サンセイランディック(3277)

サンセイランディックは、権利関係が複雑な不動産を買い取り、関係調整したうえで再販。戸建て建築、不動産仲介も併営。

安定成長を続けてはいますが、ビジネスがフロー型(売り切り型)であることが気がかりで、クオーター毎の業績にはバラツキがあります。株主優待の「パンの缶詰」が人気であるため、配当優待株として分類します。

サンセイランディックの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。

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底地の権利調整のビジネスが主力

面倒で手間のかかるビジネス

サンセイランディックのビジネスの柱は、底地の権利調整です。

面倒で手間がかかる上に、法律や役所への手続きが煩雑で、ノウハウを持っていないと参入できません。そのため現状では目立った競合はエリアリンク1社となっており、競争激化には陥らず安定的な利益が確保できると想定されています。

底地の権利調整という面倒で時間がかかるビジネスを主力とする。競争激化になるシナリオはあまり想定できず安心感がある。

引用元:すぽさん投資ぶろぐ

ただし、手間がかかる労働集約型のビジネスと思われ、成長は穏やかであると想定されています。

成長については相続ニーズの増加が見込め大きな意味では好環境に身を置くが、案件化にエネルギーがかかるためか成長は穏やか(+8%程度が軸)。

引用元:すぽさん投資ぶろぐ

相続ニーズ(権利関係が複雑化しがち)については、サンセイランディックにとって大きなプラス要因とみなす意見が多いです。

実際IRによると、「 案件ベースで(取引の)お話がすごく増えている。 相続税の支払いのために処分されたらどうですか?という金融機関様を通じての紹介が物凄く増えている。具体的に言うと 1年前と較べて1.5倍 になっている。」とのことで、また「取引のお話は増えたが成約数はあまり増えていない。つまり 厳選した仕入れが出来ている。 」という非常に良好な状況です。

引用元:みきまるの優待バリュー株日誌

クオーター単位では業績が安定しない欠点あり

サンセイランディックは、不動産銘柄ということで、仕入れ・販売のフロービジネスになっています。そのため、クオーター毎で業績が変動しやすく、業績を想定しづらいという欠点があります。

サンセイランディックは不動産関連だけあって 過去の業績推移が荒く全く安定していないのが大きな欠点 です。

引用元:みきまるの優待バリュー株日誌  ※2015年12月期3Q決算について

一方で、年次決算で見れば、4Q偏重でありながら、数字は作ってこれる実力があり、2016年12月期も会社予想は達成しました。

売上は未達ながら利益は上振れで着地ということで、
特に4Qの巻き返しが強烈なものとなりました。

元々会社予想達成のためにはそのような計画でしたので、
今4Qもヒヤヒヤものでしたが、
終わってみれば順調な結果となりました。

引用元:中長期投資の練習記録  ※2016年12月期 本決算について

業務提携で

家賃保証や生活サポートのあんど社や、民泊の百戦錬磨社との業務提携を行いました。

これにより、障害者支援や民泊ビジネスに本格参入することとなり、ビジネスの幅が広がったと評価されています。

特に売り物になりずらい再建築不可物件を二束三文で買い叩いて民泊で貸して賃料収入を得たり、(しぶとい賃借人が居座っているような)立ち退き案件も他の部屋の民泊収入でしのいだり出来るようになるので、仕入の幅が格段に広がる点で補完性が強く、非常に有意義な提携と言えます。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

中期経営計画は未達の公算

サンセイランディックは、2017年12月期を最終年度とする3年間の中期経営計画を発表していました。

しかし、実際の2017年12月期の業績予想にあたっては、中期経営計画を大幅に下回るものとなっています。これを受けて、中期経営計画は未達の公算と見られています。

今期は3年中計の最終年度であり、売上高は156億円・経常利益は15.2億円
の「保守的とみられる」定量目標を置いていたものの、今期は期初時点から
大幅に下回る白旗の目標を掲げており、各種マテリアルでも殆ど触れられて
いないことから、未達公算です。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

