三精テクノロジーズは、舞台設備、遊戯機械大手。テーマパーク、劇場が得意先。財務良好。米国投資ファンドは撤退。
株主優待はありません。
三精テクノロジーズの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
M&Aで成長する遊戯機械・舞台機構の大手
事業内容
三精テクノロジーズは、ジェットコースター等の遊戯機械や、舞台機構、エレベーター等を製造・販売しています。
また、それらの保守サービスも提供しており、全国24時間365日で専門技術スタッフが対応するサービスネットワークを築き上げています。
遊戯機械
ジェットコースター、急流すべり、回転型ライド等の遊戯を有名テーマパークへ納入しています。
富士急ハイランド、ナガシマスパーランド、東京ドームシティアトラクションズなどの国内外のテーマパークへ納入実績があります。
舞台機構
床機構、吊物機構、音響反射板、制御機構などの舞台機構(舞台装置)を有名劇場へ納入しています。
国立劇場やロームシアター京都といった官公庁向け、帝国劇場や歌舞伎座や東急シアターオーブといった民間向けの両方に実績がある他、海外にも納入実績があります。
割安低迷
三精テクノロジーズは、リーマンショック後から5年間に渡って、PBR0.5倍程度の割安のまま低迷していました。
この理由について、三精テクノロジーズとは関係のない遊園地事故と、その後のリーマンショックが原因だと言及されています。
長期低迷は自社とは関係のない遊園地の事故とその余波が収まりもしないうちに発生したリーマンショックが原因です。
M&Aで成長
上記の低迷期からの脱却となったのがM&Aによる成長でした。
- 2014年9月:同業大手の米国S&S社を完全子会社化
- 2018年4月:同業大手のオランダVekomaの完全子会社化
これらによって売上・利益を成長させています。
特に後者のM&Aによって、財務悪化とのれん償却増加が起こったものの、連結によって大幅な増収増益が見込まれており、株価も10年来高値を抜けてきています。
注目の今期予想は大幅な増収増益。子会社化したVekoma社の上乗せが大きいですね。IFRSではないので、113億ほどののれんの償却がアレですが…。
引用元:バネ男の株のアレ。
財務は悪化
長年に渡って実質無借金経営を続けてきましたが、オランダVekomaの完全子会社化により、借入金が増加しています。
2018年3月期において、キャッシュ108億円に対して借入金は200億円ほど、自己資本比率は43%となっています。
これからしばらくは、子会社からの利益も含めてコツコツ借金返済に充てていくフェーズとなりそうです。
M&Aで有利子負債が増えたものの、財務はまずまずだと評価されています。
財務はまずまず。流動比率は200%弱、現預金+売掛金と流動負債がほぼ同額です。直近のM&Aで有利子負債がけっこう増えましたね…。
引用元:バネ男の株のアレ。
中期経営計画
三精テクノロジーズは、2019年3月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画を発表しています。
2019年3月期において、売上高270億円(年率+4%成長)、経常利益27億円(年率+7%成長)を目標値としています。
しかしながら、1年目となる2017年3月期で目標値を達成してしまった上に、オランダVekomaの完全子会社化により大幅な増収増益が見込まれるため、既に形骸化してしまっています。
同時に、経常利益率10%とROE6%という目標値も示していますが、経常利益率10%についてはかなり厳しく、ROE6%については財務悪化により結果的に達成してしまう見込みです。
次期中計と利益率向上が今後の注目点となりそうです。
総合評価
M&Aで成長する遊戯機械・舞台機構の大手です。オランダVekomaの完全子会社化と、それによる大幅な増収増益予想を発表したことによって、2回窓を開けて10年来高値の青天井と化しています。
2018年6月時点でPER11.68倍/PBR1.11倍となっています。もともと割安株であったことと大幅な増収増益のために、株価急上昇した後も指標的な割安感は残ります。
業績的にも株価的にも勢いが出てきましたので、押し目買いが有効となりながら、株価は右肩上がりとなると思われます。東証1部昇格もあれば更に加速しそうです。
IFRSではないため、M&Aによるのれん償却が増えているため利益が抑制されますが、それでもそれなりに出そうと評価されています。
MAでのれん償却が結構増えますが、利益はそれなりに出そう。3月の人型ロボットの開示が結構面白かったですね。こういったユニークな企業は人材確保もほかより優位なのではないかと。好きな企業です(買うとは言っていない))
引用元:バネ男の株のアレ。