ヤオコーは、埼玉県中心に食品スーパーを展開。独立系。営業利益率は業界首位級。ライフとPB共同開発。
株主優待は年2回(3月9月)で買物優待券等です。
2018年3月期にて29期連続増益となる見込みで、記念配の剥落によって連続増配は途切れているものの、安定成長株に分類します。
ヤオコーの概要と個人投資家ブログの意見をご紹介します。
目次
優良地盤と店舗戦略で業界トップの利益率
事業内容
ヤオコーは、埼玉発祥で関東を地盤に食品スーパーを展開しています。2018年5月時点で158店舗を展開しており、内訳は以下の通りです。
- 埼玉:86店舗
- 群馬:15店舗
- 栃木:5店舗
- 茨城:7店舗
- 千葉:28店舗
- 東京:10店舗
- 神奈川:7店舗
日本で数少ない人口増加地域である関東圏という優良地盤を活かしつつ、ライフとPB商品を共同開発するなどの戦略で営業利益率は業界トップとなっています。
2018年3月期で29年連続増益となる見込みであり、非常に安定した成長を遂げています。
販売戦略
ヤオコーの成長を支えるのがスーパーでの販売戦略です。
例えば、惣菜部門では多品目から、力のある少数の品目に絞り込み、量から質への転換が図られたと紹介されています。
もともと惣菜部門では500~600品目を扱っていたのを、130~150品目にまで絞り込んだそうです。量から質への転換ですね。とくに徹底して品質(味)を追求したのが売上高上位の10品目。上位10品目が惣菜売上の4割を占めるそうです。おはぎは担当者が宮城県の名店で修業を積んだそうです。
引用元:あつまろのこだわり資産運用
また、提案型の売場作り(クッキングサポートコーナー)にも定評があります。
その他の特徴についても以下のブログで解説されています。
夕食などの料理メニューを調理して、見本品として展示してあるコーナー。パート店員が店の食材を使い献立を提案する。最低でもパート社員一人は専任者として配置されている。平日で4~5皿、土日は7~8皿以上のメニューを調理して提案するそうです。毎日料理をしていると「今日は何を作ろう?」と頭を悩ませがちなので、ありがたいですね。
引用元:あつまろのこだわり資産運用
稼いだキャッシュを続々と投資
ヤオコーの成長についてキャッシュフロー・財務観点から見てみます。
ヤオコーはほとんどフリーキャッシュフローを発生させていません。つまり、稼いだ営業CFをほとんど投資CFへと消費しています。
この点について懸念するコメントもありますが、しっかり成長できており、大きな問題にはならないとも指摘されています。
キャッシュフローを見ると稼いでいる以上に投資しているが、ROEから判断すると投下資本回収率が下がっているのかなという2点が気になりますが、大きな問題はないように感じます。
引用元:割安株投資研究所
上記のため、財務観点では横ばいの状況です。
2017年3月時点で自己資本比率は42%となっています。当期はM&Aに資金を利用したために財務は多少悪化していますが、未だ問題にはならない程度であると思われます。
M&Aで神奈川を強化
ヤオコーは2016年12月、神奈川県を地盤とする食品スーパーのエイヴィを買収し子会社化しました。
エイヴィは低価格スーパーとして強みを持っており、地域的にも業態的にもヤオコーとはカニバリが少なく、買収メリットがあると判断されたものと思われます。
中期経営計画
ヤオコーは2018年3月期を最終年度とする3ヵ年の中期経営計画を発表しています。
2018年3月期において、売上高3,400億円(年率+3%成長)、経常利益145億円(年率+3%成長)を目標値としています。
最終年度となる2018年3月期は、売上高4,040億円、経常利益161億円が見込まれています。オーガニック成長だけでも十分達成可能でしたが、上記エイヴィの買収によって、中期経営計画の目標値を超過達成するものと思われます。
株主優待は買物優待券等
株主優待は年2回(3月9月)で保有株式数に応じて、買物優待券(100円引)または自社製品(ミネラルウォーター550ml×24本入り)がもらえます。
- 100株以上
- 買物優待券 10枚(1,000円相当)
- 200株以上
- 買物優待券 20枚(2,000円相当)
- 自社製品 1ケース
- 1,000株以上
- 買物優待券 50枚(5,000円相当)
- 自社製品 2ケース
- 2,000株以上
- 買物優待券 100枚(10,000円相当)
- 自社製品 4ケース
買物優待券(100円引)については1,000円以上で使用可能です。
1,000円以上で1,000円につき一枚という条件はありますが、ヤオコー好きの私には嬉しいです
引用元:お気楽主婦のブログ
100円割引50枚(5,000円相当)を4,500円で落札されたとのこと。割引券にしては非常に換金率が高いのがヤオコーの価値の裏返しだと思います。
ヤオコーを利用するなら株主優待をヤフーオークションで購入してみるいいかもしれません。1000円以上の買い物につき一枚使用できる100円割引券 50枚を先週4500円で落札しました。
引用元:たまちんの株主優待生活
総合評価
これまでの成長実績、地盤の優良さを考えると、今後も同じように成長していく未来を想定するのが尤もだと思います。オーガニック成長+M&A成長がまだまだ見込めます。
2018年5月時点で、PER23.1倍/PBR3.25倍と食品スーパーとしては非常に高い評価を受けています。株価的には十分に評価を受けており、そのため、配当・優待利回りは魅力に欠けます。
個人投資家としては、食品スーパーという低成長な分野に、この株価高値圏から新規投資をすべきか?というのが論点と思われます。