日本エス・エイチ・エル(日本SHL)は、採用や人事評価の診断ツール販売と人事コンサルティングの2本柱。Web版活用で市場拡大。
株主優待はありません。安定成長株かつ2017年9月期で7年連続増配です。
日本SHLの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
盤石の体制で安定成長が続く
事業内容
日本SHLは、イギリスのSHLグループとライセンス契約を結び、人事関連サービスを提供しています。
サービスは大きく分けて3つあります。
- プロダクト・サービス:適正テストと呼ばれる採用に関する試験を販売しています。
- コンサルティング・サービス:人材と職務のマッチングや、人材教育・評価を行っています。
- トレーニング・サービス:企業の人事部門向けのトレーニングを行っています。
主力はプロダクト・サービスで、リクルートの独壇場だった採用試験に関してシェアを奪ってきた歴史があります。
この20年でリクルートのシェアは100%から50%まで低下した。リクルートのシェアを奪ってきたのがSHLであった。
引用元:みんなの運用会議
サービス自体は厳密にはフロー売上になりますが、一度導入して有効性があれば繰り返し使用してもらえるため、ストック要素が強めと指摘されています。
・フロー(ストック要素が強め)
→一度導入して有効性が認められれば、その後繰り返し使用してもらえるため
引用元:みやびの館@株式投資
ライセンス契約の不透明さ
安定成長を続けてきた日本SHLですが、ライセンス契約元が買収される等のライセンス契約の不透明さが指摘されています。
ライセンス契約は更新できているものの、ロイヤリティが値上げされており、利益を圧迫するのではと指摘されています。
旧ライセンス契約から更新はできたようですが、旧ライセンスのロイヤリティが2.5%だったところ、2017年4月以降の5年間の新ライセンスは5%~9%ととなり、利益を圧迫する要因になりそうです(5年後に再更新できるかどうかも懸念材料)。
引用元:日米株での配当金生活を目指して
しかしながら、ロイヤリティの値上げに関しては、販売価格へ転嫁するように動いているようです。競争力が高いため販売へ転嫁できるところも日本SHLの強みです。
ただし、2018年9月期の予算には組み入れられていない状況と言及されています。
親会社へのロイヤリティが2.5%から9%に5年間で上がるので、値上げに動かざるを得なかった。
やはり、取材で明らかになったのは、値上げは予算にいれていない。
引用元:みんなの運用会議
安定成長続く
日本SHLは、高利益率・高ROEを持続させながら、安定成長を続けています。
キャッシュが溢れており、自社株買いや配当で積極的に株主還元を行い、営業利益よりもEPSの成長の方が早いと評価されています。
じみーに成長という言葉がすごく似合う会社。規模の拡大は早くもないけど、利益率も高く堅実に少しずつみたいな。営業利益よりEPSの成長も早く自社株買いもしてる模様だし。
引用元:大河の一滴
財務鉄壁
無借金経営で自己資本比率80%超がずっと継続しており、大きな設備投資も必要ないことから、稼いだキャッシュを株主還元することができています。
財務は盤石であると評価されています。
・自己資本比率は84.3%と盤石。
・現金が流動負債の20倍近くあり、短期的な資金も全く問題なし。
引用元:みやびの館@株式投資
総合評価
高利益率・高ROEから生み出されるキャッシュを積極的に株主還元しており、過去の実績からみれば文句のつけようがない安定成長株です。
ライセンス契約のロイヤリティが気になるところですが、販売価格に転嫁できているようであり、今後の決算でも安定成長できているかを確認する必要がありそうです。
2018年4月時点でPER15.3倍/PBR3倍と、高利益率・高ROEの指標と比べれば割安感があります。知名度のなさからくる不人気さが株価に影響していると思われ、株主優待や昇格などがあれば株価上昇のカタリストとなりそうです。
知名度はなく、出来高が少ないことが不安要素と指摘されていますが、怖いのはブラックスワン(事前に予測できないリスク)しかないと評価されています。
規模と知名度はさすがになくて、大手の動向や出来高なんかに不安要素はあるかもしれないけど、基本的にはブラックスワンくらいしか怖いものないと思うよ。
引用元:大河の一滴
高ROE、高自己資本比率、安定成長を評価されています。
少なくとも過去5年間は売上も営業利益も増加しているし、自己資本率は思わず寝てしまいそうになる88.2%だし、ROEは18.1%だし、ジェレミー・シーゲル氏の言うところの”資本を食う豚” (2)を飼っていないようだし、たしか5年連続増配中であるし、いいんじゃないですか。