ウィルグループ(6089)

ウィルグループは、人材派遣や業務請負等の人材サービスを展開しており、家電量販店など販売現場へのセールス派遣が主力です。

2020年3月期まで年率で売上20%、利益30%増加という中期計画を掲げており、成長が期待されているグロース株です。優待にクオカード(長期優遇あり)を新設し、配当優待株としても注目されます。

ウィルグループの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。

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ウィルグループの行う人材派遣

ウィルグループはいわゆる人材派遣の会社です。人材派遣の会社は数多く存在しますが、ウィルグループの特徴・強みについてまず確認したいと思います。

ウィルグループの特徴

人材派遣といっても、どこにどんな形で人を送り込むのかに特徴があります。

ウィルグループが人材派遣を行っているのは2つの業種です。それが、家電量販店向けの販売員と通信業界向けのコールセンターアウトソーシング(BPO)です。

よって、この派遣先である家電量販店と通信業界の2つで、人材が必要とされ続ける・拡大するのかを考える必要があります。スマホの登場により、どちらも有望ではないかという意見があります。

スマートフォンは主に家電量販店と通信事業者のキャリアショップで売られていますが、キャリアショップで修理受付できないiPhoneの登場、MVNOの登場、固定回線と携帯回線のセット割りの登場などによって、家電量販店の重要性が増してきているのではと思っています。
ウィルグループは家電量販店のスマートフォン売り場、ブロードバンド売り場をメインターゲットにしているため、この市場の拡大の恩恵を十分に受けられそうです。

引用元:株主優待バリュー株投資ブログ

BPOでいえば、業務の一部をアウトソースすることは業界のトレンドで、例えば自動車関連のコールセンターでいえば、プレステージ・インターナショナル(4290)が順調に業績を拡大しています。
ウィルグループは通信会社向けのBPOで順調に業績を拡大させています。

引用元:株主優待バリュー株投資ブログ

ウィルグループの強み

ウィルグループの強みは明確化されており、それは、ハイブリッド派遣と呼ばれます。

派遣社員だけでなく、ウィルグループの正社員も含めたチームの形で派遣先企業へと送り込みます。これによって指揮系統が円滑になり、現場の意図を汲み取りやすくなることで、派遣先・ウィルグループ双方にメリットがあるということです。

もしかすると、単なる派遣とコンサルの中間なのかもしれません。

このハイブリッド派遣については以下の2つのブログでも解説・考察されています。

ウィルグループの強みとしてハイブリッド派遣という仕組みがあげられます。
通常量販店では様々な会社から販売員が派遣されてきますが、指揮命令系統が非常に複雑というのが悩みになっているようです。
ハイブリッド派遣は、派遣社員とともに指揮命令を実施する正社員も派遣するという仕組みで、この問題を解決しているようです。

引用元:株主優待バリュー株投資ブログ

ウィルグループの提唱するハイブリッド派遣では、派遣従業員だけでなく、ウィルグループの正社員も現地指示担当者(フィールドサポーター)として、チームとして一括で派遣されます。

引用元:南郷さんの株ログ

グロース株としての観点

前章で確認したウィルグループの特徴・強みによって、急成長を遂げており、グロース株として期待されています。

業績

2013年の上場以来、業績は右肩上がりです。年率で30%程度の成長実績を残せているのは心強いです。

・上場以来右肩上がり、売上は平均すると+30%程度の伸びで、純利益も+25%程度伸びている
・今年度も売上+26.6%、純利益+22.8%と順調に伸びる

引用元:みやびの館@株式投資

売上は着々と成長していますが利益にはブレがあるようです。2016年1Qの決算発表時には減益を嫌気してストップ安まで売り込まれました。

しかし、後から振り返ってみれば、そこは買い場でした。あくまでも売上は順調であり、拡大投資による経費増が、利益をブレさせているようです。

業容拡大に伴い人件費や採用費等の費用が増加したことの言葉の通りで、
2020年に向けた中期経営計画に向けて順調に売り上げを伸ばしており(前期比+42.2%)、
むしろ好調と言えるのではないかと思いました。

引用元:20代の投資生活

この銘柄は確認することのできる上場して以降の四半期決算で一度も売上高を落としたことがない超安定銘柄です。利益率のバラツキは拡大投資によるものです。

引用元:risk offの株式投資ブログ

今後の成長性(中期計画)

ウィルグループは中期計画を発表しています。

2020年3月期で売上1,000億円、営業利益40億円というものです。年率で売上20%、利益30%増加というペースであり、グロース株として期待できる水準だと思います。

この中期計画に期待して投資している個人投資家も散見されます。

・2020年度までの中期経営計画では売上1000億(今年度ベースで+75%)、営業利益40億(今年度ベースで+150%)目標であり、今までの実績、ビジネスの内容から決して無理な数字では無いと感じる

引用元:みやびの館@株式投資

中計実現のための”飛び道具”としてVCファンド設立も行っています。

この中計実現絡みの新たな“飛び道具”として、本年3月に京都の老舗VCであるフューチャーVC(8462)と組み、10億円のハウスVCファンドを設立しており、これで中長期的に投資先やMA案件の獲得を狙います。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

利益成長鈍化?

