西松屋チェーンは、ベビー・子供衣料と生活雑貨のロードサイド大型店を全国展開。PB商品中心の低価格戦略。
現金が積み上がった好財務企業で、バリュー株として分類しています。株主優待は買物券で、子供を持つ個人投資家には人気です。
西松屋チェーンの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
ロードサイド大型店を全国展開する子供用品店
ガラガラ戦略
西松屋チェーンは『ガラガラ戦略』と呼ばれているユニークな戦略で店舗拡大しています。
お客を集めすぎないようにしており、想定以上に客が入る店舗については、近くに新規出店することで1店舗あたりの客数を分散させています。
これによって、
- 客が買い回りしやすく、客単価をアップさせる
- ローコストオペレーションで費用をかけない
ということが実現でき、更には、商品価格に転嫁して、低価格販売を行うことができるというものです。
PB商品で低価格路線をさらに徹底
昨今では、PB商品を開発・販売し、さらなる低価格販売を徹底おり、これが成長ドライバーとなってきています。
西松屋チェーンは、子供向け衣料品を取り扱うアパレルメーカーです。ロードサイドに大型店舗を構え、PBで低価格路線を徹底し、家族客狙いの展開に特徴があります。
引用元:株主優待?何それ?美味しいの?
無借金経営で財務は安定的
西松屋チェーンは無借金経営を続けており、毎年の黒字が積み上がる形で、財務は非常に安定的です。2017年5月現在でも、時価総額の半分以上の現金を保有しており、その点についてはバリュー株と認識しても良さそうです。
当社は依然として無借金の好財務体質を継続しており、また1年で40億円の
現金を積み上げて、期末の現金同等物は496億円となりました。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
●自己資本比率が6割台で、有利子負債ゼロと、財務面は安定的。
●現在の株価は、PER、PBRからみて、資産面や収益面から割安感はなし。
新たな成長ステージに入れるか?
ここ数年、業績は横ばいとなっており、成長のピークは越えたとみなされていました。
●業績は、ここ数年は、横ばい状況。
●成長のピークは越えた感じで、成長企業としての魅力はなし。
しかし、2017年2月期には33.2%の営業増益を達成し、2018年2月期も10.7%増益を見込むなど、再成長への道が見えてきました。
これは不採算店を閉鎖し、新規出店を行う(スクラップ・アンド・ビルド:S&B)ことによる、採算性向上によるものです。
年間50~60店と再びハイピッチの出店を進めるとともに、
同時に10~15店を閉鎖するS&Bによる採算性向上を図る方針です。さらに
標準店をこれまでの200→300坪に拡大させ、大型店で顧客拡大を図ります。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
さらには、ネットショップが好調であるという指摘もあります。
天候に左右される実店舗より、楽天などネット店に参入し業績が回復中の様子。
DeNAのECショップも育成中
引用元:PONのへそくり投資日誌
中期経営計画
西松屋チェーンは、2023年2月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画を発表しています。
2023年2月期において、売上高1,800億円(年率+6%成長)、経常利益180億円(年率+20%成長)を目標値としています。
店舗数の増加による売上高成長に加えて、PB商品の拡大による利益成長を見込んでいます。
売上はともかく、利益については利益率が5%→10%に倍増するという非常にアグレッシブな目標であるため、全部うまくいった場合の想定と考えた方が良さそうです。
店舗数の拡大による売上増はともかくとしても、経常利益率を5→10%まで引き上げないと目標達成出来ないので、出店もPB開発も“全部うまくいく想定”の計画と思われます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
株主優待は買物券
株主優待は西松屋チェーン店舗で利用でいる買物券です。
年2回(2月8月)貰えることに加えて、3年以上保有で長期優遇(買物券の枚数が加算)もあります。
子供をもつ個人投資家にとっては非常に人気のある優待となっています。
「西松屋チェーン(7545)」の優待券を使用して子供の服や消耗品を購入しました。
引用元:優待時々インコ
娘の好きなイチゴやネコのプリントがしてある子供服などを買いました。
引用元:株式投資を楽しみながらマイペースに資産を増やすブログ
総合評価
安定的な財務基盤と収益性から、優待目的のホールドは全く問題ないと思います。
また、注目すべきは、今後の成長および株主還元策にあります。S&Bとネットショップによる成長により更に収益があがる場合には、積み上がった現金の株主還元も期待されそうです。
2018年5月時点でPER14.6倍/PBR1.35倍となっています。利益成長は信用されておらず、鉄壁の財務によるPBR1倍評価+将来のCF程度の評価に留まっています。株価上昇のためには持続的な利益成長トレンドが起こる必要があると思われます。
安全性が高く評価されており、成長性・収益性については成長過程の段階にあるという評価です。一方で、少子高齢化による市場縮小が懸念点です。
【全体評価】
(S:非常に良い A:やや良い B:普通 C:やや悪い D:非常に悪い)収益性・・・B
成長性・・・B
安全性・・・A
株主還元・・・C
割安感・・・C総合評価・・・B
引用元:株主優待?何それ?美味しいの?
財務安定度の評価が高く、他は普通となっています。
【 きびなごの格付け 】 C
〔A~Eの5段階評価で、Aが最高・Cが普通・Eが最低〕
●業績安定度:C
●財務安定度:A
●配当利回り:C
●割安度:C
バリュー株からグロース株へと評価を変える余地が生まれるとの評価です。2桁成長が達成できればPER10倍台前半にある株価も、PER20倍程度を目指す余地があると思います。
激しいS&Bや、日用品卸のハリマ共和物産(7444)の株式追加取得(5%へ上昇)など、ベビー・子供服のSPAの雄として拡大意欲が再加速しています。今期もまた2桁の利益成長を実現するようなら、バリュー株ではなくグロース株として当社株を評価する余地が生まれると思います。
引用元:なちゅの市川綜合研究所