オリックスは、国内首位の総合リース会社。事業の多角化および海外展開を進めています。積極的にM&Aも行っており、有望分野に投資するファンドという見方もできます。
他のリース会社と同様に株主還元に積極的であり、配当と優待を合わせた利回りは魅力的であるため配当優待株に分類します。
オリックスの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
オリックスの事業範囲
オリックスほど事業が広範囲に及ぶ企業も珍しいと思います。このような事業の多角化を、挑戦的であり分散投資できているというメリットとして受け取るか、どんな事業をやっているか理解が難解であり手に負えないというデメリットとして受け取るか、は迷うところです。
事業の多角化について
一言でいえば、「金融分野から非金融分野へ」というのが、オリックスの事業多角化のテーマです。レンタカーやカーシェアリングのような一般消費者に見える事業もありますし、発電事業やM&A、出資など我々には見えにくい事業もあります。
カーシェアリングに乗り出していることは知っていましたが、関西国際空港と大阪国際空港の運営、インドでの風力発電事業への参入、動物用ワクチンの国内最大手メーカー「京都微研」への出資、宅配天然水製造・販売大手のコスモライフへの投資、3Dプリンターを活用した造形受託サービスの開始、東京都立川市の市内の事業系一般廃棄物の処理受託事業の開始など、様々な事業に展開しています。
発電事業に関しては、メガソーラーへ投資しており、発電量・稼働量が大きくなってきています。会社側のアナウンスによれば膨大な含み益を有していると想定されています。
メガソーラー等の環境分野に900億円を投じ、3月末時点の発電量は990MW、そのうち稼働量も570MWに達しています。特に当社はFIT開始後すぐに案件を確保しているため、会社側のアナウンスによれば膨大な含み益を有していると推察され、益出しだけである程度調整できそうです。
引用元:なちゅの市川綜合研究所 ※FIT=固定価格買取制度
業績拡大が続く
2017年においては、この多角化が上手くいっているようで、業績拡大が続いています。もともとのリース事業・金融事業では景気変動に大きく影響される訳ですが、今後は景気変動の影響を小さく抑えられるのではと期待する声もあります。
この経営方針で売上・利益とも伸ばしていけるならば、事業ポートフォリオが広いので景気の波に対しても耐性が高いと思われます。今のところどの事業も収益事業として成り立っているようです。
一方で、一般的にはオリックスの事業全体を把握することは困難でしょう。分からないものには投資しないというルールを持つ個人投資家にとっては手が出しづらい企業であることも確かです。
ブログを書いても「オリックスは何で儲けているの?」という問いには調べてもうまく答えられる自信がないのでした。。
引用元:Kabu Berry
株主還元には積極的
リース会社の特徴として株主還元に積極的であることがあげられます。オリックスも増配を続けており、株主優待も拡充したことで、個人投資家の注目を集めることになりました。
株主優待の拡充
2015年に株主優待の拡充を発表しました。ネーミングの理由がよく分かりませんが、ふるさと優待という、ギフトカタログのオリジナル版が貰えるようになりました。
100株以上保有で、5,000円相当(3年未満)、10,000円相当(3年以上)という非常に魅力的な優待利回りです。しかも、9月3月の年2回です。配当・優待を重視する個人投資家は飛びつく水準でした。
優待は100株保有で年2回株主優待カード(0円換算)だったのですが、2月26日、 「ふるさと優待」 というふるさと納税と非常に間違いやすい謎のネーミングで、5000円相当の名産品優待の追加が発表されました。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
ギフト5,000円相当が貰えるということで、はっきりいって非常に魅力的です。
株主優待の内容
100株以上保有で、5,000円相当(3年未満)、10,000円相当(3年以上)の株主優待の中身はどのようなものかというと、きびなごさんのブログで写真付きで詳しい説明があります。
どれもこれも非常に魅力的な品物だと思います。
今回初めて、ふるさと優待のカタログが届いたのですが、本当に素晴しすぎます。
そこで、オリックスが選ぶ日本の名産品、全39品を紹介します。
総合評価
優待の良さは評判が高く、100株保有で3年以上の長期保有を目指すというのは良さそうです。
一方で、オリックスの収益の成長力に賭ける投資という点では評価が分かれている印象です。成長力を認めている意見もあれば、事業が広範囲過ぎて手に負えないという意見もあります。
また、優待だけを狙うのであれば、オリックスは大型株で逆日歩が付きにくい傾向であるため、クロス取引による優待取得だけを行うというのも一手ではないでしょうか。
個人投資家ブログの総合評価は以下の通りです。
リース会社には8424芙蓉総合リース、8425興銀リース、8439東京センチュリーリース、8566リコーリース、8793NECキャピタルソリューションなど、指標的に割安で更に優待内容も良い銘柄がたくさんある訳ですが、オリックスはそのリース各社の中でも飛び抜けて良い銘柄であると思います。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
【 きびなごの格付け 】 C
〔A~Eの5段階評価で、Aが最高・Cが普通・Eが最低〕
・業績安定度:C
・財務安定度:D
・配当利回り:B
・割安感:C
当社は予想開示がなく、非定常項目が多い事実上の投資会社のため、中長期業績の見通しは難しいものの、会社側姿勢は強気であり、諸案件の含み益が豊富なことから、向こう3期程度は均して2桁成長は可能であるとみております。また、今期の中間で新たな中計ガイダンスがなされる見込みであり、配当性向25%の引き上げといった資本政策等も含め、非常に注目されるところであります。
引用元:なちゅの市川綜合研究所