ポケットカードは、SMBC系クレジットカード中堅。伊藤忠、ファミリーマートと提携。ファミマTカードに注力。
株主優待はクオカードで、優待目的の個人投資家から人気が高いです。銘柄分析をされているブログは少ないですが、意欲的な中期計画の達成へ向けて進んでいます。
ポケットカードの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
ファミマTカードが命運を握るクレカ事業者
SMBC系クレジットカード中堅ながら本当の筆頭株主は伊藤忠&ファミマ
ポケットカードは三井住友銀行が35%の筆頭株主となっているクレジットカード事業者です。
しかしながら注目すべき点は、伊藤忠商事が26.6%、ユニーファミマHDが14.7%の大株主であり、合計すると41.3%となります。そのため、SMBC系とは言いながらも、本当の筆頭株主は伊藤忠商事&ユニーファミマとも言えます。
※ユニーファミマの筆頭株主は伊藤忠商事のため連携して動くことは必然。
この株主関係が効いてくるのが、ファミマとユニーの統合であり、サークルKサンクスのファミマ統合です。
これにより、ポケットカードの主事業であるファミマTカードの獲得余地が広がりました。
ファミマとユニーの経営統合であり、サークルK・サンクスの屋号が廃止され、ファミマに一本化されることで、ハウスカード獲得の余地が一気に広がりました。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
ファミマTカードが事業の過半を占める
ポケットカードは、P-oneカードやZOZOCARDなどの多くのクレジットカードを運営していますが、主力はファミマTカードです。
会員数や新規獲得件数ではファミマTカードが過半を占めている状況であり、収益の柱となっているリボ残高も60%を超えています。
ファミマTカードの新規会員獲得と、そのカードを使ったリボ払いの収益によって、好業績を叩き出しています。
ファミマTカードの新規会員獲得が続くほか、ショッピングリボに関しては順調に債権残高が積上がっているため、ストック的に収益寄与します。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
利息返還金と債務放棄コストが漸減
クレジットカード事業におけるコストとしては、過払い金請求で有名な利息返還金と、回収不能となった債権があります。
これらの合計コストは、2015年2月期は50億円、2016年2月期は49億円、2017年2月期は48億円と、徐々にではありますが下がってきています。
加えて、低金利化にある現在は調達金利も低下しており、コスト削減が見込まれます。
今期も利息返還関連費用(引当金繰入+利息返還金)で50億円弱が
かかる見通しですが、この費用は漸減していく公算です。これにくわえて、
貸出原資となる調達金利が0.68→0.57%(▲11bps./調達総額は1704億円)
前の期にさらに良化しているため、金融費用も通期で圧縮されます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
意欲的な中期計画
2019年2月期を最終年度とする3年間の中期計画を発表しています。
2019年2月期において、売上金400億円、経常利益80億円と、年率27%もの成長を見込んでいます。
ファミマTカードの伸びによる売上・利益の押し上げ、利息返還金と債権放棄コストの減少による利益の押し上げが寄与する見込みです。
非常に意欲的な中計かと思われましたが、初年度の2017年2月期は順調に通過し、2018年2月期の利益予想も中計に向かっていることが明確となるものでした。
中計の達成確度は高めであると評価されています。
最終的に売上高400億円、経常利益80億円(CAGR27%)と野心的な数値を置いていますが、初年度はかなり順調に通過しました。当初、利息返還と債権放棄
の減少により、売上に比べ、利益の鋭角的な伸長を目論んでいましたが、
既述のサークルKの合併特需により、トップライン段階から上乗せが期待
出来る展開となっていますので、本中計は確度高めと見て良さそうです。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
気になるニュースも
ファミマTカードについて気になるニュースが2017年6月に出てきています。
それは伊藤忠商事社長が、Tポイントは利益流出が大きく、独自のポイント制度を検討しているというものです。
ファミマTカードが廃止される場合は、ポケットカードの業績に悪影響が出る懸念があります。
一方で、新しいポイント制度のクレジットカードへ切り替えたとしても、それを担当するのはポケットカードでしょうし、切り替え特需が発生する可能性もあります。
株主優待はクオカード
株主優待は保有株式数に応じてクオカードが貰えます。
過去には、クレジットカードを作成してポイントを貰う(現金化もできる)という手間がありましたが、2016年にクオカードへと変更されました。
今まではクレジットカードを作ってからのポイントがもらえるという優待だったんですが、今回からQUOカードです。
優待もらうためのクレジットカードイエローを作ったのですが、なんかちゃっちいクレジットカードで一度も使うことはなかったなぁ(笑)
ポイントは現金にもできるのでお得だったのですが、QUOカードなら有効期限もないし手続きもしなくてすむので最初からこれでよかった!?
引用元:株主優待おデブ日記
株主優待のクオカードは、100株が最も利回りが良いですが、200株でも見劣りしませんので200株保有の個人投資家も多いようです。
100株が最も還元率が高いですけれども、200株もバリューが高いです。
引用元:The Goal
総合評価
配当優待利回りは高くはないものの、クオカードが貰える優待ということで、個人投資家に人気が高く、100株または200株をホールドするには全く問題ないと思います。
中期計画の通りに利益成長が見込めるのであれば株価は割安感があります。
また、利益成長があれば配当性向の引き上げによって、株主還元が強化されると推察されています。
今期の配当予想はなお10円ですが、上記中計が計画通りに推移すれば、
2019年2月期のPERは10倍フラットとなり、配当性向も10%台にまで落ちる
ので、配当性向切上と利益成長により増配圧力が高まると推察されます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所