を中心としたファインケミカル製品の開発・販売を行う精密化学品事業が日本精化のメイン事業です。その他、工業用化学品事業、香粧品事業も行っています。

非常に高い技術で安定業績を叩き出しながらも、WEBサイト(→Nippon Fine Chemical)を見ても分かるように旧態依然とした会社のイメージが拭えません。

インフルエンザ関連銘柄

子会社のアルボース社が家庭用の消毒剤やハンドソープ、うがい薬を手がけているため、インフルエンザの流行などによって、関連銘柄として物色されることがあります。

毎回の優待品供給元でもある子会社のアルボース社が家庭用の手指消毒剤やハンドソープ、うがい薬を手がけている関係もあって、インフルエンザの流行や多剤耐性菌の出現が大きな社会的ニュースになるとたまに株価が吹き上がります。

引用元:みきまるの優待バリュー株日誌

とはいえ、株価が数十%上がるような高騰を演じることは少なく、材料株に分類するほどでは無いと思われます。

財務は鉄壁

リーマンショックでも動じない安定業績でキャッシュを稼ぎ続けており、長らく無借金経営が続いています。

2018年3月期にはキャッシュ105億円(cf. 時価総額300億円)を保持し、自己資本比率は78%に達しています。

キャッシュを有り余らせている印象で、増配ペースも遅いことから、株主還元強化が求められそうです。しかしながら創立100周年においては記念配の5円だけの増配に留まっており、翌期には記念配をこなして増配するのか、一時的な記念配だからと総額で減配されるのかに、会社側の株主還元姿勢が表れそうです。

2017年3月期の株主総会にて、配当性向に関する質問が出ましたが、当社の30%というのは平均的なレベルだと回答されたようです。鉄壁の財務状態からするともう少し株主還元に力を入れても良いと思いますが、現状ではあまり期待できません。

●配当性向について。

→当社は30.1%なので、平均的なレベルだと思う。

引用元:ハルクの株主優待&株主総会日記

中期経営計画

日本精化は、2023年3月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画を発表しています。

2023年3月期において、売上高390億円(年率+7%成長)、営業利益39億円(年率+7%成長)を目標値としています。

この成長を実現するために5年間で設備投資100億円を予定していますが、毎期の営業CFで賄える範囲であり、安定成長路線と思われます。

株主優待は自社子会社商品

株主優待は1,000株以上の保有で、3,000円相当の自社子会社商品(除菌洗浄品詰合せ)がもらえます。

100株単位の銘柄ですが、優待は1,000株(10単元)であることに注意です。

2015~2017年の3年間の優待をご紹介されています。

いずれも非常に実用的な内容ですね。投資家として衛生状態を常に良好に保ち、市場で健康に長生きする礎となってくれる素晴らしい優待です。

引用元:みきまるの優待バリュー株日誌

総合評価

業績・CF・財務すべてが安定的です。化学メーカーでありながら、リーマンショック時にも動じない安定感抜群です。

2018年6月時点でPER15.3倍/PBR0.79倍となっています。良好なファンダメンタルズの割にPBR1倍割れに放置されています。

その要因は、WEBサイトの見にくさ、決算説明資料は無し、キャッシュを積み上げていることによる低ROE、株主還元への消極性など、株主への姿勢にあるように思えます。個人投資家からも不人気であるようです。

株主還元の強化や、株主優待の拡充(100株を対象としたり、長期優遇を設定する等)を行えばPBR1倍回復の可能性は高いです。しかしながら、浮動株が少なく、株主還元強化を求める大株主が不在であることから期待薄と思われます。

好財務で魅力的な優待である2点を評価されています。

今は材料の乏しい凪(なぎ)の時期ですが、日本精化は好財務&独自性のある魅力的な優待内容のしっかりとした2本柱が揃った銘柄ですし、依然としてPF上位としてホールドしていける力のある銘柄であると考えています。

引用元:みきまるの優待バリュー株日誌

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