千趣会は、『ベルメゾン』展開するカタログ、ネット主体の通販大手。頒布会、店舗に特徴。ブライダル事業も。
株主優待は年2回(6月12月)でカタログ買物券です。1年以上の継続保有で長期優遇もあります。
千趣会の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
業績悪化で無配転落
事業内容
千趣会の基幹ビジネスは、総合通販「ベルメゾン」、花の通販「イイハナ」、ファッションブランド通販「モバコレ」等の通信販売事業です。売上比率は80%を占めており、本事業の良し悪しが全社利益にも直結します。
また、全国に24のゲストハウス式場を運営するブライダル事業も行っています。売上比率は14%となっており、ゲストハウス数、施行件数、売上高のそれぞれを徐々に伸ばしています。
売上比率4%と低いですが、通販事業の経験を活かして、商品開発・受注・物流・システム構成・コールセンター効率化などのコンサル(サポート)として法人事業を行っています。
Jフロントと資本業務提携→解消
2015年、Jフロントリテイリングは千趣会の第三者割当増資の引受と大株主からの取得を合わせて、千趣会の株式の22.62%を取得し、筆頭株主となりました。
PB商品やネットとリアルをあわせたオムニチャネル化を両社で推進していくとされていました。
これを受けて株価は高騰するも、その後は業績悪化から右肩下がりとなっています。
それでもJフロントが筆頭株主というのは安心感があると評価されているコメントもあります。
Jフロントリティングと資本業務提携することになり、Jフロントが22%の株を持っていて安心感もあります。だから買い時なのかもしれません。
しかし、2018年になって、Jフロントリテイリングは千趣会との資本業務提携を解消すると発表されました。千趣会が政府系ファンドを割当先とした第三者割当増資を行って調達した70億円で、Jフロントリテイリングから全株式を買取ることが決まりました。
Jフロントリテイリングは、何も成果を出せないまま、30億円程度(?)を損切りした形となりました。
最終赤字&無配へ転落
2017年12月期については主力の通販事業が大コケの状態であり、営業段階から赤字となりました。それに伴って2015年12月期に大幅減配とはいえ1株8円だった配当がついに廃止(無配)となりました。
業績は最悪で、壊滅的と指摘されています。
業績はというと最悪で、主力の通販が構成比率高い衣料品中心に壊滅的。人件費やカタログ費減では補えず赤字転落。通販事業関連減損約44億円計上。
笑い事ではないのですが、四季報にも「主力の通販が劇的に売れない」と書かれてしまいました。
四季報を見ていて思わず笑ってしまったフレーズがあります。
【無配】主力の通販が劇的に売れない。
…と書いてあります。
この主婦目線のコメントはぐさっと来るのではないでしょうか。ベルメゾンで買い物しなくなった理由を上手く表現されていると思います。
でも、ここ数年「あったらいいな」で買い物することは皆無です。
断捨離の熱病にかかってからのことです。
「なければならない」物しか買わなくなりました。
こういう人が増えると千趣会は痛いと思います。
財務はまだ余裕感
2015年と2017年の最終赤字によって財務が毀損しましたが、2017年12月期においては実質無借金経営であり、自己資本比率46%とまだ余裕感が漂います。
無配としたことや様々なコストカットにより、黒字転換およびFCF創出ができるかどうかが注目されます。
中期経営計画
千趣会は、2020年12月期を最終年度とする4ヵ年の中期経営計画を発表しています。
2020年12月期において、売上1,290億円(年率+0%成長)、営業利益35億円(年率+31%成長)を目標値としています。
売上高はほぼ横ばいですが、営業利益については2017年度に赤字転落した後に、V字回復させる計画です。
初年度となる2017年12月期については、想定を超える赤字を計上しましたが、翌2018年12月期は黒字転換を予想しています。
株主優待はカタログ買物券
株主優待は年2回(6月12月)で、保有株式数に応じてタログ買物券がもらえます。
- 100株以上 1,000円相当
- 300株以上 2,000円相当
- 500株以上 4,000円相当
- 1,000株以上 5,000円相当
また、12月のみ長期優遇の追加分があります。
- 1年以上
- 100株以上 500円相当
- 300株以上 1,000円相当
- 500株以上 1,500円相当
- 1,000株以上 2,000円相当
- 2年以上
- 100株以上 1,000円相当
- 300株以上 1,500円相当
- 500株以上 2,000円相当
- 1,000株以上 3,000円相当
- 3年以上
- 100株以上 1,500円相当
- 300株以上 2,000円相当
- 500株以上 3,000円相当
- 1,000株以上 4,000円相当
100株を3年以上継続保有すると、6月に1,000円分、12月に1,000円分+1,500円分ということで年間で3,500円分となります。
買物券にはコードがついているのでそれを打ち込むだけで簡単に使えるとコメントされています。
買い物時に、お買物券に書かれているコードを打ち込むだけで、簡単に使うことが出来ます。
幅広いジャンルがあるので欲しいものは見つかるとコメントされています。食品やスイーツもあるそうなので優待の持ち腐れにはならないと思われます。
ファッション、ビューティー、家具、キッチン用品など幅広く揃っています。
なので、必ず欲しいものが一つは見つかると思います。
引用元:ASSETRIP
総合評価
業績悪化しており、黒字転換できるのか注目です。
2018年6月時点でPER19.25倍/PBR0.68倍となっています。さらなる赤字継続によって自己資本が毀損されることを想定してPBR1倍割れの評価になっていると思われます。
優待利回りはなかなかで個人投資家にも人気ですが、危険度も高いため、あえて触る必要は無いと思われます。
優待利回りが良いのでA評価されていますが、他はどれも低評価です。
こちらの株を簡単にA~Eの5段階評価でランク分けするとこんな感じです。
利回り A
割安株 C
安全性 C
ROE D
収益性 C