テンポスホールディングス(テンポスHD)は、中古厨房機器のリサイクル販売で独壇場。ステーキ『あさくま』等飲食業も。17年11月持株会社化。
右肩上がりの成長を続けていますが、指標的には割高な水準です。魅力的な優待と、子会社ステーキあさくまの上場期待により、株価が高まっています。
テンポスHDの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
独壇場の主ビジネスと、期待される副ビジネス
主ビジネス:中古厨房機器のリサイクル販売
テンポスHDは主ビジネスとして中古厨房機器のリサイクル販売を行っています。飲食店用の設備(厨房機器や調理器具、イス、テーブルなど)の新品とリサイクル品を販売する「テンポス」を全国でチェーン展開しています。
新品をディスカウントして集客しつつ、リサイクル品で利幅を取るというビジネスモデルになっており、同社はこのビジネスで独壇場を築き上げています。
新品の商品を大幅にディスカウントして集客を図り、リサイクル品で利益を稼ぐといったビジネスモデルを構築しています。
引用元:株主優待?何それ?美味しいの?
特に、主力の厨房機器のリサイクル事業には競合と言える相手がおらず独占状態が続いています。
引用元:株主優待?何それ?美味しいの?
副ビジネス①:飲食業プロデュース
1つ目の副ビジネスは飲食店経営のプロデュースです。不動産物件の仲介から内装工事、ファイナス、集客支援まで至れり尽くせりの内容になっています。
飲食店経営のための情報とサービスの提供として、居抜きを中心とした不動産物件の紹介および仲介、内装工事の請負、リースクレジット等のファイナンス取扱い、飲食FC紹介、集客支援などを行っています。
引用元:The Goal
副ビジネス②:飲食業
より大きな期待を背負っているのが、2つ目の副ビジネスである、飲食業の自社経営です。主ビジネスとして「中古厨房機器のリサイクル販売」をしていて、副ビジネスとして「飲食業のプロデュース」をしているのですから、自社で飲食業を行うのは自然な業態拡大です。
特に、ステーキの「あさくま」が有名です。
「あさくま」や「ファーマーズガーデン」、「えびす参」、「フィッシャーマンズガーデン」など、飲食店の経営およびFC加盟店開発等を行っています。
引用元:The Goal
M&Aと出店拡大も上手く行っているようで、業績をどんどん拡大しています。
外食事業にも進出しM&Aを駆使して、わずか数年で本業と同規模まで成長してきました。現在、外食事業も堅調な業績を維持しており、こちらも強気な出店計画が発表されていますので、売上への貢献を期待したいところです。
引用元:株主優待?何それ?美味しいの?
2018年4月期2Qはまさかの減益決算
安定成長を続けていたテンポスHDですが、2018年4月期2Qは減益となったことを、2017年12月に発表しました。
あわせて、子会社あさくまも減益であったことや、通期業績の下方修正(特損)も発表し、株価は下落となりました。
結局、2018年4月期は増収減益で着地となりました。
2019年4月期については大幅な増収増益予想となっており、業績V字回復が期待されます。
人材派遣会社ディースパークを買収
決算発表で落ち込んだ株価を救ったのは、人材派遣会社のディースパークの買収発表でした。
ディースパークは、アパレル業界に特化した人材派遣会社としてスタートし、その後はフード・コンビニ・オフィス業界へと業容を拡大して販売業務を中心に人材派遣・紹介を行っています。
飲食業に関連しているテンポスHDともシナジー効果があると思われ、株価も急騰・年初来高値となるなど好意的に受け止められました。
期待される子会社「あさくま」の上場
子会社であるステーキの「あさくま」については、かねてより、東証マザーズに上場する方針とされており、期待が高まっています。
子会社のあさくま(名古屋市)は2015年春をめどに東証マザーズ市場に上場する方針と報道されています。テンポスバスターズの資産が膨張しますね。
引用元:The Goal
ステーキあさくまは、近々上場する噂のある勢いのある企業ですが、親会社はテンポスバスターズです。
上場前のあさくまには、まだ投資できませんが、その代わりにテンポスバスターズを買うという方法も一つです。
かねてから子会社のあさくまが上場すると言われており、株価もそれを織り込んでしまっているように思いますが、未だに上場は実現していません。
これについては2016年の株主総会でも質問が出ており、上場する方針は変わっておらず準備を進めていると発言があったそうです。以下のブログが詳しいです。
「あさくまの上場については準備を進めているが、一番のネックになったのが親子上場の問題が抵触していた。これは昨年のゆうせい上場の親子上場でクリアーにはなったのだが、今度は役員の支配性という事が問題になったので、今回、あさくまの役員を離れてテンポスの取締役に復帰する事になりました。」
引用元:とある帝都のゆるゆる日乗
