ウチヤマホールディングス(ウチヤマHD)は、介護、カラオケ、飲食店が3本柱。介護は入居一時金なしの有料老人ホームが主体。全国展開。
2013年頃に個人投資家から期待されるも、2015年頃にはそれが剥落しています。株主優待はおこめ券です。
ウチヤマHDの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
介護事業へ経営資源を集中
介護、カラオケ、飲食店が3本柱
ウチヤマHDは、介護、カラオケ、飲食店を3本柱として事業を行ってきました。
介護事業は新規開設が続き、売上増の割に利益は増えておらず、カラオケ事業が利益を支える構造となっていました。
介護事業、カラオケ事業、飲食事業の3つにはシナジー効果があると評価されています。
カラオケ事業と介護事業ではシニア層の取り込みおよび入居者の健康維持が、カラオケ事業と飲食事業では飲食&カラオケという集客力の向上および食材の共同仕入れによるコスト削減が、介護事業と飲食事業では食材の共同仕入れおよびケータリングなどの付加価値サービスというシナジー効果が見込まれています。また、不動産事業は有利な出店地を得るための基盤として、全事業にシナジー効果を発揮しています。
引用元:サラリーマン投資家ai(アイ)による成長株&配当株&優待株のハイブリッド株式投資実践ブログ
また、飲食事業については規模が小さいため、実質的には、介護事業とカラオケ事業の2本柱として分析がなされています。
今後のこの会社の成長性を占うには、介護事業とカラオケ事業の2本柱がどうなっていくかで株価も決まってくるでしょう。
引用元:割安株投資研究所
店舗展開

ウチヤマ通信 第12期より抜粋
2018年3月時点で、介護事業95ヶ所、カラオケ事業92店舗、飲食事業23店舗を展開しています。
地盤の九州エリアで最も店舗数が多い他、中四国・関西・関東エリアにも徐々に進出・拡大しています。
成長期待→剥落→復活
成長期待
2013年~2014年にかけて、ウチヤマHDはその成長性から個人投資家に期待された存在となっていきます。
2013年末に超主力1位として紹介されています。
ウチヤマHDは成長力・高い利益率・指標的な割安さの3拍子揃った、破格に総合戦闘力の高い銘柄と評価しています。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
2014年11月にも超主力3位として紹介されています。
ウチヤマHDは成長力・高い利益率・指標的な割安さの3拍子揃った、極めて総合戦闘力の高い銘柄であると評価しています。これからも引き続きPF最上位の一角として楽しくホールドしていく予定です。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
注目点はセール&リースバック
ウチヤマHDはもともと不動産ビジネスを行っていたこともあり、不動産業のテクニックとして介護物件流動化を行っています。
物件を購入し、介護施設を開設してから、介護物件として売却しそのリースを受けます。これにより、早期に投資資金を回収し、次の介護物件開設に移れるということになります。
セール&リースバックです。ウチヤマホールディングスではカラオケ事業および飲食事業を安定収益力として、介護事業を成長の原動力として位置付けていますが、介護施設の開設には多額の資金が必要となるため、施設を一度売却しそのリースを受けることで、投資資金がスピーディーに回収できるとともに、施設運営による収益貢献が期待できます。
引用元:サラリーマン投資家ai(アイ)による成長株&配当株&優待株のハイブリッド株式投資実践ブログ
セール&リースバックによって特別利益が毎年計上されていますが、期初予想には加味されないため、利益の分かりにくさに繋がると指摘されています。
セール&リースバックによる特別利益は毎年計上されるのですが、それが期初の業績予想に加味されておらず、期中に業績上方修正をじりじりと繰り返してくることがウチヤマHDの利益の出方の分かりにくさで、現在の不人気の一因となっていると思います。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
期待剥落
2014年~2015年にかけて、成長期待は剥落していき、株価は右肩下がりとなります。
2015年3月期1Q決算にて、全セグメントで利益率が悪化したことを受けて、成長に自信が持てなくなったとされています。
総合的に考えると主業の介護で苦戦しているばかりが、非主業分野で国内も芳しくない状況で、海外進出を打ち出しているとみえており、これが大きく華を開くと自信を持っていえなくなりました。
東証1部指定替えや特別利益計上などカタリストも残されているわけですが、現状で保有していくにはあまりに不安要素が台頭してきた感じは否めません。
引用元:中長期投資の練習記録
長期的に株価が冴えず損切りし、その要因を反省されています。
バリュー投資を行うならば、その後のフォローは必須ですよね。カラオケ事業や介護事業の見通しが落ちたために、株価が下がったようです。今後はバリュー投資の場合、悪材料が出た場合や悪い決算が出た場合、すぐに処分することにします。
引用元:科学者の投資日記
2年連続で超主力に据えていたみきまるさんも、2015年前半には大きくポジションを落としたと言及されています。
私はしばらく前まで介護銘柄の6059ウチヤマHDを超主力の一角にしていたのですが、ここはカラオケと飲食部門の絶不調が続いていることと、またセール&リースバックによる特別利益が毎期乗って来るのですが、その利益の出方が不透明で非常に分かりにくいことの2点が大きな減点対象となり、「残念ながら現時点では超主力で勝負できるだけの力は全く無い。」と判断して、大きくポジションを落としました。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
