岡部は、建設向け仮設・型枠、構造機材が柱。米国でも建材販売。海外で自動車バッテリー部品事業を展開。
ホテル事業を売却したことで財務が健全化し、PBRは1倍程度と割安感が出てきましたので、バリュー株に分類しています。また、配当優待利回りも高めで、6月12月に株主優待があります。
岡部の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
建設関連製品がコア、自動車関連製品が準コア
事業内容
岡部は、建設関連製品をコア事業としており、自動車関連製品を準コア事業としています。
その他にもホテル事業(売上比率8%程度)を行っていましたが、2016年に事業売却しています。
建設関連製品
売上比率75%を占めるコア事業です。
仮設・型枠製品、土木製品、構造機材製品、建材商品等を販売しています。
自動車関連製品
売上比率15%を占める準コア事業です。
主力はバッテリー端子製品であり、北米や欧州等、世界30ヵ国以上に販売しています。
ノンコアのホテル事業は売却し、財務健全化が進む
岡部はもともと好財務でしたが、2016年9月にノンコアのホテル事業を売却したことで、特別利益を計上し、財務の健全化が進みました。
2017年現在では、借入金よりも現金の方が大きく、実質無借金経営となっています。自己資本比率は60%を超えてきました。
●自己資本比率が5割台で、「現金等>有利子負債」と、財務面は安定的。
中期経営計画
コア・準コアに注力
岡部は2017年で創業100年を迎えます。次の100年に向けた最初の1歩として、中期3ヵ年経営計画を発表しています。
そこでは、コア事業である建設関連製品と、準コア事業である自動車関連製品へと経営資源を集中することを掲げています。
数値的な目標としては、2019年12月期において、売上720億円(年率+4%成長)、経常利益70億円(年率+7%成長)としています。
業績は好調で、中期3ヵ年経営計画でもさらなる増収増益を見込んでいますが、シクリカルな銘柄ですので、景気悪化時には中期計画の達成は困難になると思われます。
●業績は、ここ数年は好調で、増収増益が続く。
●建設向け資材や自動車部品が主力のため景気変動の影響を受けやすい。
●景気悪化時には業績変動に超注意。
1年で下方修正
初年度となる2017年12月期に減収減益で躓いたため、中期経営計画は1年で下方修正に追い込まれています。
2019年12月期において、売上720億円→650億円(年率+1%成長)、経常利益70億円→59億円(年率+2%成長)へと修正しています。
鋼材価格や原材料価格の上昇によってコストが上昇したと指摘されています。
建設関連製品事業は増収増益を確保も、鋼材価格の上昇を価格転嫁できず計画比は未達でした。
自動車関連製品事業は原材料価格の上昇等により減益、計画未達となっています。
引用元:RYUの投資日記
株主優待はクオカード
12月と6月に保有株式数に応じてクオカードが貰えます。
100株では500円相当×2回となり、優待利回りは1%程度となっています。配当利回りと合わせると4%程度になるため、個人投資家から一定の人気があります。
クオカードはオリジナルデザインになっており、2016年6月分は、化粧品事業の広告をかねたものでした。
畑違いの化粧品事業の参入に驚きの声もあがっています。中期経営計画では、コア・準コアに注力としているので、化粧品事業の参入・推進は足並みが揃っていないように思えてしまいます。
カードに印刷されてる海と人の顔のアップの写真は、
岡部が開発してる海洋美容成分からとれる美容導入液の広告みたいです。
引用元:アラサーリーマンの長期投資日記
年2回の優待は嬉しいと評価されています。
12月分のクオカードが来たと思ったら、もうすぐ6月にも優待があります。
やはり年2回の優待は嬉しいです。
引用元:大好き! 株主優待
総合評価
2018年6月時点の総合評価
中期経営計画をわずか1年で下方修正したのは残念感があるとともに、それくらいに業績を予想するのが困難であると吐露しているわけで、まとまった金額の投資を行うのは難しいと言わざるを得ません。
PER13.9倍/PBR0.92倍となっています。
PBR1倍割れであれば指標的な割安感があり、優待・配当を目的として100株を長期保有するには悪くないと思われます。
2017年4月時点の総合評価
ホテル事業の売却により財務健全化が進み、ここ数年の業績の伸びから、PBR/PER等の指標的には割安感が出てきています。また、配当優待利回りで4%を超える水準にありますので、配当優待を目的とすれば投資妙味がありそうです。
個人投資家ブログの総合評価
指標的にまずまずで配当・優待利回りも十分と評価されています。
岡部は指標的にもまずまずですし、十分な総合利回りも出ていますし、PF下位としてはとても良い銘柄であると評価しています。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
一方で、業績の行方は景気次第なところは否めません。業績安定度を考えると大きな投資は行いにくいと思います。
【 きびなごの格付け 】 C
〔A~Eの5段階評価で、Aが最高・Cが普通・Eが最低〕
●業績安定度:C
●財務安定度:C
●配当利回り:C
●割安度:C
すべて平均的な評価となっています。100株のみホールドするのは利回りもよく安心できると評価されています。
- 株価(1,047円)★★★☆☆:1,000円前後で推移
- 配当金(2.48%)★★★☆☆:まあまあ良い
- 優待内容 ★★★☆☆:100株で十分
- 参考指標:PER 14.1倍、PBR 0.9倍
- 総合得点(15点満点):9点
※ データは2018年4月11日終値時のものです