売上・利益の観点からも、IPOが十分可能な水準であると指摘されています。
好調な推移が続く「あさくま」ですが、ステーキ・ハンバーグといった“肉系外食”の勢いは依然として衰えておらず、同業他社の攻勢も激化しているものの、今期はさらに10店舗を出店する計画です(※当社の店舗を含む)。「あさくま」の直近3期のアクチュアルの業績は、売上高が46→60→71億円経常利益は6.7→8.8→9.9億円と好伸しており、数年来に渡って期待がかかっていたIPOも十分に可能な業績水準にまで達しています。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
株主優待は食事券
高利回りの食事券
100株以上保有の株主に対して8,000円分の食事券がもらえます。過去には利回りが10%近いこともありましたが、昨今の株価上昇で4%程度になりました。それでもまだ高利回りの株主優待として有名です。
テーキのあさくまなどのあさくまグループの他、自社の顧客である飲食店舗でも使用可能。1,000円券が8枚で8,000円分。有効期限は平成29年7月31日までの1年間。全国794店舗。自社グループではないので、とにかく業種が抱負。
引用元:株主優待侍 ※抱負=豊富と思われます。
優待のために長年ホールドしており、あさくまかファーマーズガーデンで利用することを楽しみにされています。
年に1度だけですが、とても豪華な優待で楽しみにしていました。
この優待をもらうために、テンポス株は何年もホールドしています。
おかげ様で含み益は10万円近く。最高では12万円くらいまでいきました。
この優待ですが、元々はあさくまグループのみでしたが、厨房機器の販売や飲食業プロデュースの繋がりをもって、協力企業で使えるように拡充されました。
飲食業の株主優待として最も有名なのはコロワイドグループですが、それに勝るとも劣らない優待ではないかという意見もあります。
この優待、飲食に関 しては当初はあさくまグループのみだったのが、協力企業でも使えるようになったのが昨年。もしかしたらコロワイドを凌駕する最強優待になるのではと思われました。実際に協力企業に食べて行って、これはすごい優待だと実感したものです。
引用元:21世紀投資
利用制限のある店舗も
一方で、協力企業での食事券の利用には制限があることもあり、煩わしさを感じている個人投資家もいます。
ただし協力店舗はテンポスバスターズと資本関係にあるわけではなく、テンポスバスターズのサービスを利用して頂いている縁で利用できるようにしているだけなので利用条件が色々と制限される場合がある。例えば「1人様1枚まで」「ディナー限定」「ランチ・週末不可」「3,000円ごとに1枚使用可能」など。
引用元:株主優待侍
せっかく良い優待なのに、使い勝手が悪いと印象が悪くなってしまいますので、もったいないですね。テンポスHDの株主優待の使い勝手の向上に期待したいと思います。
すると今年は協力企業一覧に優待使用時の制限リストが追加されていました。改善はされたものの、制限多くてげんなりするし、勝手に制限が追加されてそうで面倒 なので、今年もあさくまグループだけで使うかなとなってしまいます。まだまだ使い勝手の道半ば。
引用元:21世紀投資
総合評価
安定成長を続けてきましたが、2018年4月期については減益に陥りました。2019年4月期は大幅増益を見込むため、一時的な減益になると思われますが、警戒感が漂います。
2018年6月時点でPER19.0倍/PBR3.26倍となっています。2019年4月期の大幅増益予想にあわせるとPERは20倍割れまで落ちました。
今後は2019年4月期の大幅増益の妥当性を見極めるフェーズかと思われます。
子会社あさくまの上場も含めた成長期待はあるものの、それは株価に反映されており、指標的には割高にあるとされています。それでも魅力的な優待があることを評価する意見が多いです。
株価という面では、子会社「あさくま」の上場や独自のビジネスモデルへの評価、イベント投資(東証1部昇格、株主優待)狙いなどカタリストは多いので、増収増益が続いている現状なら100株くらい保有していても何の不安もないと思います。
引用元:割安株投資研究所
指標的には非常に割高としながらも、成長力と総合利回りを評価されています。
テンポスバスターズは指標的には非常に割高ですが、成長力があり総合利回りもまずまず出ているので、優待族的にはなんとか許容できる株価水準と思います。これからも現行の優待制度が続く限りはホールド継続の予定です。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
あさくまの持分を考慮すればバリュー感があると評価されています。
当社の「あさくま」の持分価値は85億円程度となります。なお当社の時価総額は現状275億円ほどであり、現金同等物を50億円抱える無借金状態であることも合わせて考慮すると、成長株ながらバリュー感が際立ちます。
引用元:なちゅの市川綜合研究所