ユー・エス・エス(USS)は、中古車オークション会場の運営で断トツ。中古車買い取り専門店の『ラビット』も。好財務。
株主優待は年2回(3月9月)でクオカードまたはグルメギフト等です。
上場以来、2018年3月期で18期連続増配であり、安定成長を続けています。
USSの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
中古車オークション会場運営で高シェア高収益
事業内容
USS(Used car System Solutions)は、日本の中古車オークション市場で圧倒的なトップシェアを誇る企業で、法人会員は約5万社にのぼっています。
USSの会員は、以下の3つの方法で、全国どこからでもオークションに参加できます。
- ハイテク設備を完備した全国19会場でオークションに直接参加
- 全国19会場と提携しているオークション11階上で衛星TV回線を使用して参加
- インターネット経由で使用できる外部落札システムで参加
ビジネスモデル

2018年3月期 決算説明資料より抜粋
USSは中古車オークションを開催しており、出品する会員、落札する会員の両方から手数料を得るとともに、成約した際にはさらに手数料を得ることができます。
1台の成約につき、USSは24,000円の手数料を得ています。
2018年3月期において、年間の出品台数は270万台ににのぼっており、成約率は63.3%となっています。
また、USS自身が中古車の買取販売事業(ラビット)や、リサイクル事業(アビヅ)も行っています。
売上・営業利益比率
セグメント別の売上・営業利益比率は以下のようになっています。

第38期 インベスターズガイドより抜粋
主力のオートオークションで売上の79%、営業利益の98%を稼いでいます。
中古自動車買取販売事業、リサイクル事業を育成しており、売上規模は大きくなってきているものの、営業利益としては貢献は極小となっています。
市場シェア

2018年3月期 決算説明資料より抜粋
1990年の上場時には7%ほどの市場シェアでしたが、着々と拡大し、2000年には22%と圧倒的なトップシェアとなっています。
2006年にはシェア33%に達しましたが、そこから10年間は横ばいとなり、拡大できていません。
そこで2017年には同業のJAAを子会社化しました。これによって合計41%のシェアに達しています。
JAAを子会社化したことによって、これまで手薄であった近畿地方のシェアを一気に高めることに成功しています。

2018年3月期 決算説明資料より抜粋
地盤の中部、市場規模の大きい関東甲信越、そして近畿の3大需要地で40%を超えるシェアを確保するに至っています。
連続増配銘柄として

第38期 インベスターズガイドより抜粋
2018年3月期で18年連続増配を達成し、日本では花王に次ぐ2番目の連続増配銘柄となっています。
現在では配当性向50%を掲げており、財務的にも全く問題ないことから、今後も利益成長および配当性向の引き上げによる連続増配が続くものと思われます。
財務は鉄壁
借入金が極小あるものの、なぜ必要なのかは不明なほど更に多くのキャッシュを保有しています。
2018年3月期においてはJAAの子会社化にキャッシュを利用したため、748億円→396億円へと減少しているものの、自己資本比率は77%と鉄壁の財務が継続しています。
財務は極めて健全で言うことがないと評価されています。
言うことがないと言うかだいたい財産は右肩でBPSもほぼ右肩。財務は極めて健全・・といいつつ2017年に長期借り入れ金を結構増やしているね。「廃自動車等のリサイクル事業における事業用地取得などに伴う」とか言ってるね。この辺を育てたいってことでしょうか。
引用元:大河の一滴
株主優待はクオカードまたはグルメギフト等
株主優待は年2回(3月9月)で、保有株式数に応じてクオカードまたはVJAギフトカードまたはオリジナルグルメギフトがもらえます。
- 100株以上 500円相当のクオカード
- 500株以上 2,000円相当のVJAギフトカード
- 1,000株以上 5,000円相当のオリジナルグルメギフト
- 10,000株以上 10,000円相当のオリジナルグルメギフト
オリジナルグルメギフトは素晴らしい内容と評価されています。
USSの優待カタログはその超キャッシュリッチさを反映しているのでしょう、毎回上記のように素晴らしい内容です。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
5,000円相当のオリジナルグルメギフトは豪華であると評価しつつも、現実的にVJAギフトカードを選択されています。
5000円相当になると頂ける商品が結構豪華になるので、メロンでも、桃でも、梨でも、アイスクリームでも何でも美味しそうなグルメ商品を選択したくなってくるのですが、それらはグッと我慢して、何時も三井住友VJAギフトカードを頂いております。実質、金券優待扱いの銘柄です。
引用元:新右衛門生活向上力研究所
総合評価
高収益・安定成長企業であり、日本有数の連続増配銘柄に成長しています。こういう銘柄を初期段階で投資したいと思わせる教科書的な銘柄です。
2018年8月時点でPER21.2倍/PBR3.11倍となっています。売上成長性には乏しいものの、安定業績・連続増配を評価している印象です。
株価は、2015年中盤と2017年終盤でダブルトップを形成しており、現在は下落トレンド入りしています。JAAを取り込んだ割に業績が伸びなかったという失望感でしょうか。底値探りの展開となりそうですが、PER20倍割れ水準では押し目買いも期待できそうです。
指標的には割高としながらも、ビジネスモデルは極めて秀逸で実に偉大な銘柄であると評価されています。
USSは既に指標的には非常に割高なところまで評価されており、今の株価位置ではとても優待狙いで気軽に新規参戦できる感じではありません。しかしながらそのビジネスモデルは極めて秀逸であり実に偉大な銘柄であると思っています。これからも現行の優待制度が続く限りは楽しくホールドしながら応援していく予定です。
引用元:みきまるの優待バリュー株日誌
売上成長性は乏しいものの、自社株買いも含めてEPSを伸ばし続けており、優秀な企業と評価されています。
成長性は微妙もそれでも株主に報いる事はできるという事例でもあるし、そういうのも含めてとても優秀な企業と言えそうです。安ければとてもいいと思います。も、PERPBRともにわりと高めの水準とは言えそうです。でもド安定の業績からの還元で長期にはそんなに外すことが考えにくそうには思えます。
引用元:大河の一滴
業績安定度や財務安定度で高評価も、割安感がEと最低評価になっています。
【 きびなごの格付け 】 C
〔A~Eの5段階評価で、Aが最高・Cが普通・Eが最低〕
・業績安定度:A
・財務安定度:B
・配当利回り:D
・割安感:E