2019年3月期の計画については、売上高こそ1年前倒しで1,000億円を達成するものですが、営業利益については26億円(前年度比+7.5%)となっており、利益成長の鈍化が懸念されます。

それを織り込む形で株価は2017年末を天井に右肩下がりとなっています。

期待先行しすぎたため、景気悪化を懸念されて調整を余儀なくされているのではないかと指摘しつつ、中計の最終年度はそれなりの数字を出してくるのではとコメントされています。

個人的にはいい銘柄だと思いますが、やはり期待が先行しすぎたのと、これからの景気の悪化を懸念されて売られているようです。今期は投資で利益が押さえられていますが、中計の最終年度となる来期はそれなりの数字を出してくるかと。

ただ、それ以降の見通しを考えると…という感じなのでしょうか。

引用元:バネ男の株のアレ。

リスク

意欲的な中期計画を掲げてはいますが、当然ながらリスクもあります。

1つは景気の影響を受けやすいことです。景気が悪化するとまず削減されるのは派遣社員でしょう。

・不況時には真っ先に派遣メンバーから切られるため、不況時に売上や利益が一気に下る可能性がある
→不況の影響を受けにくい分野が中心であるものの影響は避けられないか

引用元:みやびの館@株式投資

また、新株予約権による希薄化を懸念している意見もあります。当面は希薄化以上に増益の恩恵が受けられるという考えですが、繰り返し増資されてしまうのは株主にとって悩みのタネであります。

新株予約権の発行が今回限りという条件なら19.6%の希薄化が起こったとしても、上記のように驚異的な成長力によって株主は長期保有さえしていれば十分なリターンを上げれると思います。
問題は過去に5回も実施している新株予約権行使を今後しない保証は全くないということです。ここら辺が今後も保有するかどうかのポイントとなりそうです。

引用元:risk offの株式投資ブログ

株主優待はクオカード

株主優待はクオカードで長期優遇制度があります。

  • 1年未満
    • 100株以上  500円相当
    • 200株以上 1,000円相当
  • 1年以上2年未満
    • 100株以上 1,000円相当
    • 200株以上 2,000円相当
  • 2年以上3年未満
    • 100株以上 1,500円相当
    • 200株以上 3,000円相当
  • 3年以上
    • 100株以上 2,000円相当
    • 200株以上 4,000円相当

1年以上で2倍、2年以上で3倍、3年以上で4倍となります。

長期保有する気が満々になる内容です。

私はもちろん長期保有する気、満々です!

調整があれば、買い増しして、主力株にするかもしれません。

引用元:京大准教授の投資日記 ~優待バリュー株で楽しく億る~

総合評価

グロース株としての魅力だけではなく、配当優待株としての魅力も兼ね備えています。

2016年に株主優待を新設し、さらに、同年に拡充まで行いました。優待はクオカードであり、長期優遇により金額が増えるという魅力的なものになりました。

2018年6月時点でPER18.0倍/PBR2.94倍となっています。利益成長が鈍化する懸念から株価が下がっています。今後の決算では利益成長、上方修正があるかについて注目です。

優待新設時の総合評価です。(拡充後は利回りが改善していますので評価アップか?)

【 きびなごの格付け 】 C
〔A~Eの5段階評価で、Aが最高・Cが普通・Eが最低〕
・業績安定度:B
・財務安定度:C
・配当利回りC
・割安感:C

引用元:株主優待と高配当株を買い続ける株式投資ブログ

みきまるさんのブログでも高評価であり、グロース系なら主力でも良いのではないかという評価までありました。

ウィルグループは指標的にはやや高いですが、それを上回る成長力がある実に良い銘柄です。グロース系の投資家の方だったら主力で勝負していても不思議ではない、そういう力のある銘柄ですね。

引用元:みきまるの優待バリュー株日誌

株主還元よりも、成長が期待される銘柄であると評価されています。

本中計期間における総還元性向は、最終的に30%を目標としており当分は自社株買いは考えにくいので、配当で戻される形になろうかと思われますが、今期期初時点では前の期並みの14円配を据え置いています。もっとも、派手な資金調達をして高い成長モメンタムを確保している銘柄ですので、この辺の株主還元は無視してもよい内容かと思います。

引用元:なちゅの市川綜合研究所

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