フィル・カンパニーは、時間貸し駐車場の地主に対して上部空間を貸店舗建設などを企画提案する建設会社。設計・施工子会社も擁している。
2016年にマザーズに上場。高PBR・高PERながら成長期待が続いており、グロース株として分類しました。
フィル・カンパニーの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
2016年11月にマザーズ上場
公開価格の3倍の初値をつける
公募価格1,310円に対して、上場1日目は初値がつかず、上場2日目にして4,000円の初値をつけました。公募価格の3.05倍と高評価のスタートとなりました。
事業モデル
フィル・カンパニーの事業モデルは、コインパーキング(時間貸し駐車場)に対して、2階部分を空中店舗とする建物の企画・提案するものです。駐車場の上に貸し店舗を作ることで、地主はより高い収入を得ることができます。
コインパーキングといえば、タイムズを運営するパーク24を思い起こしますが、タイムズが次々と駐車場を開発・提供しているように、駐車場はどんどん増えています。それに比べるとフィル・カンパニーの手がける空中店舗はまだ少なく、拡大の余地があるとされています。
事業モデルや実際の店舗はこちらのブログが詳しいです。
このデザインは普通のビルよりもおしゃれだと思いますのでテナントとして強そうですし
資本の回収も早期にできそうですので土地持ちには強い味方ですね
引用元:Kabu Berry
一方で、成長力への懸念も提示されています。コインパーキングの上に店舗を作るというのは土地の節約・土地の価値最大化であるわけですが、そのようなことを考えるのは大都市に限るのではないかということです。
◆地価が安い大都会でない場所◆
でしたら、フィルカンパニーでパーキングスペースをつくるより隣の土地を借りて駐車場を作ったほうが早く済みますし余分なお金も必要いりません。
引用元:Kabu Berry
また、1階が駐車場、2階が店舗というのは珍しい建築ではなく、これまでに前例がいくつもあります。特に郊外の飲食店などで見たことがある方も多いのではないでしょうか。
もう一つが空中店舗を創れるのはフィルカンパニーのみではない。ということです。
フィルカンパニーの建物を見て真っ先に思いついたのが郊外型のスシローです。
引用元:Kabu Berry
立会外分売を実施
2017年2月、株価が上がり、初値を超えてきたところで、立会外分売が発表されました。
狙いは昇格?
実施目的は株式の流動性の向上及び株主数増加を図るためということで、マザーズからの昇格を目指しているのかもしれません。不動産業ということもあり、東証1部上場という信用力は事業にもプラスに働くと思います。
東証2部は現状でも行けそうですが、1部にはまだ足りないようです。
売り上げも上がっていて順調に成長しているように見えます。市場替えも2部へでしたら条件も満たせていそうです。
東証2部であれば既に基準を満たしているのでいつでも市場変更ができそうだが、1部には株主数と流通株式数要件、利益合計額要件が不足しているためまだ厳しそう。
引用元:立会外分売研究所
成長力が株価を正当化するか?
立会外分売に対するスタンスとしては、スルーという評価が多かったようです。
株価が割高な位置にある以上、これを正当化するほど成長ができるのかがポイントとなります。一定の成長力は認めつつも、ここから買い進めるほどの大きな成長力はなさそうだという意見が散見されました。
都心中心ですが、老朽化しているビルや狭小土地なども多く伸長余地はそれなりにありそうです。不動産事業は供給過多懸念が付きまとっていますので注意は必要です。
引用元:ミドル投資ブログ
PER59.3倍、PBR14.6倍の株価はかなり割高に見える。
配当は無配で株主優待もなく、株主還元に乏しい。
株価は上場後の初値を付けてからは一時2700円台まで下落していたが、現在は3700円前後まで下値を切り上げている。
ファンダ的にはこの水準からは買いづらく、グロース的にもそれほどの成長株というわけでもなさそう。
引用元:立会外分売研究所