ライドオン・エクスプレスは、『銀のさら』『釜寅』など調理済み食材宅配事業を全国展開。通販、小売りなど新業態も検討。
宅配事業から宅配プラットフォーム事業へと転換している最中で、現状では成長力は見えません。株主優待は自社サービスで使える優待券です。
ライドオン・エクスプレスの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
直営とフランチャイズで食事を宅配
寿司や釜飯の宅配事業を展開
『銀のさら』が最も有名だと思いますが、ライドオン・エクスプレスは寿司や釜飯の宅配事業を展開しています。
自宅の郵便受けに『銀のさら』や『釜寅』のチラシがまとめて入っていることも多いのではないでしょうか?どちらのブランドもシェアNo.1となっています。
宅配事業は顧客の来店がないため、店舗では調理に専念できます。そこで複数ブランドを1つの店舗に入れ込む複合化戦略を進めています。
宅配事業は顧客の来店を想定していないため、物件取得費等が抑えられるといったメリットがあります。同一拠点に「銀のさら」と「釜寅」の両方を出店する複合化戦略を進めています。
引用元:The Goal
直営店だけでなく、フランチャイズでも店舗拡大
ライドオン・エクスプレスでは直営店もありますが、大部分はフランチャイズ店で拡大してきました。2017年3月期末で、直営店233店舗(94拠点)、フランチャイズ店500店舗(277拠点)となっています。
フランチャイズ店舗は低リスクでロイヤルティ収入を得ることができます。
フランチャイズ店舗では、加盟企業に対してフランチャイズ契約に基づき、商標および運営ノウハウの提供・食材等の販売を行い、対価としてロイヤルティ収入・加盟金収入・食材販売収入等を得ています。
引用元:The Goal
成長停滞リスク①:フランチャイズ店が増えない
2016年初に上場来高値を付けたあと、2017年5月現在まで株価は右肩下がりとなっており、1/3近くまで下がっています。
これについて、フランチャイズ店の拡大が停滞が原因であるとの指摘があります。
なぜかと考えた時にフランチャイズが全く増えていないことがあげられます。
引用元:Kabu Berry
フランチャイズが増えない要因として、契約にあたっての初期費用の高さをあげています。
フランチャイズ契約で内装とかそんなにいらないのにもかかわらず初めに2000万円費用として取られてしまうのは
少し敷居が高くなってしまっている証拠なのではないかと思うのです。
引用元:Kabu Berry
成長停滞リスク②:新ブランド『すし上等!』
ライドオン・エクスプレスの寿司ブランド『銀のさら』は有名ですが、ここに来て、第2の寿司ブランドとして『すし上等!』を開始しました。
『すし上等!』は『銀のさら』より低価格でクオリティはそのままと謳っています。これについて疑問を呈しています。
僕は正直言いますと「すし上等」の説明に対してまして少し疑問を持っています。
それは「クオリティーがそのままで値段だけ安くすることは外食業界において可能なのか。」ということです。
引用元:Kabu Berry
『銀のさら』は成長するのか?したとしても『銀のさら』と競合してしまわないのか?という疑問があり、同じ寿司というジャンルで2ブランドにした戦略に納得感がありません。
上記のようなリスクが見える宅配事業ですが、2017年5月に発表された新中期経営計画では今後の成長について別の方向性が見えてきました。
中期経営計画『GRIP2020』
株価が停滞して迎えた2017年3月期の決算発表にて、新中期経営計画『GRIP2020』を発表しました。⇛GRIP2020リンク(PDF)
『GRIP2020』では、宅配代行サービス(ファインダイン)の強化を掲げています。ファインダインは、デリバリー機能を持たない人気レストランに代わってデリバリーサービスを担うというもので、UberEATSのプロデリバリー版とでも言えそうサービスです。
⇛ファインダイン公式Webサイト
ファインダインのKPIとなっているのは提携レストラン数です。
2018年3月期と2019年3月期を投資フェーズと位置付けており、提携レストラン数を倍増させ、売上は拡大するものの、経常利益は据え置きとなっています。
2020年3月期を成長フェーズと位置付けており、提携レストラン数を2,000店(2017年3月期で368店)にまで拡大し、経常利益15億円(2017年3月期で11億円)を掲げています。
宅配事業から、宅配プラットフォーム事業へと転換することが明確になった中期経営計画だと思います。一方で、中期経営計画の通りにサービスが拡大できるかはまだ不明瞭であり、成長経過を見守る必要がありそうです。
最終年度にグッと利益が伸びる計画であるため、信頼度は微妙だと指摘されています。
3年に均せば利益変化率こそ年間2桁となりますが、今期も来期も経常利益は10億円予想で、最終年度にグッと伸びる闇鍋型の偏重計画ですので、信頼度は微妙です。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
株主優待は優待券
株式分割するも優待は据え置きで実質倍増!
2015年3月末に1対2で株式分割を行いましたが、株主優待制度は据え置きであったため、実質的に倍増することになりました。このときの株主優待は100株以上で5,000円の優待券という太っ腹なものでした。
株式分割後も株主優待は維持されます。株式分割後は株価が変わらなかったら株主優待利回りが2倍になるので、実質的な株主優待の改善です。
引用元:The Goal
個人投資家からの支持も厚く、5,000円の優待券は使いにくいので、2,500円×2回にしてほしいという要望も出ていました。
前のブログと同じ主張ですが、優待は5000円の食事券なんですが、1枚なんで使いにくいんですよね。
株主優待も金額はそのままでいいので、年に1回ではなく、2500円×2回にして欲しいなあと。
まさかの優待半額に
2017年11月に優待が改悪され、100株以上で2,500円の優待券となってしまいました。
上げてから落とすので不満が噴出したわけで、株式分割時に同じように優待も半額にしておけば、ここまでの不満は出なかったのではないかと思います。
優待が100株保有で5000円相当の優待券から2500円相当へと減額され株価は暴落、私は含み損を抱え、冴えない気分で毎日を過ごすこととなりました。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
総合評価
宅配事業は店舗数が停滞し、成長鈍化が避けられそうにありません。
そこで、宅配事業から宅配プラットフォーム事業へと成長ドライバーを転換することを明確にしたのが新中期経営計画『GRIP2020』でした。
今後は『GRIP2020』の通りに提携レストラン数が増え、売上を増やしていけるかを見守る必要があります。
そして、宅配プラットフォーム事業の成長が見込めるかどうかが投資のポイントとなります。