3期ぶりに増益へ
2015年、2016年と減益に沈んたウチヤマHDですが、2017年3月期については営業増益に転じました。
経営資源を集中する介護事業の収益力改善が寄与しました。
主力の介護事業については、営業拠点を3ヵ所・事業所を11ヵ所開設したことによる新規稼働効果や、懸案だった入居率の低迷に関しては、近隣病院等の協力機関への営業策の奏功により、91.8→93.4%に大きく改善し、収益力が改
善しました。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
2018年3月期においても、介護施設の新設が進むことが成長ドライバーとなる見込みで、営業増益を計画しています。
しかしながら、セール&リースバックについては定期的な物件売却ではなく、市況を見ながら柔軟に売却する方針となっており、最終利益の予想がますます困難となったとも指摘されています。
当社お得意のリースバック取引については、かつては定期的に期末に物件売却を実施して数字を作ってきましたが、市況を見ながら柔軟に売却する方針に変更しているため、最終利益(※固定資産のため経常外)の数字は以前よりブレやすくなっています。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
財務は安定的
比較的大きめの借入金がありますが、同等額のキャッシュも保有しています。セール&リースバックによって投資資金を回収しており、過大な借入金を抱えないようにしています。
2018年3月期においては自己資本比率51%となっており、財務は安定的です。
中期経営計画
長期ビジョン
時期については明言されていないものの、長期ビジョンとして、売上高1,000億円、営業利益100億円を目指すとしています。
主力の介護事業において新規開設を続ける他、M&Aを推進することで目標達成に向けて拡大していく見込みです。
2019年3月期向け中計
ウチヤマHDは、2019年3月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画を発表しています。
2019年3月期において、売上高292億円(年率+7%成長)、営業利益11.6億円(減益)を目標値としています。
2年目となる2018年3月期においては、営業利益目標を1年前倒しで達成しました。
しかしながら、本中計は3年間で13箇所の高齢者介護施設の新規開設を計画しており、利益よりも売上拡大に集中する期間である位置付けであり、最終年度での売上高目標達成が注目されます。
株主優待はおこめ券
株主優待は400株以上の保有でおこめ券(5kg分)が貰えます。
5kg分=2,200円分となります。
総合評価
2018年7月時点の総合評価
介護施設の新規開設が続き、順調に売上高を伸ばしている一方で、利益面についてはバラツキがあり予測が難しいです。
2018年7月時点でPER11.5倍/PBR0.66倍となっています。
株価は2013年を天井に右肩下がりとなっていましたが、2016年後半で底打ちしたようです。直近では株価は調整入りしており、次期中計待ちと思われます。
今後も介護施設の開設を進めていく他、M&Aも行っていくことが想定され、資金温存意欲は強いため株主還元には期待できず、グロース株として捉えた方が良いとコメントされています。
資金温存意欲は根強いものがあり、年間10円の配当を頑なに維持しています。また2016年には自己株取得を途中で打ち切った経緯もあるため、こと株主還元についてはかなり期待薄なので、あくまでグロース株として捉えた方が良いと思います。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
株価上昇時に売りたかったとコメントされています。
株価(516円)★★★☆☆:売りそびれました
配当金(1.94%)★★★☆☆:標準レベル
優待内容 ★★★☆☆:優待利回りはまあまあ
参考指標:PER 11.3倍、PBR 0.6倍
総合得点(15点満点):9点
※ データは2018年7月6日終値時のものです
引用元:「マイホームへの道」株主優待・ふるさと納税で豊かな生活
2017年7月時点の総合評価
成長期待が高まり株価が高騰した後、期待剥落により株価が低迷しています。
しかしながら、営業キャッシュフローは毎期プラスでキャッシュを積み上げており、財務は良化の一途を辿っていることから、安全性・割安性は増していると思います。
問題は最終利益の読みにくさにあり、純粋な介護事業というよりも、不動産業的なビジネスと割り切って考えた方が良さそうです。
毎年、財務は良化しており、実質無借金に近い状態となっており、地に足の着いた経営と評価されています。
2013年に増資を済ませ、配当もたったの年10円しか出していないので、財務は毎年良化の一途をたどっており、実質無借金まで後一歩のところまできています。介護事業はお国のさじ加減一つ、という怖さを会社側はよくわかっている模様で、かなり地に足の着いた経営をしている印象があります。
引用元:なちゅの市川綜合研究所
損切りされたようで評価は低いです。
株価(437円)★☆☆☆☆:下がってからは横ばい
配当金(2.29%)★★★☆☆:標準レベル
優待内容 ★★★☆☆:優待利回りはまあまあ良い
参考指標:PER 15.7倍、PBR 0.56倍
総合得点(15点満点):7点
※ データは平成29年1月20日終値時のものです