東京ボード工業(7815)

東京ボード工業は、 木くずを材料とした建材ボードの製造大手。集合住宅向けが主。首都圏で木質廃棄物処理を独占。

株主優待はありません。

東京ボード工業の概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。

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新工場に投資が吉と出るか

事業内容

東京ボード工業は、木質廃棄物を原料として建材となるパーティクルボードを生産・販売しています。木材のリサイクル企業とも言えます。

パーティクルボードとは、木材やその他の食物繊維質の小片に合成樹脂接着剤を塗布して熱圧成形して作られる板状製品です。

パーティクルボードの生産にあたっては、材料への異物の混入、接着不良、品質の不安定などの諸問題がありました。東京ボード工業はこれらを解決して、日本ではじめての一貫型工場におけるパーティクルボード生産に成功しました。

社運をかけた第2工場新設

2016年3月、第2工場の新設が発表されました。今後の需要に応えるため、新木場工場の既存設備では製造困難な製品の用途開発を進め、多品目を効率よく生産することが可能な最新鋭の設備をもつ工場をつくるとされています。

用地は千葉県佐倉市と決まり、費用は借入金(社債・銀行借入)で賄っています。

減価償却費や立ち上げ費用の負担が重く、2018~2019年3月期の2期連続で営業赤字となる見通しですが、その後は収益に寄与するものと想定されます。(→詳細は中期経営計画を参照)

ただし、まだ先のことになるので、売上増や利益創出については半信半疑で見ておいたほうが無難であるとも指摘されています。

売上増を見込みどおり出せるのか?そしてコストを回収し利益を出せるのか?まだ半信半疑で見てたほうが無難かもしれないね。

引用元:大河の一滴

含み資産銘柄

東京ボード工業は、1984年に新木場へと移転しましたが、その際に取得した新木場の本社・工場は3万平方メートルを超える広大なものであり、その土地・建物は簿価50億円ですが、時価に直せば100億円を超すと見られています。

本業は地味ながら、含み資産銘柄として注目したいとコメントされています。

新木場の本社・工場は3万平方㍍超で簿価50億円弱(1平方㍍16万円)、これを時価に直すと評価益は100億円を超すと見られています。

引用元:割安株投資研究所

財務は急悪化

佐倉工場(第2工場)の新設にあたって膨大な借入金が発生したため、2017年3月期において財務が急悪化しています。

2016年3月期~2017年3月期までの財務状況の推移をまとめてみます。

2016年3月期 2017年3月期 2018年3月期
現金(億円) 19 82 28
借入金(億円) 20 140 151
ネットキャッシュ(億円) △1 △58 △123
自己資本比率(%) 44 21 15
有形固定資産(億円) 73 143 184

2019年3月期も16.5億円の最終赤字を見込んでいることから、自己資本比率は10%を切る水準まで切り下がる可能性があり、危険域に入りそうです。

跳ねる総資産。純資産減少。借入金も跳ねてるね。ということで事業改変で規模は増すも、かけたコストはまだ回収できてない段階と。

引用元:大河の一滴

工場新設にあたっては公募増資をしても良かったのではとも思えますが、2014年12月の上場初値を割る株価水準ではそれはできないという判断なのかもしれません。

それでも、新木場の土地・建物が100億円以上の価値があると見られており、含み資産となっていることから借入金にはまだ困らないと思われます。

中期経営計画

東京ボード工業は、第2工場新設の発表と同時に、2021年3月期を最終年度とする5ヵ年の中期経営計画を発表しました。

ここでは、

  • 2018年3月期に営業赤字(△11.9億円)
  • 2019年3月期に赤字縮小(△2.3億円)
  • 2020年3月期に黒字転換(8.5億円)

が想定されています。

その後、何度かの中期経営計画の修正が行われていますが、2018年6月段階では、

  • 2018年3月期に営業赤字(△7.3億円)
  • 2019年3月期に赤字縮小(△14.5億円)
  • 2020年3月期に黒字転換(9.2億円)

が想定されています。

最終年度となる2021年3月期においては、売上高105億円(年率+13%成長)、営業利益16.1億円(年率+20%成長)を目標値としています。

最終目標は意欲的な成長ですが、途中の2年連続赤字となる時期は不透明感が漂います。

2年も待つのはしんどい、その間に景気やコスト上昇などの変動リスクが大きいのではないかと指摘されています。

・2年間も待つのはしんどい、1年後に買ってもいいのでは?
・シクリカル銘柄なので2年後には景気が悪化していれば業績予想も下方修正されるのでは?
・地味な業種で株主優待がなく、東証2部銘柄で注目されていない。
・材料費や労務費の上昇による利益の下方修正の懸念が残る。

引用元:さーてんぷ.comsearch

総合評価

上場から半値となるまで売り込まれた後、初値付近まで戻してきているV字の株価推移となっています。第2工場の新設、中期経営計画がポジティブに捉えられての株価上昇でしょうか。初値を超えてくると途端に増資リスクが気になります。

2018年6月時点で、赤字予想のためPER算出不可、PBR1.17倍となっています。

中期経営計画の通りに事が運ぶのであれば割安感がありますが、それを予測するのは困難であり、2019年3月期の推移と2020年3月期の業績予想を待つしかないように思われます。

これまで安定して利益・CFを出していましたが、ここにきて大型投資で赤字ということで、その投資が報われて利益がついてくるなら化けるかもしれないとコメントされています。

大型投資で強みを持ちながら規模を増し利益がついてくるなら化けるかもしれないと思えるPBR1程度。注目しててもいいかも。もっとももうちょっと時間がかかりそうでもあるし営業CFとか営業利益見ながらタイミングは見計らうなんてのが良いかもしれない。

引用元:大河の一滴

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