株主総会でも中期経営計画についての質問が出たそうですが、社長の回答は苦しそうな印象を受けます。

【Q】
今期業績予想は、現中期経営計画の最終年度の目標額と比較すると、
下押しした業績予想となっているが、
これは株主としてどのように捉えたらよいか。

【A】
中計の数値を諦めたわけではなく、ここを目標にやっていることに変わりない。
業績予想はかなり保守的に策定しており、
それを必達しつつ、中計数値達成までをやり遂げられるよう努力していく。

引用元:中長期投資の練習記録

割安放置株として

サンセイランディックは確かにクオーター毎に見れば不安定ですが、年次でみれば安定的な成長を続けています。

にも関わらず、株価は万年割安に放置されている状況です。上記のすぽさんブログでは具体的な理由・リスクについて語られませんでしたが、その要因の1つとしては、以下のブログの指摘があります。

当社株がバリュートラップになりやすいのは、地上げという事業
特性上、”特殊な方面(詳細については言及しない)”とのお付き合いを
避けられない側面があり、当社のような銘柄にはコンプラや内規上、
機関投資家が参戦しずらい・できない面も大きいように思います。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

上記の理由に加えて、株価維持策として、株主優待を設けていることから、サンセイランディックの株価は個人投資家の動向の影響を大きく受けます。

当社は不動産会社ですので、基本は時価総額を上げたい筈ですが、
前述の理由で個人投資家を中心に集金せざるを得ないため、パンの
株主優待の拡充や、イメージキャラクター「底地くん」による個人訴求
施策などを積極的に行っているのは、理解しやすい話であります。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

株主優待は「パンの缶詰」

株主優待は「パンの缶詰」というものです。これはその名の通りパンが缶詰にされていて、13ヶ月という長期保存が可能な食品です。

災害時の非常食としても使えるため、個人投資家には人気のある株主優待となっています。

賞味期限は製造日から13ヵ月と、通常のパンとは比べものにならない長さなので、災害時の非常用食品にも使えそうです。

引用元:株主優待と高配当株を買い続ける株式投資ブログ

「特許製法で作り上げた長期保存可能な柔らかいパン」ということで、常に自分で作っている「災害時の緊急避難用セット」の中にも入れています。

引用元:みきまるの優待バリュー株日誌

総合評価

ニッチでノウハウの必要なビジネスで、安定的な成長を遂げている点は評価が高いです。一方で、高成長とは言いづらいレベルの成長率であること(1桁台)、クオーター毎に業績が大きくブレることが、評価を下げる要因となっている状態です。

また、サンセイランディックの株価としての最大の問題は、割安が解消されるのはいつか?ということにありそうです。中期経営計画が未達であり、機関投資家の買いも期待薄となると、株価を押し上げる力に欠けると思います。

すぽさんブログでは評価3.5としています。業績が株価に織り込まれるのに時間がかかるB→A投資であると考えられています。(すぽさんの投資はA→S投資)

案件の進捗によって売上(利益)がブレがちなのが注意点。株価は安い。評価は3.5。

引用元:すぽさん投資ぶろぐ

きびなごさんのブログでも、業績安定度と割安度の評価は高いです。

【 きびなごの格付け 】 B
〔A~Eの5段階評価で、Aが最高・Cが普通・Eが最低〕
・業績安定度:B
・財務安定度:C
・配当利回り:C
・割安度:B

引用元:株主優待と高配当株を買い続ける株式投資ブログ

みきまるさんのブログでは2016年の主力株の1つとして紹介されています。

サンセイランディックは、

1. 創業39年で一度も赤字の無い手堅い業績

2. ニッチな底地ビジネスでの先駆者かつ業界トップの立ち位置

3. 2015年1月の相続税課税強化による心強い追い風

4. 「国策に売り無し」の中期的視点での確かな成長力

5. マニアックで災害対策としても優れ、また実際に食べてとっても美味しいパンの缶詰優待

6. 愛らしいマスコットキャラクターの底地くん

7. 可愛い底地くんとは裏腹に、「目力MAX」で最高に頼もしい社長さん

引用元:みきまるの優待バリュー株日誌

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