日成ビルド工業(1916)

日成ビルド工業は、プレハブ建築、立体駐車場の大手総合メーカー。

リーマンショック時には業績が悪化しましたが、2011年の東日本大震災以降は特需を取り込みつつ大きな成長を見せています。それに伴って配当が引き上げられ、本社を置く金沢の特産品を株主優待とし、配当優待銘柄として人気が高まっています。

日成ビルド工業の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。

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変わる日成ビルド工業

景気敏感からの脱却

プレハブ建築の販売・リースを主事業とする日成ビルド工業は、好景気であれば黒字、不景気であれば赤字という景気敏感株でした。

リーマンショック時に赤字となった以降は、リース業やメンテナンスの事業割合を着々と増やしており、景気敏感から脱却して安定的な収益へと転換を図っています。

リーマンショック後の2009年の事業区分と売上比率です。

最後の赤字&無配だった2009年には事業区分と売上げ高全体に占める比率が
・建設事業(プレハブ建築。立体駐車場工事請負)74%。
・リース業(プレハブ建物のリース)19%。
・その他事業(立体駐車場のメンテナンス)7%。
と、あくまで建築工事主体でありメンテナンスはその他扱いだった。

引用元:配当金生活

5年後の2014年にはリース(レンタル)とメンテが増えてきているとの指摘です。

そして2014年が
・システム建築事業が45%。うち販売事業が30%、レンタル事業が15%。
・総合建設事業が35%。
・立体駐車場事業が19%。うち販売事業が12%、メンテナンス事業が5%、運営・管理事業が2%。
となった。
総合建設を除くと、レンタルで23%、メンテ運営管理で11%。

引用元:配当金生活

さらに、2012年頃からは運用・メンテのストックビジネスが強化する志向と、実際にM&Aや業務提携によって事業体制を構築していることも指摘しています。

2012年頃から日成ビルド工業は、単純な建設業から脱却して、
「土地開発」⇒「建設」⇒「運用」⇒「FM・メンテ」⇒「リニューアル」
のワンストップソリューションを志向している。(FMはファシリティ・マネジメントの略)
もしこの流れが順調に進めば、嫌でも運用・メンテのストックは蓄積される。

引用元:配当金生活

震災リスクへのヘッジ

2011年の東日本大震災において甚大な被害を受けた日本株ですが、日成ビルド工業はプレハブ特需により暴騰しました。

日本にいる以上、震災リスクは常に存在するものであり、そのヘッジとして日成ビルド工業を保有するという考えがあります。

株価が280円ぐらいなので、配当利回り4.2%。
前述の地震リスクヘッジ用途も含めて考えればもう充分と思って、

引用元:配当金生活

俺が日成ビルド工業の株をホールドしている一番の理由は、日本で何かしらの災害が発生したときのヘッジのためです。東日本大震災のときの株価の推移を見ると、日成ビルド工業は大きく騰がっているので。震災や疾病などを考えて株式を買うというのは気後れする部分もあります。が、株式市場からの退場を避けるため、色々考えて手を打っていくつもりです。

引用元:kabueye blog

指標的には割安感が続く

建設業ということでPER/PBRは割安な傾向があります。その一方で配当を引き上げているため配当利回りは3%を超えており、配当と優待に着目した個人投資家の買いが見られます。

「日成ビルドは成長力が高いし、ファンダメンタルズも良好だし、総合利回りも十分出ているし、この位置は優待族的には間違いなく安いな。」と感じてちびちびと買い増ししたため、今回PF最上位の一角に顔を出してきました。

引用元:みきまるの優待バリュー株日誌

今後の業績も堅調か?

今後の業績についても安定的に推移する見込みがあります。

最新の決算短信をみてみましたら
『未成工事支出金』が大幅にふえていますので業績としてはまだ安定して成長していきそうです。

引用元:Kabu Berry ※最新=2017年3月期3Q決算

安定的な業績に変化してきたとはいえ、完全に脱却したわけではありません。まだまだ主事業であるのはプレハブ建設・販売ですので、景気変動の影響については、以前よりは小さいものの受けざるを得ないと考えるのが良さそうです。

とはいうものの、プレハブだけで建築ということは基本ないですので景気が悪くなりそうになった時は→工事がなくなる→プレハブ需要がなくなる。と真っ先に影響がでるのも日成ビルド工業かと思います。今はその心配はなさそうですが注目していてもよさそうな気もします。

引用元:Kabu Berry

株主優待は金沢特産品

配当と並んで魅力的なのが株主優待です。

日成ビルド工業の株主優待は、本社を置く金沢市の名産品です。保有株式数に応じて、カタログの中から好きなものを選べる形式です。

本社のある石川県金沢市の名産品を中心としたカタログの中から一つ選ぶことができます。私は5000株保有しているので能登牛、能登豚みそ漬けセットを選びました。

引用元:おらんげんの投資ノート

日成ビルド工業が保有する株式

日成ビルド工業は業務提携のため、他の上場企業の株式を保有しています。

  • パラカ:16.9%(時間貸し駐車場運営・管理)
  • 日本エスコン:9.2%(総合不動産)

どちらも業務が関連しているので、株を買いつつ業務提携で業績を拡大していこうという意図だと思いますが、友好的かつ効率的な方法なのかは一考の余地があります。

また、これらの会社の業績によっては株価下落=有価証券の含み損が発生することもリスクとして頭の隅には置いておく必要がありそうです。

パラカの企業分析において、日成ビルド工業による株買付けを気にかける意見もあります。

日成ビルド工業(1916)が当社株を昨年末にかけて16.9%まで大量に買い進めており、当社はこの買い占めをけん制してなのか、ここ数年10%を少し上回る
程度に過ぎなかった配当性向を24%程度まで一気に引き上げました。

引用元:なちゅの市川綜合研究所 ※当社=パラカ

大量保有報告書を見る限り、日成ビルドは今年は当社株の買い増し
を行っていませんが、同じ不動産業である日本エスコン(8892)の株
を10%近く握っていることもあり、色々企んでいる感じが満載です。

引用元:なちゅの市川綜合研究所 ※当社=パラカ

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